落書き① ベッチャー祭り
「君も家の中で籠ってないで、鬼に叩かれて来るといい」そう言って眼鏡の彼女に連れ出されたものの、鬼は人混みに埋もれてしまってほとんど見えなくなってしまっていた。
仕方なく駅前広場のベンチに座る。
目の前では、子供が言い合いをしている。
「俺は駅前で白に叩かれた!」
「嘘つけ!俺は商店街の中で白いのに叩かれたぞ!」
どうやらどちらかが鬼に叩かれたと嘘をついているらしい。
たしかに、俺も駅でとんでもない人混みを見て来たとこだ。
しかし、もう1人も嘘をついてる様には見えない。だとすると白い鬼は2人いることになるが──
ハッとして横を見る。
いつの間にやら横に座っていた眼鏡の彼女は大変愉快そうに笑っている。
──どっちかが本物なんだな……
「商店街で叩かれた彼は、今年皆勤賞だろうね」
そう言うと彼女はベンチから立ち振り向く。
「商店街に向かおう」
どうやら今年は風邪をひかずにすみそうだ。
イラスト:するしない(Twitter:@surunonishina)
ベッチャー祭(ベッチャーまつり)は広島県尾道市で行われる祭りで、奇祭とも称される。1962年には尾道市無形民俗文化財に指定された。
11月3日の「練り歩き」では、鬼神「ソバ」「ベタ」「ショーキー」が獅子と共に御輿を先導し、市内を練り歩く。 この三面と獅子に叩かれたり突かれたり噛まれたりするとその1年間、風邪や病気にならないと言い伝えられている。 毎年この日には子供から大人まで皆が街へ繰り出し、太鼓のお囃子(おはやし)に合わせて「ベタ」「ソバ」「ショーキー」という掛け声で三面をはやしている光景がとても魅力的である。
Wikipediaより引用
活動の糧にします。次はもっといい記事を