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魅力的な授業をつくりたい

谷本英彰と申します。

普段は大学の先生をしていて、先週から2021年度 前期の授業がスタートしました。対面式+オンラインでの授業が少しずつ一般化しつつあり、”どうやったら対面式で受講する学生にとっても、オンラインで受講する学生にとっても魅力のある授業になるか?”を日々模索しています。

今年度で教員生活11年目なのですが、なかなか ”よしっ!これはハマった!!” と感じる授業をできた経験がありません。

ただ、過去に一度だけ ”やった!!ハマった!!!” と感じることができた授業があります。

それは、小学校教員時代に2年生の担任をしていた時で、”かさ(ℓ:リットル など)” の授業をした時です。

リットル(ℓ)、デシリットル(㎗)、ミリリットル(㎖)の計算をする授業なんですが、長さ(m:メートルなど)よりも日常生活で触れる機会が少ないんですよね。特にデシリットル(㎗)って本当に触れる機会が少ない!(500㎖のペットボトルは目にするけど、5㎗って表記したのを見たことがない)

なので、これらの単位を変換しながら計算するのが、とても難しそうで、子ども達の頭の中は ”?”マークだらけ、説明しても しかめっ面が消えず…

どうしよう……???

悩みながら、あれこれ模索しているうちに、ふと思いつきました!

実験をしよう!!

そして、理科室に行ってビーカーをかき集め、それを自身の教室へ持っていき、教科書に載っている計算式に合わせて、ビーカーから水を出したり入れたりしてみました。

デシリットル(㎗)のビーカーだと溢れちゃうから、リットル(ℓ)に移し替えて…………おぉ!これで単位の変換はできそうだなっ!

翌日の授業で、さっそく実践!

本当は、大量のビーカーを準備して、班に分かれて実験できればよかったんですが、そこまでの数は揃えられなかったので、私が代表して実験することにしました。

その時に、普段の ”谷本先生” とは別の ”実験大好き!英彰博士” というキャラクターをつくって、1人2役を演じつつ、"英彰博士" をに実験をしてもらう形にしました。しかも、”英彰博士” を呼ぶときは、ヒーローショーでヒーローを呼び込む時みたいな感じにしました。

そんな感じで45分間、授業を進めていたら、子ども達からこんな言葉が出てきました。

先生!これ、遊びじゃないですかー!笑笑

この言葉を聞いたとき "よしっ!やったー!!!" と心の中で叫びながら、ニヤニヤが止まらなかったのを今でも覚えています。

私達大人にとっても同様だとは思うんですけど、特に子どもは ”遊びの中から学ぶ” ということがすごく多いし、遊びから学ぶことは楽しかったり、嬉しかったり…とにかく苦痛を感じないと思うんです。

実際に、小学校のカリキュラムを見てみると1年生~2年生が学ぶ内容の名称のほとんどが ”○○遊び” になっています。

我慢も勉強のうち! 理不尽なことも世の中にあるから、それも勉強!

それが間違ってるとは思いませんが、子ども達の ”やってみたい!” という好奇心を押し殺させて、自分の都合のいいようにコントロールしながら授業をしていくのは、私はやりたくないなぁ…と思っていたりします。

どうやったら好奇心が湧いてくるか?

どうやったら、その好奇心を目の前の課題に向けられるか?

その手掛かりが ”遊びの要素” みたいなものなのかな…?って思っています。

”実験大好き!英彰先生” 方式 みたいな楽しくて魅力的な授業を、また生み出せたら幸せです。

大産大卒業0319-27


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