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ワールドカップでの日本代表を見て感じたこと

みなさん、こんにちは!

ブログ書くのは久しぶりになります。いつも読んでいただいた方には申し訳ないです。

この原稿は15日に書いていますが、まさに今日ワールドカップ2019の決勝が行われ、スペインの優勝で幕を閉じました。日本の3大会ぶりに出場しましたが、結果は全敗。悔しい結果となりました。

日本代表の試合は全部観ました。現役でやってる選手として、日本と世界の差はどのくらいあるのか、実際に確認したかったからです。

様々な意見がありますが、現役選手として語れることをこのブログに描きましたので、面白く読んでいただけたらと思います。

大きくポイントは2つ。フィジカルとシュートです。


●フィジカル


フィジカルと聞くと、筋力などの格闘技みたいな強さのイメージがありますが、バスケの場合少しニュアンスが違います。

それは「とにかく崩れない」ということ。

ディフェンスでプレッシャーかけられても、ドライブで横から押されても、決してボールは失わず、シュートまで持っていける。なおかつシュートを決める。この失わない力がバスケのフィジカルです。

仮に100m10秒で走れたとしても、接触で倒れてしまう選手ならその運動能力は全然活かされないんですよね。

これは個人的なイメージなんですが、バスケって相手を「抜き去る」ってイメージありませんか?それがかっこいいみたいな。

でもワールドカップ見てて思ったので、「抜き去る」ってほぼありえないんですよね。仮に抜き去っても、とんでもないところから2mの選手がブロックに跳んでくるわけですから、跳んでくる選手にどう対応するかまで考えないといけないわけです。

ってなった時に、このイメージだと日本のバスケは随分遅れているなと感じました。ディフェンスをずらして半歩抜く→接触しながらドライブ→ブロックに跳ばせないように体を当てる→シュート、の技術がないと世界では戦えないんだと思います。


●シュート


今大会、日本と外のシュートは不調でした。モンテネグロ戦ではチームで1本も決まらない(0/16)、ということもありました。

でも決して日本はシュート下手ではないと思うんです。むしろレベルは高い方だという気もしています。

じゃあ何が足りないのか。

それは「2mの世界の経験」だと思っています。

選手目線でいうと、190cmの選手と2mの選手がシュートチェックに来るのって全然違うんですよ。わずか10cmの差ですが、打てる本数は相当変わってきます。

Bリーグだと外国人選手は2mを超えますが、日本人選手だとなかなかいません。2m選手のシュートチェックを受ける回数って物理的に少ないはずです。

これが世界、今回のワールドカップを見てた方はお分かり頂けると思うのですが、大半の選手は2mを超えてます。

日頃から2m選手のシュートチェックに慣れていて、その対処法を身につけていれば全然問題ないですが、国際試合になった途端に直面すると、すぐの改善は難しいです。

これは国内で解決って難しいなと思っていて、日本人の平均身長をあげるというわけにもいかないし、環境に依存している問題だと思います。

有望な選手はどんどん環境を変えていった方がいいかもしれないですね。海外に挑戦して、日本の環境では経験できなかったことを経験することで、国際試合でも結果が出せる選手に成長するんじゃないかなと思います。


●最後に…


とまあ、選手から見たらこんなところが改善ポイントだよ、というお話しでした。ただファンしたら聞いたとこでどうしようもできない部分ではありますよね。

ただ一般の方でも、代表の発展に貢献できることがあるんです。

それは「世界との差はそこまでないと周りに伝えること」です。

アメリカ戦、日本は大きく点差を離され負けてしまいました。地上波でも放送があり、いろんな方があの試合を観られたんじゃないかなと思います。

確かに点差だけ見たら大きく離れましたが、通用していたことも多くありました。ゾーンディフェンスに対しアメリカは攻めあぐねていたし、日本の速攻がアメリカに引けを取らないスピードがありました。出だしの点差はアメリカのディフェンスのプレッシャーに驚いてしまったからで、ただの経験不足です。

冷静に事実を見ていくと、点差ほどの実力差ではないはずなんです。(でも実力差以上の点差がついたり、その逆があったりすることがスポーツの面白さでもあるんですが。)

アメリカ戦の翌日、バスケを知らない方からあの試合ってどうなの?と聞かれました。おそらく点差を見て、日本ってまだまだですって回答を期待していたんでしょう。

でも自分は「思ったより差はないです」とお伝えしました。先ほど述べた事実を添えて。

僕自身、1番気にしているのは、例えば日本弱いですね!と言った場合。聞いた人はバスケ知ってる人でも日本弱いってなるんだと思えば、本当にそう認識しますよね?その方がお子さんがいて、日本のバスケって弱いんだって伝わってしまったら?Bリーグ見に行こうって絶対思いませんし、そのお子さんはバスケ選手目指そうってならないですよね。

そうなってほしくないんです。何気ない一言でバスケの発展を邪魔したくないんです。

小さなことかもしれないですけど、日本のバスケってこれからどんどん面白くなるし、強くなるんだよって1人1人が思うだけで、本当に日本が面白く強くなると思っています。

これが選手じゃない方でも日本を強くできる方法なんじゃないかな、と。


もしこれからバスケの話題が出た時に、このブログの内容を思い出して、これから日本のバスケは面白くなるし強くなるよって伝えて頂けると幸いです。

以上、選手の独り言でした。


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