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どん兵衛のCMの、吉岡里帆がかわいい

どん兵衛のCMの、吉岡里帆がかわいい。

昨晩もふさふさのしっぽを揺らすキツネ耳の彼女が画面に映し出されると、すきやき鍋をつつく手が夫婦で止まった。

「『あざといから嫌い』ってネット民も多いけど、あざといのは役であってふつうにかわいいよねえ」と言うと、頰をぷくっとさせる里帆キツネを見て「ああ、たしかに女性に嫌われそう」と夫がうなずく。

そして豆腐をよそいながら100%なんとなく「ヨコタさん(夫)から見てもかわいい?」と聞くと、もちろん、ともう一度力強くうなずいた。

「伸び代があるんだよね、吉岡里帆には」

……あ、語り出してしまったぞ。

「この子はもっとかわいくなる、まだまだこれからだ、みたいな。A級の実績と美貌がないからこそ、ポテンシャルを感じさせるというか」

「しかもその『もっとかわいい吉岡里帆』は、自分のデートだったり発言だったりで引き出せそうな気がする。だからといって想定内で終わるんじゃなくて、自分の予想を超える表情を見せてくれるおもしろさもありそうだし」

「だから、石原さとみや北川景子より、吉岡里帆が好き」

キリッと答える夫に、卵をもうひとつ割り入れながら「なるほど」と返すしかなかった。CMが明け、M-1が再開した。

このときはM-1決勝を見たい気持ちもあってあまり深掘りしなかったけど、あとから考えて、夫の言うところの「ポテンシャル」を感じるものにわくわくする気持ちはわかるなあと思った。

サッカー部の爽やかキャプテンや『君に届け』の風早くんのように「みんないいと思っている」ひとにはあまり惹かれない一方で、「このひとおもしろくない!?」と〝掘り出し物〟を見つけたときによろこびを感じる節は、わたしにもある。

「知らなかったでしょ」とドヤ顔したくなるし、周りに知らせたくなる。サポートしたりプロデュースしたくなる。未完成なものへのときめき。自分しか気づいてない魅力に対する高揚——。


ところで出版社には、はじめて本を出す著者に及び腰なところと「ぜひうちで1冊目を!」と積極的なところがある。古巣のダイヤモンド社は完全に後者で、いつも「はじめての著者さん大歓迎!」と言っていた。営業部も、編集部も。

出版社として志が高いとも言えるし、その著者のエッセンスを凝縮できる旨味があるからとも言える。

けれど、きっとなにより、「そのひと」を世に知らしめるわくわくがあるのだ。こんなにおもしろくてすごい人がいるんですよ、と。

「このひと素敵じゃない!?」と紹介したり「もっとこうしたら魅力が伝わるのでは?」と知恵を絞ったり。それで世の中が驚いたり動いたりするのは、やっぱり出版の仕事のおもしろさのひとつだから。

……ああ、そういえば編集者である夫は、「はじめての著者」と仕事をすることが多い。プロデューサー気質ゆえの、吉岡里帆推しなのかもしれない。


今日は、はじめて本をつくる著者さんの取材に栃木まで行ってきた。とても魅力的な方。いいプロデュースをして、いい本にしよう。「もっとかわいい吉岡里穂」を引き出すように。

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