121人参加✨豊岡では2年9か月ぶりのリアル開催!第7回 豊岡地域クラウド交流会
5月28日、兵庫県豊岡市の豊岡市役所にて「第7回 豊岡 地域クラウド交流会(ちいクラ)」が開催されました!
豊岡では2017年12月にスタートしたちいクラ。第5回(2020年8月29日開催)と第6回(2020年12月5日開催)は新型コロナ感染拡大の影響で、リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド開催だったため、今回豊岡では2年9か月ぶりの純・リアル開催!当初は2月の開催を予定していましたが、リアルにこだわって模索を続け、ようやく実現しました。
会場には121人もの方が参加し、大いに盛り上がりました!今回はどんな起業家が豊岡を熱くさせたのか…?!当日の様子をリポートします\(^^)/
🌱地域クラウド交流会(ちいクラ)とは?
地域クラウド交流会(ちいクラ)は、2015年にスタートした、サイボウズが開催ノウハウを提供するイベントです。
地域の起業家5人が参加し、自身の事業をプレゼン。イベントに参加している地元住民は「応援したい!」と思う起業家に投票します。その得票数に応じて、起業家は支援を受け取ることができます。起業家は資金面の応援を受けられるだけでなく、事業のPRや地域の人的ネットワークを広げる機会を得ることができ、地域全体の繋がり強化やビジネス活性化が期待されます。
地域活性化や地域創生を目指し、地域の企業や金融機関、自治体等と連携して行われてきました。
日本とアメリカの23の都道府県と州で開催され、今回の豊岡ちいクラで161回目。参加人数は2万人を超えています。
起業家の事業が地域で応援されるだけでなく、過去には、交流会をきっかけに企業とのコラボレーションが生まれたり、参加者と新事業を立ち上げたりするなど、さまざまなビジネスのきっかけが生まれてきました!
豊岡では、地元の金融機関である但馬信用金庫様が主催で開催されており、今回が7回目。合計35人の起業家が登壇しています。
今回の豊岡ちいクラには、近畿経済産業局様と豊岡市様が共催、豊岡商工会議所様・豊岡市商工会様・日本政策金融公庫様・芸術文化観光専門職大学様が後援してくださいました!
さらに参加者は、起業家や起業を目指す方だけでなく、起業家を応援したい方、地域を盛り上げたい方など、年代・性別問わず、たくさんの方にご参加いただきました!地域の企業や団体と住民が一体となって開催されたのです。
🌱誰一人取り残さない グラミン日本・百野様によるクラウド勉強会
地域クラウド交流会が始まる前の1時間は、毎回さまざまな講師をお招きする勉強会「クラウド勉強会」が行われます。
今回は一般社団法人グラミン日本の理事長CEOである、百野公裕さんに「誰一人取り残さない社会づくり」についてお話しいただきました。
百野さんからは、先進国である日本でも格差が広がっていること、所得格差は徐々に拡大していて、国民の6人に1人、約2,000万人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされていることなどが紹介されました。さらに、困窮者は孤立しやすく、救済策であるセーフティネットからも漏れてしまうことも少なくないそうです。
特にシングルマザーなどの女性の貧困も深刻で、子どもたちの間にも「生まれた環境によってスタートラインが違う」状況が生じてしまっているといいます。
SDGsでも掲げられている「誰一人取り残さない」社会の実現のために何ができるかー。勉強会ではグラフや動画も使って格差の現状などが紹介され、参加者は真剣な眼差しで見入っていました。
また、融資を受けられない人に低金利・無担保での少額融資を実施するグラミン銀行・グラミン日本の取り組みは興味深く、後半の質問コーナーでも、「豊岡で誰一人取り残さないためにどんな取り組みができるか」など活発な意見が出され、充実の勉強会となりました。
🌱スペシャルゲストにアイスブレイク!ちいクラには盛り上がる仕組みがたくさん!
勉強会のあと、15時からちいクラがスタートです!
今回、ちいクラの運営をリードする「オーガナイザー」は、但馬信用金庫の城田恵理子さん !
