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ペンタクルス9(2020年12月19日)

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今日のサビアンシンボルは、射手座28度「美しい流れにかけられた古い橋」です。12月18日20:15頃28度に入ります。

射手座が28度で橋をかけるのは山羊座です。山羊座という集団原理に働きかけるために、「古い橋」を使います。火の元素から土の元素への移行は、天から地へ落ちるような体験であり、大きな自己から小さな自己へ、肉体を持った自分に閉塞されることに似ています。

イエソドとマルクトの間には断絶があり、恒星との繋がりが断たれる境界領域には、三途の川のような美しい流れがあるように、サインから次のサインへの移行は、境界線を越えることになります。

三途の川を渡る際に、奪衣婆に身ぐるみはがされるように、境界線を越えるとき、それまで身に着けたものは脱ぎ捨てる必要があります。新しい信念体系に飛び込むとき、これまで信じていたものは無効になります。

射手座は精神の極みを目指し、向上心によって階段を上り続けますが、その精神の火は真っすぐ天に伸びていくというより、螺旋階段を描くように回転しながら上昇し、その回転の勢いは知らず知らずのうちに、環境や集団原理、他者の影響を跳ねのけ、打ち勝つ精神を育んでいきます。また、上昇することで下半身である身体性を意識せざるを得なくなり、天と地の落差によって、形のないものが印象になり、知恵や理解に至る術を開発しています。

柔軟でしなやかな故に折れることのない精神は、山羊座に入ると、集団原理に打ち負かされることになりますが、そもそもが、その山羊座の範囲内で飛び上がっては下りていたことに気がつきます。

射手座28度では、過去からの蓄積の世界であり、形骸化した山羊座世界にある「古い橋」を借ります。つまり「郷に入っては郷に従え」と言うように、集団原理を用います。天と地を繋ぐ虹が地上との接点を持つとき、金を用いるように、橋をかけるとは、双方が興味を示し、共通点を見出しています。興味を持ったことで地上に落ちることも同じです。

今日のカードはペンタクルス9。9は信念や信条、精神性や思想を表し、環境に依存することのない、その人の生き方を表します。環境に依存することのない9は、自身の精神性や哲学に従い、どこにも着地することなく動き続けます。自由な旅をする9が、ペンタクルスという金貨に反映されると、まるでイエソドとマルクトの断絶が消えたかのように、物質は想念に従います。

射手座28度的に言うなら、美しい流れに古い橋がかかることで、想念がそのまま形にならないよう働いていた、断絶という緩衝器が外れ、筒抜けの状態になったということです。射手座の火が山羊座の箱に反映されるように、環境に創造の意志がもたらされます。山羊座に飲まれる前の強気な射手座です。形骸化した山羊座の箱の中に、生命力あるいは自己の反映を見出し、それを引き出そうとするとも言えます。

このように精神と物質が切り離されておらず、精神や感情の反映が物質であるというのは、人間の本来性であり、つまり遥か昔からある法則であり、「古い橋」だということです。

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