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お笑い好きほど、「ルポールのドラァグレース」を観た方がいい理由

「ルポールのドラァグレース」は日本ではいまいち人気に火がついていない!?

Netflixでも配信されている「ルポールのドラァグレース」(以下RPDR)。
アメリカの伝説のドラァグ・クイーン、ルポールが主宰をつとめる、ドラァグ・クイーンの勝ち抜きコンテスト番組。

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▶︎彼女がルポールです

ビジュアルだけでなく(というよりむしろビジュアルよりも)ファッションセンス、ダンスや歌、演技、コメディセンス、そしてリップシンク(歌に合わせた口パク)など審査の方法は多岐に渡ります。
現在S13まで行われており、NetflixではS12まで配信中。歴代の出演者が再集結して戦うオールスターシーズンもあります。

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▶︎個性豊かなクイーンが毎シーズンごとに登場!

虹プロジェクトや日プ、ラストアイドルなど、日本でも数多くの勝ち抜きオーディション番組が人気だったり、M-1やキングオブコントはもはや国民のお祭りと言えるほどの盛り上がりを見せていますが、このルポールのドラァグレース、日本人で観ている人があまりいないのがものすごく寂しくて、今回はその魅力、ハマりどころなどをご紹介したいと思います。

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▶︎レディガガも出たことがあるんだよ!

ドラァグレースは、ルポールという松本人志を軸としたM-1である

ドラァグレース、簡単に言うと、ドラァグクイーンたちが毎回いろんなお題に沿って対戦をし、勝ち抜いていく番組でして、そのテのオーディション番組とか、賞レースとか好きな人はおもしろがれる要素がふんだんにあると思っていて。

特にアイドルが好きな人は、「集団の中での推しの見つけ方」が身についてるはずなので馴染みやすいと思うのですが、意外にもこのルポールのドラァグレース、お笑い好きがハマれるポイントがたくさんあるんですよね。

どういうことかと言いますと、RPDRは、ルポールという松本人志を軸とした「M-1」っていう見方ができるんですよ。

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「ルポールのドラァグレース」なわけなので、審査員は他にもいますが基本的にはルポールが誰を勝たせ、誰を落とすかを決めています。M-1は複数名の審査員によって優勝を決めるシステムですが、実態として、「松本人志にハマるか」が価値基準の一つになっていることは否めない。そういう意味で、この「絶対神」と挑戦者の関係性はすごくM-1的であると言えます。
(その上で、多くの人がそうだと思うのですが、「まっちゃんはあのコンビいまいちっぽかったけど私は好き」ということがあるように、必ずしもルポールの推しだけが「正解」なわけじゃないところもあって、ちゃんとおもしろい)

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▶︎威圧感が類似

そして一方で、ドラァグレースでは「カリスマ、ユニークネス、ナーブ(度胸)andタレント(才能)」が勝者の基準、と謳うだけあり、さまざまなテーマで審査を行う手法は、さしずめ「イロモネア」みもあるんです。

ね、これもう、お笑い好きがハマるのは必然でしょう?(笑)

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▶︎「サイレント」はないけど、「一発ギャグ」「モノマネ」「ショートコント」「モノボケ」はある(マジで)

ただ美人なだけでも勝てないし、日本のオネエタレント文化にも通じるようなコメディエンヌなキャラを持っていても、それだけじゃダメ。
とにかく多面的に審査をするので、勝ちの展開が読めないところもおもしろさの一つと言えます。

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▶︎有名人のモノマネをするスナッチゲームは人気企画

ある回では「ここにある100円ショップの道具だけを使って衣装を作りなさい」みたいな時もあるし、「“雪”をテーマにランウェイを歩きなさい」みたいな回もある。歌やダンスの審査もいろいろで、歌といってもラップの時もあればミュージカルの時もあったり、コメディにチャレンジすることも。
クイーンたちのバックグラウンドもいろいろで、昼職でプロの衣装作りをやってる子とか、ダンサーや歌手とかもいて、それぞれに得意分野があるんだけど、思わぬところで足元を救われ脱落することがあって、「え?こんなにキレイなのにダメなの?」とか、「この子意外と笑いのセンスあるんだなぁ」とか、クイーンたちのいろんな魅力を知ることができるんですよ。

▶︎100円ショップのスポンジだけで作った衣装を披露するクイーン

とことん見た目の好みで推しを決めて応援していくも良し、ランウェイやリップシンクといった、王道の「ドラァグクイーンスタイル」を真正面から評価するも良し、「ダメだけど憎めない」みたいな愛し方をするも良し、とにかく楽しみ方が無限にあります。

