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祖母と日記

 祖母が旅立ち、清水にある"おばあちゃん家"に里帰り(住んでたわけじゃないけどあえてそう言う)をした。

 祖母との思い出を振り返るだけでなく、多くの人と会い、祖母を偲び、思うこと感じることが多かった数日。エッセイとして残しておきたい事柄がたくさんあるような気もするけど、情報過多ぎみでもう少し熟成してから、ぼちぼち書けたらいいなと思っている。

 でも、今日はひとつ、祖母の習慣で「これはいい!」と真似をしようと思ったことを書きたい。

 祖母は、人と会うのが好きな人だった。昔は夫や兄妹たち、友人たちなどとの旅行は定期的にしていた。料理で私たち孫を含む家族をもてなすのも好きで、祖母の家にいって外食したことはほとんどない。それから外に出て友達と交流することも好きで、比較的最近まで、近所の人とクロッケをしたり、ビールを飲みつつご飯を食べたり、おしゃべりに花を咲かせたりしていた模様。

 だから、一人で楽しむ趣味はあまりもっていない人であった。そんな祖母が続けていたのが、日記や雑記帳をつけること。これは祖母の母(私の曾祖母)が習慣にしていたので、それを自然と真似ていたのかもしれない。

 小さな手帳に日記をつけていたほかに、卓上のカレンダーに備忘録を記してあるのも見つけた。

 「今日もね 暑いよ。どうしようもないから家に一日中いたよね」とか「茂子さんが来てオクラをもっていった」(庭になったものだろう)とか、とてもささいで何気ないことが、ほとんど一日も欠かさずに記されている。余白に特別なことが書かれていることもあって、私が結婚した2年前の8月のカレンダーの余白には「まみちゃん7月28日(大安)結婚届7月に提出したと」というピンク色の蛍光ペンで囲いをしたメモ書きがあった。
 それを見て、思わずじーんと来てしまったのは言うまでもない。

 で、これはいい! と思ったのである。私は日記や備忘録をやろうとやろうと思いつつ、続いたためしがなかった。でも、今、私のパソコンの横には卓上カレンダーがある。これにちょろっとメモするくらいなら続くのではないか。残しておくにしても一ヶ月分が一枚に収まっているので手帳や日記帳のようにかさばらないし、これはぜひ取り入れたいと思う。

 さっそく、今週の月曜の分から書いてみた。

15日 おばあちゃん着物着て棺に入る。(叔母)ちゃん、母、(いとこ)ちゃん、(夫)くん

16日 おばあちゃん火葬 帰り(夫)くんと熱海でごはん

17日休み 大家さんに集金(町内会費) 庭の花、紫蘭だったと教えてもらう

 という具合だ。3行くらいしか書けないけど、ちょうどいい。これくらいのほうが続くと思う、というか、これぐらいでしか続かないかも。

 エッセイのネタのヒントにもなりそうだし、ぜひ楽しんでやりたい。

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