見出し画像

【LDLバディ対談】サービス精神と自己犠牲の狭間で(日下信彦さん)

LDL(Locally Driven Labs)とは、約20年にわたって全国各地で経営とまちづくりに取組んでいる木下斉さんが所長として立ち上げたラボです。3年前から参加していて、いつもノウハウと刺激を頂いていますm(_ _)m

https://note.com/fumihirookazaki/n/ne15023de7706

この度、LDLメンバーで今回バディとなった日下さんが長岡に来てくれました!

長岡名物の生姜醤油ラーメン(あおきや)を堪能。県外の人が来ないとなかなか行くこともないのです(^_^;)

1.日下さんの異色の経歴

日下さんの現在の職業は船舶調理師。いわゆる船上のコックさんをやられています。

3ヶ月海上・1ヶ月休暇という特殊な生活ですが、長い休暇を活用して、様々な地域に旅行されています。

今回、旅行先の一つとして長岡市を選んで頂きました。香川県の観音寺市から大変ありがたいですm(_ _)m

20歳に父経営のバーを継承し、その後、27歳で母経営の居酒屋を経営されて14年。居酒屋はコロナを機に廃業し、現在の船上コックさんに至ります。

なかなか出会えることが少ない船上コックさんというお仕事の詳細は、過去のLDLバディ対談で取り上げられていますのでご確認ください。

私が興味を持ったのは、船上コックになる前の飲食店時代のお話。飲食店経営経験、末っ子による事業承継経験など、日下さんとの共通点が多かったからです。

2.サービス精神と自己犠牲の狭間で

日下さんは両親が飲食店を経営していることもあり、当たり前のように飲食業の世界に入りました。20歳でバー経営はスゴイ!

接客と調理が不可欠な飲食業ですが、日下さん、実は、接客も調理もそんなに好きではありませんでした。

しかし、その分、お客さんを喜ばせたいというサービス精神の気持ちがあったようです。

お客さんに喜んでもらえることは、飲食店でなくてもやりがいになりますよね。

そんな日下さんですが、事業を長くやっていく過程で、多忙により身を削ることが多くなり、少しずつ少しずつ自己犠牲の念がでてきたそうです。

そして、自己犠牲の念が強くなったことで、お客さんを喜ばせたいという想いがズレ始め、飲食店をやり続ける意義に疑念を持ちました。

そして、その疑念が飲食業界から離れた要因の一つになったそうです。

私もカフェ経営をしていて、お客さんに喜んでもらえることが一番のやりがいですし、お客さんとのつながりがカフェ経営の醍醐味だと思っています。

しかし、仕事を詰め込み過ぎて自分に余裕がなくなってしまうと、お客さんへの想いが揺らぎ、カフェの継続が難しくなってしまうのだと、考えさせられました。

現在、日下さんは船舶調理師として調理業務をしていますが、無理をすることなく、粛々とこなしているそうです。

一方で、長期休暇の際は、趣味である旅行を楽しんでいます。

3.飲食店と地域との関わり

20年以上、同じ地域で飲食店経営をしていた日下さん。

地域との関わりとして、地元のJC(日本青年会議所)やYEG(商工会議所青年部)での取り組みについてお聞きしました。

JCは居酒屋経営を始めた頃に参加したそうで、JCでの取り組みが居酒屋の顧客獲得にもつながり、事業にプラスの影響を与えたようです。

さらに活動自体も楽しかったようで、どんどんのめり込んでいきました。

一方で、のめりこんだ分、自身の事業が疎かになり、このままでダメだということで、途中退会しました。

JC退会して数年後、今度はYEGに所属しました。

JC同様、YEGでの活動は様々な業界の人と出会える機会があり、自身の居酒屋の営業活動がしやすかったようです。

 YEGでも良い繋がりができ、居酒屋経営にとってプラスに働いた一方、その財源が補助金から使われていることに違和感を感じはじめ、次第に、YEGから距離をおいたそうです。

JCやYEGへの参加は、地域のためというより、自分のお店あっての活動という関わり方でした。

「地域にとって良いと思うことも、自分のためになる(自分が本当に良いと思う)が最初にイメージできなければ、やらない」という言葉が印象的でした。

地域の活動に参加することは、自分のお店の集客につながる可能性があります。

一方、地域の活動に足を突っ込みすぎて、仕事(下手すりゃ家庭も)が疎かになってしまった苦い経験が私にはあります。

なので、今の私は、家族・自分>仕事>地域という明確な優先基準をもって、地域の取組みを取捨選択しています。

改めて、地域活動は、まずは自分が良い(楽しい)と思うことが大事であると思いました。

4.最後に

日下さんの飲食店歴は20年以上。飲食店の酸いも甘いも経験しており、言葉の一つひとつにとても重みがありました。

明確な目標があっても。継続しなければ達成出来ない。お金も人員も限られる中小企業は、ゴールまでの距離を無理に縮めなくても、正しい道筋で試行錯誤しながら継続することが第一であると。

中小企業の経営者としての生き様というか、試行錯誤中している私にとって、大変勇気づけられるお言葉でした。

最後に、こちらのLDLマガジンに、LDLメンバーの取り組みなどがUPされています。随時ご確認ください!

https://note.com/shoutengai/m/m501a054f702e

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?