谷間

都内在住の品行方正な労働者。好きな本は『旧約聖書』。

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マガジン

  • 荒唐無稽の森

最近の記事

あ、これはやばい。と思った現在進行形のこと。

あー、これはやばい、と思った。ちょっとまずい。まずいぞ。 5月11日、在宅勤務をしていたお昼過ぎ、以前からずっとおかしくなっていた自分の思考が、少しずつ行ってはいけない方向に動いていることに気付いた。外では絶対にそんなこと言わないが、家では「死にたい」が口癖になっていた。誰も聴く人がいないから。一人でいれば、何を言ってもいい。死にたい。首を吊ろう。在宅勤務になってからしばらくすると、そういう独り言が多くなった。その時点では、まだ自分が自分のやばさを感じてはいなかった。いや、

    • 今日も誰かが誰かを「無能だ」と罵る世界に生きている

      「あいつは無能」「使えない」「役に立たない」といった言葉がこの社会に充満している。 それらの言葉は全ての人間たちに向けられていて、政治家、デモに参加する人たち、組織内の全ての成員、家族、とある店舗のスタッフと客、道行く人、ホームレス、テレビの向こうの芸能人、あるいはプロスポーツ選手、時にはアマチュアであっても、そして動物であっても、そして顔を知らぬインターネットの向こう側にいる人間たち、そして機械やAIであっても、あまねくすべての「物」は、知っている知らない関係なく誰かに無

      • 空海

        食うかい?

        • ゴキブリを追いかけて~台北、春。

          肌に湿気がまとわりついてくるような、雨上がりの蒸し暑い夜である。 巨大な駅舎のすぐ脇にある、蒸気機関車がランドマークの小さな広場には、カラフルなシャツを着た地元の若者たちグループ数組に、Yシャツを着たサラリーマン風の男性、バスや電車を待っているであろう旅行者や一般市民、愛をささやき合うカップル数組、ビニルシートを布団代わりにするホームレスたち。そして、缶ビールを片手にぼんやりと宙を眺める私がいる。 2019年、春、午後11時過ぎ、台北車站駅。薄暗いライトに照らされるベンチ

        あ、これはやばい。と思った現在進行形のこと。

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        • 荒唐無稽の森
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        記事

          明日は明日の風が吹く

          これは吾輩がハイスクールストューデントであった頃の話ナリ! そのハイスクールには、どの学校にも一人くらいはいる名物男性体育教師がおりましてですね、齢40代半ばくらいでしょうか。白髪交じりで石原裕次郎みたいな髪型で、身長は160くらい。若干のこぶとり体型、まあ典型的オジサン体型と言ってもいいでしょう。いつも白いテニスウェアを着ておりまして、身体がピチピチなんですわ。 そしてなぜかマッカーサーのようなやたらと目立つサングラスをかけておりましてですね、たまに山里亮太のようなメガ

          明日は明日の風が吹く

          「KID A」を攻略するまで

          Radioheadの「KID A」というアルバムをちゃんと聴けるようになったのは、そのアルバムを初めて聴いてから4、5年経ったあとのことだったと思う。それまでは複雑に組み込まれた電子音とナンセンスともいえるヴォーカルに戸惑うばかりで、大好きな「Everything In Its Right Place」ですら途中で止めてしまうほどだった。 「KID A」というアルバムを初めて聴いたのは高校生のときだった。Plastic Treeというバンドの影響だ。彼らに近似した音楽として

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          「KID A」を攻略するまで

          自己愛にまみれた男たちを糾弾する

          たまに猫が睨んできますナ。あれは一体どういう心理で吾輩を睨みつけてくるのでしょうか。「コノヤロー喧嘩するかオラ」なのか、「メヂカラ(目からビーム)」なのか、「私、あなたが好き…」なのか。何はともあれ、フリーズしたが如く、ゴミを捨てに来た吾輩をジロジロと見ている。吾輩も負けじとジロジロと見つめる。そのまま数十秒、お互い動かず。「だるまさんがころんだ」ではあるまい。そのうちに吾輩は目をそらす。猫も目をそらす。すぐさま猫を見る。そうすると猫もこちらを見る。動いたら負け。吾輩の負けだ

          自己愛にまみれた男たちを糾弾する

          鼻息はエロい

          あなたの鼻息は大きいですか? それとも小さいですか? 普段から鼻が詰まっている人は鼻息が大きくなる傾向にあるようです。職場で仕事をしていると、近くの席からやたらと荒い鼻息が聞こえてくることがありますが、それはキーボードの打つ音よりも大きく聞こえ、そして鼓膜に突き刺さるような鋭さを持っています。鼻息が荒い動物には近寄りたくない、それが人間の性でございます。仕方がないのでございます。鼻息といえば威嚇の合図です。鼻息を荒立てたイノシシの絵を見たことがあるでしょう。人間も興奮し、騒ぎ