「推し方」無限大

さらに、10年以上続く人気シリーズで、1シーズンに15人近いクイーンが登場するので「同期推し」みたいなこともできちゃいます。
「S3のあの仲良しグループがアツい」とか「このシーズンに出てたこの子と、こっちのシーズンに出てたこの子はドラァグシスター(師匠と弟子)」みたいな掘り方も、「NSCで同期のこのコンビが一緒に決勝に!」みたいな賞レースへのアツい気持ちをちゃんとスライドできる仕組みになってるんですよね。
だんだんハマってくると、クイーンたちのSNSをdigするのが止まらなくなります。

▶︎シーズンが終わっても同期で絡んだりしてるの見るのアツい

タイプ別おすすめシーズンご紹介

というわけで、ハマる準備は万端のみなさんが、いざネトフリでRPDRのページをクリックすると、12シーズンも配信されているので、めっちゃ気後れしますよね。
とりあえずS1から観ればいいのかというと、個人的にはそんなことないと思いまして、
というのも、S1はまだ番組の完成度が低く企画自体が荒削りな部分も多いため、別のシーズンから観るほうが観やすい気がします。
ネタバレなしで個人的おすすめのシーズンをご紹介しますので、気になるシーズンから観てみてください!

■少女漫画的な「女のヒエラルキー」な世界観が好きならシーズン3

ようやく番組の展開の仕方などが固まってきたシーズン3から観るのはかなりおすすめ。クイーンも個性的で推しが見つけやすいシーズンです。なんといってもこのシーズンは、イケてる女たちが徒党を組んでつるんだり、それに対して反発する子たちがいたりと、わかりやすい「ヒエラルキー」があって見応えがあります。イケイケグループ自体には賛否両論の声があるのだけれど、目の前に平伏したくなる美しさもあって私は好きにならずにはいられなかった。ぜひその目で刮目してほしいです。

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▶︎「アタイらが最強」って感じがつおすぎ

■「週刊少年ジャンプ」な主人公像を求めるならシーズン5

このシーズンもアクの強いクイーンが勢揃い。後半はわかりやすいヒールと、健気に対峙する勇敢な少女の、少年ジャンプっぽい対立構造が見どころです。「この子がどう勝っていくか」みたいな見方ができておもしろい。

▶︎ドラァグレースの中でも3本の指に入るリップシンクの名対決だけでも見て帰ってください

■日本人胸アツな回あり!圧倒的に魅せて魅せて魅せまくってくれるシーズン7

単純にビジュアルレベルが激しく高いシーズンで観てて飽きない。衣装づくりなどのテクニック系の課題が多かったように感じるシーズンです。日本人なら高まること必至な、最高ビッチちゃんも登場します。とにかく毎回いちいちクイーンたちが美しい目の保養シーズンです。

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▶︎えっどゆこと・・・

■「こんな女、いるよね〜」女子校のクラスみたいなわちゃわちゃゴタゴタが楽しいシーズン9

どのシーズンにも輪をかき乱すトラブルメーカーはいるのですが、「圧倒的クレイジーサイコパス美女」が登場する波乱のシーズン。悪魔的人気を集めるクイーンが誕生しますが、果たして彼女の結末は?
そんなトラブルメーカーに対して、外野でガチャガチャ言う女、無謀にも近づいて自爆する女、割り切って距離を置いて自分のやれることをやる女、など、女子校のクラスを彷彿とさせる様々なキャラクターのクイーンが登場している、人間模様も楽しめるシーズンです。

▶︎美女にご用心。

■平和でみんな仲良し。ドラァグ界の“第7世代”シーズン12

2020年放映の、最新回。クイーンのドラァグの表現方法も昔と比べると多岐に渡るようになっていて、初期シーズンから観ていくと本当に時の流れを感じます。ドラァグ界の神様であるルポールとの接し方も初期の人たちとはちょっと違う雰囲気を持っていたりと、まさに“お笑い第7世代”的な新しさを持つ現代っ子クイーンがたくさん登場します。めちゃくちゃ大好きなシーズンなのですが、このシーズンをしみじみと楽しむには、やっぱりある程度初期シーズンを履修してからの方がいいかも。変遷を楽しむ集大成的なシーズンです。

▶︎日本大好きなクイーン、ロックMサクラちゃん。アニメのオマージュや漢字の書かれた衣装なども着ている。

■ダイバーシティなキャラのデパート。おさえときゃ間違いないシーズン6

個人的には突き抜けた推しがいないのですが、めちゃくちゃバランシングにキャラクターや企画が散りばめられていて「これを観れば、ルポールのドラァグレースが理解できる」教科書的なシーズンと言えると思います。
アメリカでは一番視聴率が高かったシーズンらしいです。

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▶︎大混戦のシーズンです

ということで、まず3,5,6あたりを観て、おもしろいと思ったらそのまま7,8,9…と見進め、飽きなきゃそこからシーズン1に戻って観ていくのがいいかなと思います。

ぜひ、推しメン、推しシーズン、推し企画を見つけて、一緒に語れたら嬉しいです!

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