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『ゴースト・ドッグ』観た人

いつもなら太陽に向いた窓からの熱で14時か15時までには部屋が完全に蒸され、汗ばんでくる。それを合図に身支度をして大学へ行く。ところが今日はそこまででもなく、気づいたら涼しいまま夕方になってしまっていたので家で作業をしていた。

しばらく使っていなかったadobeを解約しようと手続きを進めていたら、解約まであと一歩というところで60日間の無料期間チャンスが贈呈された。年間契約の民を引き留めるためならばとあの手この手を使ってくる感じ、嫌いじゃない。実際私はそれにまんまと乗せられ、いそいそと引き返してきてしまったわけである。

わずかにあった解約の懸念もあと2ヶ月無料で使えるのであればオールクリア、かつ8月中にきちんと解約すれば、少なくとも6000円強は浮く。悪い話ではない。8月中にきちんと解約できればの話だが。

さて、善は急げだ。そのまま勢いづいてU-NEXTを申し込んだ。サブスク整理で浮いたお金を使うつもりで登録したものの、はじめの31日間は無料で楽しめるらしい。

ラインナップを見て驚いた。ミニシアター上映の映画の充実度がものすごいし、ゴダールもジャームッシュも観られるし、果てにはなぜか雑誌まで読める。軽くチェックした限りでは、特撮もある程度揃っていそうな印象を受けた。ツブイマとTTFCに入っただけでは当然見られなかった東宝特撮やガメラ、ギララなども見放題対象のようでハッピーだ。

そうしてぽちぽちとU-NEXTのマイリスト作りに勤しみつつ、Prime Videoで何度目かの『ゴースト・ドッグ』を観た。

日本語で「すべて熟知」と書かれた謎T。
屋上のインディアン。
恰幅の良いおじいちゃんマフィアたち。
大人が真顔で観るカートゥーン。

どの画も最高にイカしてる。
銃を日本刀のように扱う所作なんかはこれを「厨二」という言葉で片付けてしまうにはあまりにももったいないほどスマートでスタイリッシュ。

だけど一番を挙げるなら、主人公とアイスクリーム屋のつかの間の交流の場面だろうか。英語しか話せない主人公とフランス語しか話せないアイスクリーム屋のレイモンは、言葉こそ通じないがお互いをお互いが「ベストフレンド」と認め合う仲にある。通じないからと言って何とか伝えようという気も特段感じられない。いつもそれぞれの言語で好きに喋っているだけなのだ。会話は成立していなくとも、「ベストフレンド」は揺るがないのが嬉しい。

誰かが 「In the woods」は『藪の中』の英題だよと教えてくれたけど(昨日のnote参照)、劇中で主人公はこれを「Yabu no naka」と日本語で言った。芥川の短編集を貸していた少女と感想を言い合うシーン。二人とも『藪の中』が一番好きらしい。いいね。



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