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どこでもウイスキーが飲めるリュックを作った

谷です。どこでもウイスキーが飲めるリュックを作りました。ここでは作るに至った経緯と、組み立て、そして使ってみたところを紹介します。

もくじ
・なぜ作ろうと思ったか
・なにに価値を感じているのか
・作ってみる
・外で使ってみる

なぜ作ろうと思ったか

Mattōさんのmushishi-boxや尻Pさんのかはんちゃんを見て、漠然と「いいなあ」と思っていたのが背景にありました。四角四面の箱が背負われ、出先で展開される、装備と設備の境目にあるオブジェクトはなんとも魅力的です。

なにに価値を感じているのか

もともと、野外に椅子を持ち出してお酒を飲む、あるいは夜な夜な外に繰り出してコーヒーを飲むというアクティビティを友人と行っていました。

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こういった活動をしていて感じたのは、椅子を置くと意識が変わるということでした。ちょっとした広場や道端、橋の下というのは、ふだん素通りする通過点でしかありません。しかし、いざ椅子を置いてくつろぐと、そこに根を下ろす感覚が生まれます。

そうすると、道を歩く人や、流れる川がコンテンツとなって、ぼーっと見ているだけで心地よい気持ちになります。借景のようなものではないかと勝手に思っています。

今回の作品でも、箱を持ち出すことで、ストリートをちょっとした止まり木、エアポケットのようなものにできないか?とぼんやり考えていました。

作ってみる

📝設計
普段ウイスキーを飲むため、「外でウイスキーを飲む」という要件を念頭に置きました。また、単なるテーブルではなく、「お酒の設備」っぽい要素を取り入れたいと考えていました。

当時、居酒屋でワンショットディスペンサーを見たことをきっかけに、このディスペンサーを使うことに決めました。名称は聞きなれませんが、実物を見ればピンとくるのではないでしょうか。

合羽橋で買い求めていましたが、思ったより値段が高く、最終的にはamazonで出どころのよくわからない安価なものを買いました。

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最初にディスペンサーのサイズを測るところから設計を始めました。次に、巷にあるウイスキー瓶で、特に長いものの全長を調べたり、コップを置く幅などを検討し、具体的な寸法を決めます。

今回、「かっこよさ」や「うつくしさ」は度外視して、とにかく作ってみることを目標にしました。そのためデザインは味気ない箱になっています。

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🔨組み立て
寸法が決まったのち、東急ハンズで材料を購入、カットと下穴開けまで依頼しました。ここで対応してくださった前田さんというスタッフが素晴らしい方で、設計や材料について親身に相談にのってもらいました。

当初考えていた組み立て方法は、よほど道具が整っていないと難しいということで、東急ハンズで大幅に図面を修正しました。

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単なる箱なので、組み立てはかなり楽です。木工ではお馴染みのタイトボンドで貼り合わせたあと、乾く前に木ねじで固定し、箱をこしらえます。

また、木ねじには真鍮のマイナスねじを使用しました。ステンレスのプラスねじを使うと出てしまう素のDIY感を少しでも避けるためです。

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表面塗装は、耐水性のあるラッカーがよいと考えましたが、面倒だったため、レモンオイルを塗り込みました。

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背面のショルダーストラップは、オカダヤで購入した馬皮製のものを使用しています。本体とはボルトで固定しています。これはMattōさんのmushishi-boxを真似しました。

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外で使ってみる

定時後の空き時間で作っていたこと、生来のなまけぐせもあり、ただの箱を作るのに3週間ほどかかりました。完成後、せっかくなので友人を誘い、外で使ってみようということになりました。

ディスペンサーに、グレンフィデックと軟水をセッティングします。水はカティーサークの空き瓶を使いました。本体 + 720mlのガラス瓶×2となるので、そこそこの重量があります。

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ガラガラのバスを選んで移動します。あえて蓋をつけなかったのが功を奏して(?)、歩いていると道行く人の視線をかなり感じました。

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迷惑にならないよう、「少人数」「広がらず片隅で」「静かに」「威圧感を与えない」を旨に、ひっそりと試用を行いました(海外では法律で禁止されていることからも分かる通り、個人的には、野外でお酒を飲むのはかなり気を使う行為だと思っています)。
自分自身がスクールカーストの下にいたような人間ですので、静かにこっそり存在することは問題なく行うことができました。

近くを通り過ぎる人は、a.スルーする人/そもそも気づかない人、b.面白そうに笑いながら眺める人、c.何の機材か分からず不思議そうな顔をする人が6:3:1くらいの割合でした。

中には話しかけてくれる人もいます。真顔で「どこでもウイスキーが飲めるリュックです」と説明すると、アホらしさからか100%笑われます。

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最初は置いて使っていたのですが、身体に装着した方が使った方が絵力があることが分かり、後半は背負いっぱなしでした。特にリュックを前側に持ってくると異様さが増します。春の陽気も加わり、楽しい時間を過ごすことができました。

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参加者からは「無駄ではないが有益でもない道具」、「形容しがたい体験」「5歳若返った」というコメントをもらいました。

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また、意図していなかったことですが、液体が出る部分がちょうど下腹部周辺にあり、そこから出てきた琥珀色の液体を飲むということが何かを暗示するような形となってしまっていました。

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1日使っていると、オカダヤで買ったショルダーストラップの部分が切れてしまいました。自分で作ったストラップの付け根部分は壊れなかったので合格でしょうか。

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よかったこと

・外でウイスキーが飲める
・知らない人が気さくに話しかけてくれる

なにぶん飽き性で、なんでも一回やると飽きてしまうため、いまこいつは家の置物となっています。使いたい人がいればお貸しします。次は焼酎の水割りでもいいかもしれませんし、そもそもアルコールである必要もないので、なにかもっといい液体を入れて外に繰り出すのも乙だと思います。

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