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明日は明日の風が吹く

これは吾輩がハイスクールストューデントであった頃の話ナリ!

そのハイスクールには、どの学校にも一人くらいはいる名物男性体育教師がおりましてですね、齢40代半ばくらいでしょうか。白髪交じりで石原裕次郎みたいな髪型で、身長は160くらい。若干のこぶとり体型、まあ典型的オジサン体型と言ってもいいでしょう。いつも白いテニスウェアを着ておりまして、身体がピチピチなんですわ。

そしてなぜかマッカーサーのようなやたらと目立つサングラスをかけておりましてですね、たまに山里亮太のようなメガネになるんですが、その愛すべき体型、愛すべき風貌から、生徒の間でニックネームがつけられておりました。ここで書いてしまうと吾輩の身バレが起きてしまうので、「サブ」とでもしましょうか。サブ。

さて、そのサブ。今時の言葉で言うとハラスメント教師で、理不尽系体育教師のイメージ通り、まあ怒鳴る、怒鳴る、怒鳴る。とにかく怒鳴る。体罰の話は吾輩は聞いたことないですが、怒鳴る。説教で1時間とかは普通ですよ。吾輩、こう見えても体育会だったので体育教官室によく行っていたのですが、いつでも怒鳴り声ですよ。しかもめっちゃ結構声が高いんですよ。耳に響くんですよ。

体育祭が終わってから、運動部の部長が集まって運営の反省会をするのですが、その管轄もサブ。15時くらいに部長会が始まり、終わったのは19時前。吾輩たち上級生の一部は何かあったときのため、後輩を先に帰らせて待機しております。「終わらねえなあ」「終わらねえなあ」「何そんな話すことあるんだ」…そして日が暮れ、すっかりあたりは真っ暗闇に。待機場所は我が部活の顧問がいる数学の教官室。特に何事もなかったのですが、部長は大変ダナと思ったのであります。

もちろん吾輩たちがミスをしたり、常識礼儀に欠けている行動を取ったから怒鳴られることがほとんどでありますが、何もそこまで言わなくてもという感じで、やはり理不尽さは感じるわけです。体育会の人間はある程度サブ慣れをしていますが、一般ストューデントたちは怯えまくるわけですよ。そりゃそうだ。普通に生活していてあんなに怒鳴られることねえもん。

ただ、吾輩はあることに気付いてから、サブをそんなに憎めなくなってしまったのです。可愛いんです、サブ。とっても可愛い。その事実を体育の時間が終わった後に更衣室で友人から教えてもらった時は「ああ、なるほど。それは可愛いね」と思いました。そして実際にサブが激怒しているときにまじまじと見てみると「オオッ」と思い、何事も許せるようになりました。

その事実がこちら。

怒っているときのサブの乳首は、勃っている。

白いテニスウェアに浮き出る乳首。オオッ、今日も元気そうだね! と思うわけであります。これは吾輩がハイスクール時代にラーンしたライフハックの一つだったと思います。応用編としては、頭頂部がハゲたおっさんがなんか言ってきたら「ハゲを周囲からいじられてるんだろうな。ストレス溜まってるよね」と心の中で思う、口が臭いおっさんがなんか言ってきたら「何か消化器系の病気かな。どうかご自愛ください」と心の中で思う。そんな感じです。

「アッ、あの激怒している人、乳首勃ってる!」
これで世界が平和になる。笑いもこらえられなくなる。

ちなみにタイトルの「明日は明日の風が吹く」は、球技大会の前日準備かなんかのときに、翌日になってみないと判断がつかないことが発生したときにサブが発した言葉で、マーガレット・ミッチェルの『風と共に去りぬ』からの引用であります。この言葉は結構好きでありまして、その時になってみないと分からんことを考えるよりは今日できる準備をしっかりするという意味でよく使います。サブがあのときに使っていなければ、吾輩は使っておりませんでしょう。

もちろん、そのときのサブの乳首は勃っておりました。めでたし、めでたし。

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