前回までオーガナイザーを務めていた松原健一さんからバトンを受け、初めての大役です…!最初は緊張した面持ちでしたが…
この弾けるような笑顔に、丁寧で堂々たる司会!会場の空気がより一層柔らかく、明るいものになりました。
つづいてスペシャルゲスト・豊岡市の西上均副市長による応援メッセージ!
テレビ局出身のご自身のキャリアと重ねて”楽しむこと”の重要性を語ってくださった西上副市長。5人のプレゼンターに「ぜひ、楽しみながら起業してください!」と温かいメッセージを送ってくださいました!
この後は、毎回恒例のアイスブレイク「大人の本気の」ラジオ体操第1!
今回は、子どもの頃に体育委員をしていたというNPO法人かんなべ自然学校の前田敦司さんと、会場に駆けつけてくれた豊岡市のマスコットキャラクター「玄武岩の玄さん」が、お手本となってくださいました!(ありがとうございます!)
参加者全員が本気!体が温まるだけでなく、久々のラジオ体操に自然と笑顔が込み上げていました。プレゼンター、参加者、全員が温まったところでプレゼンターの登場です!
🌱いよいよ5人のプレゼンター登壇!
今回のプレゼンターはこちらの5人です!
自身の事業やこれから成し遂げたいことなどを、1人あたり3分でプレゼンします。
最初に登壇したのは、ボディケアサロンLa vieという整体院を経営している、岡本さんです。直前の勉強会の内容とシングル家庭で育ったご自身の生い立ちを絡め「スタートラインが人と違った子どもだった」と話しました。
大人になり、開業した直後も苦戦が続き、悩みの尽きない毎日を過ごしていたと言います。しかし、地域の方が声をかけ、アドバイスをくれ、支えてくれたおかげで突破口を見出し、3月・4月は月間施術件数100件を達成。「予約の取れない人気マッサージ師」と呼ばれるようにまでなったと言います。
地域の方に還元したいという思いが強く、「地域の企業やカフェ、美容院などとコラボしたい!」とたくさんの夢を語ってくださいました。
つづいて登壇したのが、ドライヘッドスパ専門店Onemの加悦さんです。
シングルマザーとして子育てしながら、家計を支えてきました。そうした中でヘッドスパに出会い、癒され、「多くの人に良質な眠りを体験してもらいたい!」という思いで「ヘッドマイスター」の技を提供しています。
そんな加悦さんは、「自分と同じシングルマザーの自立に貢献したい」と熱い思いを語ってくださいました。ヘッドスパは、起業するにあたり必要な初期投資も少ないため、金銭的な心配を抱えていても始めやすいと言います。
自身の経験と知識をもとに「同じ環境の女性が自立できるよう支援したい」という言葉に深く頷きながら話を聞いていた参加者もいました。
3番目に登壇したのは、コンさん。
「広い定義の勉強ができる学習塾」を立ち上げようと奮闘しています。
韓国に生まれ、日本で育ったコンさんは、子どもの頃、あまり学校の勉強が得意でなかったと言います。しかし、テストの点数だけで評価されないAO入試によって大学に進学し、卒業したということです。
そうした経験から、地域の子どもたちに勉強以外のさまざまな選択肢を提供し、地域の未来を担う良い人材を育てていきたいというプランを紹介しました。コンさんの軽快な語り口と、教育への考え方に共感する方が多く、所々で笑みがこぼれるプレゼンとなりました。
4番目は、濱田さん。4年ほど前から、Instagramで、豊岡のグルメや景色について発信しています。また昨年度からは、「但馬空港キャンプ場」や「とゞ兵」の公式LINEを使って情報発信を行っています。
「豊岡にはinstagramをはじめとしたSNSなどの活用がうまくできていない事業者が多いのではないか」と感じている濱田さんは、公式LINEへの登録の仕方などを交えながら、参加者のアクションも加えたプレゼンをしていました。実際に体験することでSNSを身近に感じた方も多くいらっしゃるかもしれませんね。
