作品紹介②小説「つきのなみ」

「つきのなみ」は満月の夜に月光が屋根瓦に映って、それがまるでつきのなみのようだと主人公・紫乃が思ったことから付けました。
主人公・紫乃と公認会計士野村、そして紫乃の夫・直樹、3人の物語です。
同じ税理士法人で働く野村のことを、紫乃は「同じ心の痛みを抱えている人だ」と彼に興味を抱きます。
紫乃は、少年だったころの野村に向けて手を伸ばします。
自分がほしかった暖かな手のぬくもりを彼に差し出すことで、自分も救われるのだと信じて。
2021年1月8日刊行

「つきのなみ」を刊行した2021年1月はまだコロナ禍で、頼りの綱であった友達と直接会うことが難しく、200冊刷って、ほとんどが誰の手にも渡らず家に残ったままでした。
3冊目を書いている途中の2023年1月でもまだ半分の100冊が残っていました。
大阪・谷四のRETTE
表紙デザインもしてくれた岡田さんが経営しているひつじ茶房
に15~20冊置いてもらっても80冊は在庫があり、その様を部屋で見ていると心が苦しくなりました。
これからも書いて刷って、書いて刷ってを繰り返したら在庫がどんどん膨らむのか…。
読んでほしくて、文庫本の形にし、表紙も岡田さんの素敵なデザインのものにしているというのに誰の手にも渡らない。でも、恥ずかしくて自分からどこかへ売り込むことができない。そもそもどこへ売り込んだらいいのか分からない。勢いカモーーーン!と思っていたら、夫の転勤で引っ越しすることになりました。
引っ越し作業のときに、「これを荷造したくない!」という思いから勢いがつきまして、ネット検索をして、文学スナックや読書カフェと付くところをリスト化し、そこへ送ってみることにしました。
そして、引っ越すときには在庫は0になりました。

見ず知らずの不躾な送り付け作戦にも関わらず、「つきのなみ」を快く引き受けてくださったお店の方々を書いてみます。
東京神保町・眞踏珈琲店さん
京都祇園・文学スナック懶惰さん
岡山市・cafe moyauさん
一宮市・nos vemosさん(スペイン料理屋さん)

あと、2日前に店舗に置いてくださることになった
倉敷市・蟲文庫さん
10月にブックテラスというイベントに出店させてくださった451booksさん。

見ず知らずのわたしの本をSNSで紹介してくださったり、店舗に置いてくださったり、イベントに誘ってくださったり手を差し伸べてくださった方々のおかげで、なんだかとても前向きでいられます。手を差し伸べてもらえるありがたさを心底・骨の髄まで、五臓六腑染み渡る勢いで感じています。この感謝の気持ちを忘れないためにも、一つひとつの出会いをnoteに綴っていきたいと思います。

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