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フグタ社長業務日誌『脳死状態』

このシリーズは2007年9月~2008年9月まで1年にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。※巻6は自2008年3月1日~至3月31日。

フグタ社長業務日誌(巻6-2):3月19日(水)

 今日発売の週刊誌BとSが、同時に私のことを「脳死状態」と報じている。
 とんでもない誤報である(と信じたい)。グループ会社の大阪支社長のハシシタ君に頼んで、名誉棄損で訴えてやろうかとも思うが、虚偽でない場合勝ち目はないとも言われそうで、悩む。

 と、それはさておき。なんだかんだややこしいことが続くので、気分転換に日曜日、女房とオペラを見てきた。新国立劇場で「アイーダ」である。ネタバレと言われるかもしれないが少しあらすじを紹介しよう。

 ~~オペラの舞台は古代エジプト。若き将軍フグタは、ニチギン国の王女ムトーと愛し合っている。しかし、フグタの仇敵オジャマ女王も、密かにフグタを愛していた。
 ムトーは、ニチギン国の金庫番である父フクイ王の密命によってフグタからイージス艦に関する軍事機密を聞き出す。フグタは謀反人として捕らえられ、ギョーザ城に軟禁される。
 王女オジャマは自分を愛せば命を救おうとフグタに迫るが、彼は決然として応じない。永田町で独り死を待つフグタの前に、イージス艦に忍びこんでいたムトーが現われ、二人は永遠の愛を誓いながら死を待つ・・。~~

 多分こんな感じだったと思うが、どうも2幕目の途中から記憶がとぎれている。やはり「脳死状態」かも知れぬ。(一応医者に行ったらどうかとはすすめてみました・秘書注)

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注:
日銀総裁人事のごたごたを巡ってマスコミは福田首相を袋叩きにした。
週刊誌2誌(文春と新潮)は、偶然にも「脳死状態」という見出しが並んだ。週刊文春は、「福田政権『脳死状態』で ニッポンは全身マヒ」。週刊新潮は、「もはや『脳死状態』という福田内閣 『総辞職』のタイミング」の見出しで、政局が緊迫しているのにもかわらず、のんびりオペラ鑑賞とは首相の見識が問われるのではないか」とまで批判した(そこまで言うか?)。その後、夕刊フジは「福田内閣 危篤状態」と書いた。
さて「アイーダ」は100年以上前、エジプトのオペラ劇場完成時につくられた歌劇。そこで日本初のオペラ劇場として新国立劇場がオープンしたときに、ゼッフィレッリに演出など一切を任せ、めちゃめちゃ気合を入れた舞台として公演された。
ちなみにゼッフィレッリは、映画「ロミオとジュリエット」(1968)の監督として有名。さらにちなみにジュリエット役はオリヴィア・ハッセーで、某化粧品のCMに出演し、そのCM曲「君は薔薇より美しい」を歌っていた布施明と結婚した。
※『フグタ社長業務日誌:脳死状態』は、ブログ『tanpopost』に2008年3月19日 付けで掲載したものです。

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