最後は小川さん。出石で専業農家をしており、ご夫婦で「Veggie de +」という屋号で野菜の生産・販売をしていらっしゃいます。
小川さんは、企業とのコラボイベントの開催や収穫体験など様々な活動をしてきましたが、今後は「フードロス」にも取り組んでいきたいと話しました。キッチンカーを導入し、規格外野菜をキッチンカーで調理し提供することでフードロスの削減につなげることを目標にしています。「野菜をおいしく、たくさん食べてほしい」という思いが滲んだプレゼンでした。
プレゼンの後は交流タイム。プレゼンターと参加者が自由に交流ができます。この間に投票が行われ、kintoneによりリアルタイムで集計されます。
少し落ち着いたタイミングでプレゼンター5人にお話を伺いました。
トップバッターの岡本さん。
「もう少し色々伝えたかったですが、お話しできて本当によかったです!マッサージは施術時間中にお客様と会話をする時間がたくさんあるので、そうした時間を有効活用し、お客様や地域の方にとって役立つ時間にしたいなどいろんな思いがあります!少しずつ実現していきたいです」
と目を輝かせてお話しくださいました。
たくさんの方とお話し、交流していた加悦さん。
「皆さんが真剣に耳を傾けてくださって嬉しかった」と満足した表情で話してくださいました。
つづいて、コンさん。
「子どもたちもうれしく、地域にとっても良い影響がある、そういう学びのスペースを作りたい」と企画書を手に、熱い思いを語ってくださいました。
濱田さんは、「SNSはまだ身近なものではないのかな」と振り返りながら、「これから必要になってくる。大阪や東京に負けない情報発信ができれば」と落ち着いた口調で話してくださいました。
続いて小川さん、第6回の豊岡ちいクラでプレゼンターを務めた中村 貴大さん(写真右)とお話されていました。中村さんによると、小川さんの野菜はとても甘くて美味しく、提供すると「どこの野菜ですか?」と問い合わせを受けることも多いそう。キッチンカーの取り組みに共感する方も多く、たくさんの方から声をかけられていました。
交流タイムの後は、ちいクラを盛り上げてくださった「応援し隊」の皆さんのご紹介とPRタイム!
高校生がいたり、演劇でアピールする方がいたり。個性豊かな発表に、緊張の糸がほぐれたプレゼンターの皆さん、目を細めてご覧になっていました。
皆さんのおかげでちいクラが盛り上がりました。ありがとうございました!
🌱そして結果発表!
交流タイムが終わり、運命の結果発表!
優勝は……。
「Veggie de +」の小川 恭弘さん!おめでとうございます!!
さらに、ちいクラはイベントの最後にアンケートを行い、参加者からの満足度を数字にして発表します。満足度が80%を切ってしまうと次回の開催はできないという、厳しい基準があるのです。
オーガナイザーにとってはどきどきの瞬間。結果は…。96%!
今回初めてオーガナイザーを務めた城田さん、おめでとうございます!認定オーガナイザーとなり、社長室フェローの野水からも祝福。
前回達成し、認定オーガナイザーになったものの、認定書をお渡しできなかった第1回山陰海岸ジオパークちいクラのオーガナイザー・宮垣常務にも!
お二人とも、本当にお疲れ様でした!
プレゼンターの皆さんのみならず、参加者の皆さんが積極的に名刺交換をし、交流を築き、笑顔と応援で溢れた地域クラウド交流会。世代や性別にかかわらず、手を取り合って豊岡を元気にしていきたいー。そんな皆さんの姿勢がとても印象的でした。
ウィズコロナを見据え、地域経済を活発にしたいと行われた今回の地域クラウド交流会。オーガナイザーの城田さんがイベント中に何度もおっしゃっていた「起業家は地域の宝」という言葉が見事に体現された1日でした。
今回の地域クラウド交流会に関する情報は、第7回 豊岡 地域クラウド交流会のFacebookイベントページでもご確認いただけます。ぜひご覧ください!
🌎第7回 豊岡 地域クラウド交流会のイベントページはこちら!