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冷やしていいところ

過去記事(アメブロ)に、ちらっと書いてます。

熱中症予防に、とアイスノン的なものを首に巻けるようになってるモノがありますが、、、あとのことを考えると、使わないで欲しい。肩こり、頭痛、目の疲れ、月経困難、倦怠感…いろんな不調を招きます。

なんて呪いをかけたくはないですけれども、首は冷やしてほしくない。弱点だしね。ネックっていうでしょ。首のつくところ、手首、足首、同首、乳首、首はいわゆる「急所」です。大事な場所、命に関わる場所、弱点なのです。

首には太い血管があるから「血液が冷めてよろしい」というようなことが言われて、もっともらしく聞こえますが、その太い血管(頚静脈と頸動脈)を覆うようぶっとい胸鎖乳突筋があって、まずはこれが冷えます。そして固くなります。首の後ろ側の一番表層は僧帽筋。これも冷えて固まります。首肩の「コリ」として感じます。更に言うと、僧帽筋と胸鎖乳突筋は11番脳神経で、10番脳神経の迷走神経(の反回神経)と合流します。で、ここが緊張するともれなく呼吸が浅くなります。自律神経によろしくない。

いいことひとつもない。

強いて言えば「ひんやりして気持ち良い『気分』が味わえる」くらい。

気分であって、カラダ的にはそれほど冷却効果なし。
そして自律神経によろしくない。

冷たいものあてがうなら、アメブロの記事にも書いたように「あかちゃんのときに大泉門があったところ。

河童のお皿が乗っかってるところのイメージ。

ここには例外的に骨格の外側に「筋肉がない」。頭皮の下は帽状腱膜という結合組織(前頭筋と後頭筋をつないでいます)でその下は頭頂骨と前頭骨。

このですね、頭頂骨の縫合のライン、モヒカンのライン、ウルトラマンのトサカ(?)のラインには、骨の下を矢状静脈洞という、ぶっとい静脈が通っていて、河童のお皿よろしく、ケーキを買った時などに付けてもらえる「保冷剤」をのっけておけば、矢状静脈洞を通る静脈血の温度が下がってちょっと冷めた血液が心臓にもどります。熱中症予防であればこれで十分。


矢状静脈洞

心臓が送り出す血液の1/5〜1/6くらいが脳に行って、戻ってくるときに小川が合流して大河になるように「太い静脈」になってるのが「矢状静脈洞」。これが後頭部でもういっかい2本に分かれて左右の頚静脈になって胸鎖乳突筋の奥を通り、心臓に戻っていくのです。この図を見てもらったらわかるように、首を外から冷やしたところで、血管は遠いし、それほど血液は冷めません。ホントに気分だけ。

猛暑になると、なんとか涼をとって、熱中症を防ぎたいし、そうすべきなときもあります。でも首は、濡らした手ぬぐいを掛けるくらいならいいですが、決して冷凍庫から出したような冷却材を首に巻いたりしないでね。帽子の内側に保冷剤くっつけて被るくらいでOK。

暑くて汗をかいたら
バシャバシャ水で顔を洗う
なんなら頭に水をかぶる
そして水分補給
梅干し食べる


うちの前の河原

川に飛び込むのもヨシ(๑•̀ㅂ•́)و✧


追記:それでも「肩甲骨の間は冷やして良いのだ」と仰る方がSNSに現れたので、注意喚起にこちらを貼っておきます。おそらく「流暢性の高いキャッチーな情報」に振り回されて不調をきたしたクライアントさんに手こずった経験を重ねておられるのでしょう。情報量が多いですが、納得できる回答が得られるかと思います。

褐色脂肪細胞は乳児期に量が決まります。吸気の温度が低いと増やして体温維持しようとします。北欧の乳児が屋外で昼寝するのはこの反射を利用して基礎代謝の高いヒトに育てるためです。大人になって褐色脂肪細胞のある部位を冷やしても意味はありません。肩こりと猫背が酷くなるだけです。肩関節をしっかり動かす運動をしましょう。

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