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12吊られた男(2019年4月19日)

大アルカナの12吊られた男です。
大アルカナは普遍的なこと、小アルカナは日常のことを表します。

12の数字は3の系統です。
3は奇数で外へ、12は偶数で内へ。
3の生産性は内側へ向きます。
心の宇宙に耳を澄ませることになります。

12の数字は、占星術では魚座や12ハウスに対応します。
魚座も12ハウスも、境界線のない果てしなさを表し、それは精神であり宇宙です。

吊られた男の図柄はわりと衝撃的なもので、右足をロープで吊られ、地に頭は着いておらず不自由な状態なのに笑っています。
地に接していないのは、生産性がないことを表しています。
また、右足は現実世界への野望や欲、意志を表します。
右足は天に向かっているので、これもまた目に見える生産性とは反対のものを意味します。
不自由で身動きが取れない時こそ、心へと集中していくものです。

地に足が着いている状態とは、現代社会ではとても肯定的に捉えられていますが、はたしてそうでしょうか。
地に足が着いているとは、周囲の環境や人の意見を聞くということです。
なにを判断するときでも、常に周囲を意識します。
これは自分の生きる意図に沿っているとは限らず、必ずしも地に足をつけることが良いとは言えないのではないでしょうか。

シュタイナーの言う12感覚論から考えると、現代人は5つの感覚に閉じて生きています。
嗅覚、味覚、触覚、聴覚、視覚です。
12個あるということは、あと7個あります。
自我、思考、言語、熱、生命、運動、平衡です。

目覚めと眠りの狭間、寝入りばなや寝起きの時は、この自動運転する5つの感覚から拡大し自由になります。
この5つの感覚は物質的な肉体であり、そこに閉じ込められるとイメージするとわかりやすいかもしれません。

吊られた男は、この5つの感覚を自由に使うことができない状態です。
ということは、肉体から拡大した意識状態であり、誰の影響も受けず自由だということです。

今日のサビアンシンボルは「天球の合唱隊が歌っている」です。
17:30から「アヒルの池とそれが育む子供たち」です。
「天球の合唱隊が歌っている」は、広大な宇宙に自分自身のあるべき場所を見出します。
天球の音楽に溶け込むように、あるべき場所へと流れ着きます。
静かに心の音楽に耳を澄ませることで、自分自身のことで重要な発見があるということです。

吊られた男も、心の宇宙を漂いながら、自分自身に大切なエッセンスを取り出そうとしています。

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