日本のスマホゲーム市場はこのまま中国タイトルの躍進を許すのか

現在、スマホゲーム日本市場における中国、韓国をはじめとするアジア勢タイトルの台頭が顕著になっています。
後にも触れますがが、特に中国タイトルの活躍が目覚ましい状況です。

今回はなぜ中国タイトルがここまで日本市場でポジションを得られたのか、下記項目の順で述べていきたいと思います。

▼日本市場における中国タイトルの状況
▼日本タイトルと中国タイトルの違い
▼今後日本市場はどうなっていくのか

日本市場における中国タイトルの状況

国内App Storeトップセールスランキング(カテゴリー:ゲーム)のうち、トップ100位に占める中国タイトル数は、1年前と比較し5タイトルから14タイトルに増加しています。
また、1年前の5タイトルのうち3タイトルは現時点でもトップ100に残っており、安定的な売上を保持している状況です。
(なお、戦艦帝国は2015年9月リリース以降3周年を迎えた現在でもトップ100に顔を出すビッグタイトルです)

【2017年9月1日】
・KOF`98 ULTIMATE MATCH
・Crash of Kings
・戦艦帝国
・崩壊3rd
・陰陽師

【2018年9月11日】 
・荒野行動
・KOF`98 ULTIMATE MATCH
・放置少女
・アズールレーン
・IdentityV
・ドールズフロントライン
・マフィアシティ
・新三国志
・王に俺はなる
・崩壊3rd
・我が天下
・Crash of Kings
・サファイア・スフィア

日本タイトルと中国タイトルの違い

まず、中国タイトルの大きな特徴として、売上が比較的安定している点があります。
最近リリースしたドラゴンボールレジェンド(日本)とドールズフロントライン(中国)の直近1ヶ月のセールスランキング推移をみますと、前者はトップ10位〜100位以下を激しく上下しているのに対し、後者は概ね20〜30位を保持しています。(AppAnnieより)

▼ドラゴンボールレジェンズ(2018年6月1日リリース)

▼ドールズフロントライン(2018年8月1日リリース)

これは、同じF2Pモデルゲームでありながらも、日本タイトルと中国タイトルではマネタイズモデルが大きく違うところが主な要因の1つとなっていると思われます。

日本タイトルは売上の95%がガチャと言われるぐらいマネタイズが偏った構造になっています。
そのため、ガチャ更新による売上寄与が大きく、更新がなかったり、商品がユーザーに刺さらない場合は売上が大幅に下がる要因となります。

一方、中国タイトルはガチャだけではなく、VIPシステム、スタミナ回復、通貨(ゴールド)販売、衣装販売、アイテムセット販売等、多岐に需要をつくっている構造となっています。
1ユーザーあたり課金単価は低いものの、課金ポイントを増やすことで安定した売上を保持しているものと思われます。

これらの構造の違いは、1ユーザーあたり課金単価が世界一高い日本市場とユーザー人口の多い中国市場の特徴を踏まえた合理的な着地点として、それぞれの市場を形成していました。

しかしながら、これら特徴に加え、下述のここ数年における変化が合わさったことで、日本市場における中国タイトルの普及が加速したように感じます。

▼中国経済の発展に基づく多大な開発予算により、プレイコンテンツや育成要素等に圧倒的なボリュームを投入可能なため、プレイ継続性に優れている

▼上記により、多額のプロモーション予算を投入による多くのユーザー獲得が可能となった

▼中国国内のネット回線速度の劣悪さが、各種描画素材等の軽量化効率化による動作の軽快さを担保している

Bilibiliをはじめとする二次元市場が拡大し、日本人作家と遜色のないクオリティのキャラを中国国内で制作可能となり、そういったキャラや日本の声優を使用したタイトルがヒットするようになった

このように、多額のプロモーション予算投下によるユーザー獲得に加え、遊び尽くせないコンテンツボリュームと、ストレスのなくサクサク動くクオリティの高さ、そして日本人好みのキャラを揃えた中国タイトルが、多くのユーザーと高い継続プレイを獲得し、ガチャ一辺倒に頼らないマネタイズにて、日本市場における高い売上を安定的に保持できるようになった、と思われます。

今後日本市場はどうなっていくのか

結論から言うと、日本市場における中国タイトルのヒットは今後も「増え続ける」と思います。
私としては、ユーザーに受け入れられるものが正義だと思いますので、ヒットするのはどこの国のタイトルでも良いと思っています。

ただし同時に、コンサルタントとして様々な開発会社と関わらせていただくなかで、国内の開発会社はほとんどが古くからコンシューマータイトルを開発していた小規模な会社で、現市場の需要への対応が難そうという課題を感じております。

こういった状況をどう打破すべきかは難しいですが、今後は統合等による協力体制をつくるのか、はたまたVRゲーム等の次の市場にかけるのか、いずれにしてもしばらくは現状の流れが続くかとは思っています。

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たまてぃ

ゲームビジネス

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