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「当たり前」って結構通じないこと多いのよ。。

比較的基本的なところを今頃知ることがありまして、、、そのあたりについて書いてみます。


倉貫さんの本読みました。

最近、ソニックガーデン社長の倉貫義人さんの「人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~」を読みました。

私、ソフトウェア開発企業に20年以上おりますが、ソフトウェア開発とはどういう仕事なのか?エンジニアの人たちは何を大切にして、どう仕事をしていきたいのか?わかったようでわかってないことが結構あったな、、、と思い、反省しております(^-^;

ソフトウェア開発とは、コンピューターを動かして課題を解決し、目標を達成するために、頭の中で動かし方を考え、できるだけシンプルに、できるだけ美しく、コードを書いていくことだと理解しました。

しかし、倉貫さんの本の中で「事業側の人」として出てくるように、下記のような思い込みがありました。

・たくさんの人で開発すれば、開発スピードは速くなる。
・分業していけば開発スピードは速くなる。
・品質的に一時的に妥協するのは致し方ない。
などなど。

ソフトウェア開発企業にいながら、どうしてそういうことが起こってしまうのか?

考えてみると、かなり工業社会の考え方に染まっていたかも。

倉貫さんの本にも書いてありましたが、どうしてもモノを作る、つまり製造業の考え方、工場で物を作る考え方が結構根っこにあり、それをソフトウェア開発にも当てはめて考えているところに誤解の根っこがあるように思います。

工業社会では、ある一定のモノを作るというときに、「作るものと作り方」が決まれば、あとは投入する資源を増加させるとたくさんの量が作れますし、たくさんの資源を投入して大規模に作れば、それだけ効率化が図れます。

ところが、ソフトウェア開発だと、状況によって「作るものと作り方」が常に可変していく、作った後も改修していく、これを考え続ける仕事になるため、何かが「決まる」というタイミングはありません。ゆえに、「一気にリソースを投入して拡大再生産する」という場面が来ません。

基本的な考え方のところで間違っていたと思います。

しかし、自分の経験から「当たり前」だと思っていたことを、いろいろな分野に適用して、「なんでそうならないの?」と思うことは今までも多かったと思います。

自分の「当たり前」が他の場所では「当たり前ではない」ことはよくある。

考えてみると、事業側も、部門によって考えていることは違っているかもしれません。

今まで、営業部門、受注部門、サポート部門、マーケティング部門などを経験していますが、部門ごとの「当たり前」はだいぶ違っていると思います。部門を変わった際、ほかの部門の「当たり前」を知らずに、異動した当初はだいぶ苦労しました。

ざっくりいうとこんな感じ

■営業部門
売上が重要。売上を上げるために、またお客さんに喜んでもらうために、なるべく寄り添って対応しようとする。

■受注、サポート部門
どのお客さんにも公平に迅速なサービス提供を心掛ける。ゆえに、お客さんごとの対応に差をつけるのはよくないと考える。

■マーケ部門
一番伝えたい人、一番伝えたい内容を絞り込んで、明確して、その人の心が動くような施策を考えに考える。

私は営業部門からキャリアが始まりましたが、営業部門の「なるべくお客さんに寄り添って対応」という「当たり前」をもって、受注・サポート部門に来ましてメッタ打ち(個人の感想です)にあいました。受注・サポート部門の方曰く「お客さんに差をつけるのですか?」「そんなイレギュラー対応したら後々負債になります」と。

確かに。。。ですよねー。。。
かくして、新しい「当たり前」を学びます。

受注・サポート部門からマーケ部門に移りましたが、これまで多種多様なお客さんに対応してきて、いろいろお客さんに対応すべきという「当たり前」をもって、マーケ部門の人と話をしましたが、「なぜその施策をやるんですか?」「誰にでも当てはまる公約数的な施策では、結局誰も見向きもしてくれないのでは?」的なご指摘を受けます。

またもや信じていたものが打ち砕かれた瞬間です(^-^;

なぜ違う?

お客さんも多様だし、お客さんの様々なフェーズ(製品を知る、製品を理解する、製品を買う、製品に対する質問をする、製品を活用する)によって、必要となる知識、こちらから提供する活動やサービスの内容、性質が大きく異なります。

社員が増えて、役割によって専門化していき、それぞれのフェーズに応じた活動をしていくと、部門ごとに大切にすることに違いが生じてきます。

もちろん、大きな方向性でいうと、お客さんに喜んでもらいたい、だったり、会社にパーパスやミッションに通じていくのですが。

それでも、日常の活動レベルでいうと、「当たり前」についてはいろいろ違ってきます。

こういう文化の違いに起因する出来事、トラブル多いかも?

ある一つの部門、一つの職種で専門性を深める、というのはとても重要なのですが、知らず知らずのうちに、独自の「当たり前」の体系を発展させてしまうかもしれない。

よく言う「部門のサイロ化」もそういう現象の一つだと思うのですが、改めて、同じ会社の中で、近くても違った「当たり前」が存在することを前提にコミュニケーションできるといいと思っています。

自分の「当たり前」を信じすぎると、思わぬところで大炎上するかもしれません(^-^;

おわります。

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