Q. 副鼻腔炎が治らない

A. まずは乳製品を減らしましょう

「副鼻腔炎が治らないので、手術をすすめられています」
「昔から蓄膿があって、治りません」
「いつも鼻の調子が悪くて匂いがわかりません」
というお困りごとをよく聞きます。

とある患者さん(Bさん)とのバイオレゾナンス医学診療の一コマです。

患者「先生、鼻の調子がずっと良くないんですけど」

私「具体的にはどんな感じですか?」

患者「耳鼻科では慢性副鼻腔炎、蓄膿症っていわれました。」

私「そうですか~、乳製品は好きですか?」

患者「う~んそうですね~、チーズはけっこう食べてるかも」

私「じゃあ、チーズを控えてみましょうか?」

患者「チーズは体に悪いんですか?」

私「う~ん、厳密にはそういうわけではなくて、どんな牛乳を原料に使っているか、なんですけどね~」

患者「牛が食べてるエサとかが関係あるんですか?」

私「まあそういう説もありますし、牛乳たんぱくの30%を占めているベータカゼインっていうのが、腸に炎症を起こして、慢性病の元になるっていう説もあります」

患者「ふ~ん、外国の牛乳だったら大丈夫なんですか?」

私「そういうわけでもないんですけど、牛の種類が違うと、カゼインの種類も違うらしいんですね。腸に炎症を起こしやすいタイプのカゼインがいろんな病気の原因になるんじゃないかっていう研究結果もあります」

患者「ややこしいですね。まあチーズをやめたら副鼻腔炎が治るんだったら簡単ですね」

私「誰も治るとは言ってないですよ」

患者「えっ・・・」

私「あくまでも牛乳カゼインは副鼻腔炎の原因のひとつに過ぎないんです。他にもいくつかの原因が必ずありますので、それはおいおいやっていきましょう」

患者「せっかく来たんだから、ぜんぶ教えてくださいよ~」

私「ぜんぶ言ったら、たぶんパニックになりますよ」

患者「・・・そんなにあるんですか?」

私「副鼻腔炎になってから、どれくらい経ちますか?」

患者「う~ん、3年くらいですかね」

私「じゃあ完治するには最低でも1年はかかると思ってください」

患者「そんなにかかるんですか?」

私「まあそうですね~、いまのところ命に関わる病気ではないんですから、じっくりひとつずつやっていきましょう」

患者「お願いします」

私「実践するのはBさんですよ」

患者「がんばります」

私「は~い、じゃあお大事に~」

牛乳は体に良いのか悪いのか」という医学的に重要な問いに関してですが、私は「良い牛乳は良い、悪い牛乳は悪い」と考えます。

牛の種類、カゼインの種類、牛のエサ・飲み水、牛への投薬(抗生物質やホルモン剤など)などいろんな条件が絡み合うので、患者さんにとって良いか悪いかの判断をどうやってすれば良いのでしょうか?

私はゼロ・サーチを使って、波動的に推定しています。いまのところ、その方法でうまくいってますので。

下記論文は、勉強したい方への参考までに。

A1-およびA2β-カゼインの健康関連アウトカムへの影響:動物実験のスコープレビュー
Daniela Kuellenberg de Gaudryら
フライブルク大学医学部メディカルセンター-フライブルク大学エビデンス研究所
【要約】
目的: 食品由来の生理活性ペプチドは、重要な生理機能に影響を与える可能性がある。その重要な例として、ウシ乳のA1β-カゼイン由来のオピオイドペプチドであるβ-カソモルフィンがあり、ヒトの非感染性疾患のリスクファクターとなることが示唆されている。A1βカゼインとA2βカゼインは、生理活性ペプチド、特にBCM-7の放出に関して異なっています。しかし、ヒト試験から得られたエビデンスは限られており、動物試験から得られたエビデンスで補完することが可能である。我々は、A1ベータカゼインまたはBCM-7が、A2ベータカゼインまたはその他の介入と比較して、健康関連の結果に及ぼす影響を調査する動物実験を特定するために、スコープレビューを実施した。

方法: 2つの電子データベース(Medline、Embase、最終検索は2020年3月実施)で関連研究を系統的に検索した。2名の査読者が独立して、研究の選択と含まれる文献のデータ抽出を実施した。結果は、表形式および叙述的にまとめた。

結果: ラット、マウス、ウサギ、イヌなど様々な動物モデルを調査した42件の研究が含まれた。6つの研究は、A1牛乳とA2牛乳の健康関連の結果を調査し、ほとんどの研究(n = 36)は、オピオイドペプチドとしてのBCM-7の生理学的特性(例:鎮痛効果)について報告している。収録された研究は、研究対象者、介入の種類と用量、結果測定の種類において極めて異質であった。

結論: A1-とA2牛乳の効果を比較した研究はわずかであった。研究ギャップを知らせるために必要な情報を提供するためには、動物モデルでこの研究課題に取り組むさらなる研究が必要である。特に、A1-とA2ミルクに関する議論のように、エビデンスが不確かなままである場合、将来の研究の結果は、最終的にヒトに関する研究を補完することができる。

Eur J Nutr.2022 Feb;61(1):1-21.

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