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0愚者のカード(2019年4月27日)

大アルカナの0愚者のカードです。
0の数字は1の前で、まだ始まっていません。
何者にもなっていないことを表します。
胎児が子宮の中にいることに気がつかないように、私たちも地球の腹の中にいることを本当には知らないのです。
自分という存在を認識することが難しいのと同じです。
赤ちゃんが生まれ、外に出たことでお腹の中にいたことを知るように、その世界から飛び出したときはじめて、自分がいた世界を知ることができます。

愚者のカードの絵柄では、境界線を越え未知の世界へ新しい一歩を踏み出そうとしています。
つまり自分のいる世界をおぼろげながらも知ったということです。
あるいはうっかり飛び出してしまったことで、自分がいた世界を知ることになります。

自分の目で見て、自分の価値観で見たもの、自分自身が投影されたものがその人の世界です。
自分がいる世界を知るとは、自分を知るということに他なりません。

今日のサビアンシンボルは22:20に「サマリアの女」から「雪といっしょにないソリ」になります。
今日は「サマリアの女」です。

サマリアの女は、新約聖書で差別される民族の女として登場します。
差別とは、立場の違いから生まれる差によって生じます。
自分の属するものと、そうでないものの差です。
この差を感じることで、自分が属するものを知ることになります。
サマリアの女は井戸の水を汲みイエスに与えますが、これは属する民族の可能性を掘り起こし、命の源となるものを得ることを意味しています。
他者と自分との境界線を越えることで、自分の中に眠る根本的な資質に気がつくことができます。

愚者のカードは、境界線そのものを表すわけですが、その境界線を知ることは、自分のいる世界の存在を知り、つまり自分自身を知ることになります。

大アルカナが表すものは象徴的です。
象徴的であるということは、どんな具体的なものになりうるということです。
カードの読み方は無限にあることになります。
その都度どの範囲で読むのか、相似的に大きくも小さくもなります。
愚者のカードは、なにかをやめることや、ここではないどこかへ行こうとすることを表します。

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