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うつと付き合う日記99日目 「正しさ」が自分を殺す

 自分の調子がでない時ほど、人は「正しさ」で行動しようとする。ここでいう「正しさ」は現実とか、仕事とか、理屈とか、効率とかが当てはまる。忙しいという言葉が、心を亡くすと書くのは有名だがそれがどんな影響を与えるのかを考えることは少ない。というより考えられないぐらい忙しい。

 多くの場合それで問題なく、むしろ作業が高効率で進むこともありこういう状況を好む人もいる。しかし、そういった状態は疲労や苦痛を必要以上に無視することになり、結果大病になったり精神的にまいったりする。

 では、「正しさ」で行動する状況がどのように維持されていくのかを考えてみたい。これは情報量のバランスの崩れによって起きていると考えている。その情報の一つは自分の欲求に関する情報、もう一つは理屈や論理に基づいた情報だ。

 多くの場面で自分の感情が邪魔だと思う人が多いのではないだろうか。ダイエットしようとしているのに甘いものが食べたい。仕事をした方がいいのに横になりたい。自分が「正しい」行動をしようとしているのに感情が邪魔をする。

 実際そういった感情をねじ伏せてどうにか日常を過ごしている人がほとんどだろう。そのうち、感情を無視することが普通になってしまうこともある。感情からくる情報を意図的にシャットダウンすることで、自分を思った通り(「正しさ」に基づいて)動かすことになる。

 感情由来の欲求の情報を意図的にカットし、ひたすら「正しい」情報を増やすことで効率的に行動し続ける。そうすると、自分をコントロールできている感覚が強まり一種の快感が生まれる。その一種の快感や周りからの評価が、その「正しさ」で行動する状況を強化していく。結果、本来心身を守るためのストッパーである情報もブロックされて自分自身も壊してしまうのではないだろうか。

 最近マインドフルネスといったものが求められるようになったのも、多くの人が「正しさ」で行動していくうちに感情的な情報を意図的・無意識にシャットダウンしてしまった結果それを受け取ることが苦手になったからではないのかと考えている。「正しさ」は人を進化させるが、感情もまた自分を守っていることを心に止めておきたい。

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