          鼻息はエロい

          すべての問題は「偉そう」という振る舞いにある

          人に「こうすべきなのに何でやらないの?」と詰めてくる方がいらっしゃいます。たいていの場合は上司という存在ですが、たまに経営者であったり、同僚であったりします。 ところがその人をじっくり観察してみると、その人もすべき行動をまったく出来ていないということ、よくありませんか? ありますよね? コリャア、納得がいかない。君は自分を棚に上げてよくそんなことが言えるねえと、顔を真っ赤にして激怒をするわけだ。これは大いに不毛な議論を呼ぶ。目的の達成を忘れ、「やらない」「できない」の水の

          すべての問題は「偉そう」という振る舞いにある

          言葉の強さ、言葉の不便さ

          「サザエさん」に登場する波野イクラという幼児は「チャーン」「ハーイ」「バブー」という3つの言葉ですべての感情を表現する。その感情の強弱は何度その言葉を連呼するかによって表すことが可能だ。 笑顔で「ハーイ!ハーイ!」と言えば、喜びの強度が強い状態を示せる。 怒り顔で強めに「バブー!」と言えば、怒りの感情を伝えることができる。 我々人類は、イクラから学ばなければいけないのではないか。 この究極的にミニマムなコミュニケーションコストは無形世界遺産、いや、宇宙の歴史に刻まれる

          言葉の強さ、言葉の不便さ

          時間は夢を見ることさえ阻んでしまうのだ

          牛丼屋といえば、カネを持っていない青年たちに栄養を提供する場であり、営業先を飛び回るサラリーマンたちの憩いの地であった。 そして、この日本国に数多ある牛丼屋チェーンをすべて回りし者は、「牛丼王」という最高の名誉を与えられることから、「牛丼王に、俺はなるっ!」と叫んで会社を飛び出し、そのまま行方不明になったサラリーマンたちもいるとか、いないとか。 かつて見失った夢を取り戻すことに年齢は関係ない。しょぼくれた私も、牛丼王レースへの参加権を行使できるはずだ。そう思った翌日、牛丼

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          時間は夢を見ることさえ阻んでしまうのだ

          カラオケで分かる貴殿の等身大の姿

          福岡ソフトバンクホークスに在籍していた吉本祥二投手、阪神タイガースに在籍している藤浪晋太郎投手、メジャーリーグはロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムに移籍した大谷翔平投手。これらの野球選手に共通するものはなんでしょうか。 チクタクチクタクチクタク、ピンポーン。 お分かりになられただろうか。答えは「ダルビッシュ」である。かつて吉本は「下町のダルビッシュ」と呼ばれ、藤波は「浪速のダルビッシュ」と呼ばれ、大谷は「みちのくのダルビッシュ」と呼ばれた。 他にもダルビッシュの

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          クチュクチュ、、、あっ、、、(寄生虫とテクノロジー)

          週刊少年ジャンプで「ハンター×ハンター」の連載が再開しましたね。皆さんはもうお読みになられたでしょうか。もともと読んでいないという人も多いかもしれない。だってここは格式高い「note」ですから。「まんが」を「ま〇こ」と間違えてしまう人もいるかもしれない。いないか。 私の個人的統計に基づくと意識の高い人は週刊少年ジャンプを読む傾向にあります。なぜなら、ジャンプはスクールカーストヒエラルキーの最上位に位置する少年漫画週刊誌である。ジャンプを読んでいればモテモテなのは間違いなし。

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          君のパンストを吸いたい(温もりを求めて)

          多くの人で賑わう大部屋の脇の方で、パンティストッキングを履いた下着姿のスタイルの良い女性が、丸めた布団のようなものを踏んでいる。なんだらうと近づいて見てみると、その布団のようなものが大の男の丸まった姿であることがわかる。女性は、つま先、カカト、土踏まずなど、足の裏のあらゆる部分を使ってフミフミとする。 すると、丸まっていた男が顔を上げ、こんどは仰向けの状態になり、足を抱え込んで再び丸まる。ダンゴムシのようである。女性、今度は男のむき出しになった顔の部分を足で踏みつける。つま

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          君のパンストを吸いたい(温もりを求めて)

          世の中、金とエロだよな、不倫もな。

          世の中、金とエロなんである。きれいごとを言ってはならない。金とエロ、エロと金、それなんです。 例えばですよ、道端にいる占い師が「これこれそこの道行く人。あなたの1年後のパンツの色を占ってあげましょうぞ」と聞く。そんなの、知りたくないじゃないですか。百歩譲ってパンツの色をその占い師に聞いたとして、「1年後は主にイエローのパンツを履いていますな。3000円になります」と言われても、お金を払いたくないじゃないですか。 でも、道端にいる占い師が「これこれそこの道行く人。あなたの1

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          個室ビデオ、VR、ホロフォニクス

          暗号通貨「XEM」の不正流出が起きた翌日の深夜、コインチェック社が約26万人に対して約460億円の補償を自己資金で行うということを発表しましたが、その賑わいがツイッターを包みだした頃、私は初めて個室ビデオ屋に入店をしまして、1時間たっぷりとVRのアダルトビデオを楽しんで参りました次第でございます。 イマドキ、アダルトビデオをVRで観ていないなんて化石以下の存在だということを言われたことはまったくございませんが、とはいえ、男としてはやはり負い目に感じるものがありまして、あらゆ

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