たぬ子

エッセイを書いています|ライター・web編集やってます|日本文化|古民家住まい|食|旅

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マガジン

  • 人生のあれこれ

    生きていて感じるあれこれ。

  • 暮らし・古民家

    暮らしのことや古民家に住んで思ったこと。

  • 雑記・日記

    雑記や日記。読んだ本の感想など。

  • 料理のメモ

    料理のメモ。

  • みなさんのエッセイ

    クリエイターさんのおもしろい、ステキ、と思ったエッセイをまとめています。

最近の記事

エッセイを書き続けた結果

 3月と4月でnoteに投稿した記事の数、22本。思ったよりも少ないけど、よくやった。本当は週に5本投稿することを目標としているのだけど、それには及ばず。だが、以前と比べものにならないくらいの頻度で投稿している。  きっかけは一冊の本。  この本を読んでやっぱり「私はエッセイが書きたい」と改めて思って、書くと決めた。  それまでもnoteはやっていたけど、文章を書いていてどうも媚びや下心のようなものがあった。だから心が動かないのに書いていることも少なくなかったし、内面に

    • 日本家屋といえば「引き戸」

       伝統的な日本家屋である我が家には扉式のドアがほほぼない。あるのは「引き戸」である。近年バリアフリーなどを意識した家では引き戸が活用され、その便利さは改めて認められているようだけど、新しくというかちょっと前に建てられた家でも玄関を含めそのほとんどが引き戸という家は、珍しいのではと思う。  以前に住んでいたマンションも実家もドアのみ(どちらも押し入れがあったので押し入れ以外)、子供の頃に住んでいた家は引き戸があったが、トイレや風呂場、玄関はドア。唯一、おばあちゃんの家がすべて

      • 祖父母の故郷での話②

         前回こんな記事を書いたが、あれから半年以上が経過してしまった。  ずいぶんと間が空いてしまったがとりあえず、祖父の3回忌の続きを記しておきたい。  祖父母の故郷である山形県南陽市にて、無事に法要を終え、長男Kおじさん(正確には私にとっては大叔父)が駄々をこねてすったもんだした後、祖母の兄弟姉妹とその配偶者含め7名、私と私の母と叔母、総勢10名で、合宿所のような宿に一泊する(人数が人数なのでここしか空いていなかったらしい。ちなみに前日、私以外の何人かで温泉付きの宿にすでに

        • スパイシーメンマを作る

           花椒の香りがふわりと漂い、深く息を吸った。いい香り。やっぱりこれだわ。鍋から筍をひとかけら、さえばしでつまみ、口へ運ぶ。まだ物足りない味……。塩と醤油を足して、軽く煮て、もうひとかけら、試してみる。「うん、これでよし」。  我が家の隣には御年90歳のおばあちゃん大家さんが住んでいる。地主さんなので近くでちょっとした作物が育っている?育てている?ようで、過去に2回ほど筍をもらった。採ったばかりの皮付きのものを結構な量、もらったので、下ごしらえだけで大仕事だった。でもやはり採

        エッセイを書き続けた結果

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        • 人生のあれこれ
          3本
        • 暮らし・古民家
          14本
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          25本
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          5本
        • みなさんのエッセイ
          5本
        • 蕎麦とかお酒とか
          3本

        記事

          祖母と日記

           祖母が旅立ち、清水にある"おばあちゃん家"に里帰り(住んでたわけじゃないけどあえてそう言う)をした。  祖母との思い出を振り返るだけでなく、多くの人と会い、祖母を偲び、思うこと感じることが多かった数日。エッセイとして残しておきたい事柄がたくさんあるような気もするけど、情報過多ぎみでもう少し熟成してから、ぼちぼち書けたらいいなと思っている。  でも、今日はひとつ、祖母の習慣で「これはいい!」と真似をしようと思ったことを書きたい。  祖母は、人と会うのが好きな人だった。昔

          祖母と日記

          スマホと財布を紛失した話

           月曜の朝、財布とスマホがないことに気がついた。とはいっても「どうせどっかから出てくるんでしょ〜今まで何度か焦ったわりには絶対出てきたもんね〜」なんて思いながら、探していた。が、この日は、どれだけ探しても見つからなかった。  日曜は夕方から飲んでいた。たまたま入った店が結構美味しくて、今思い返してみればちょっと飲み過ぎたかもしれない。  やらかした! 久々にやらかした! というかスマホ(もしくはケータイ)と財布をダブルで無くすのは初体験!! しかも翌日の朝まで気が付かなか

          スマホと財布を紛失した話

          独身時代の思い出の1ページ

           「もつしげ」で日暮れ前から友人と飲んだことがあった。「もつしげ」とは、神奈川・東京界隈にあるチェーンのモツ焼き居酒屋だ。  友人は吉野町に住んでいて、友人宅から徒歩1分くらいの場所に「もつしげ」があったのだった。  その頃私は仕事を辞めて無職。仕事のストレスから解放され、時間はたっぷりあるし、明るいうちから女友達と飲めることがうれしくて、はりきって吉野町の「もつしげ」へと向かった。  まずはビール派なのだけど、もつしげにはハッピーアワーがあり、18時前まではハイボールが

          独身時代の思い出の1ページ

          「丁寧な暮らし」は何のためにする?

          「丁寧な暮らし」や「スローライフ」の真髄は「今この瞬間幸せを感じられること」だ、と最近思う。    人間、今この瞬間に、幸せを感じられれば即幸せになれる。  「何を当たり前のことを言ってるんだ」と思うかもしれない。  でも、よく考えてほしい。「あの会社に入れば幸せになれる」「あの仕事につければ幸せになれる」「今よりカワイくなれば幸せになれる」「結婚できれば幸せになれる」「会社を辞めて独立できたら幸せになれる」などなど、ゴール(ゴールというのも思い込みだけど)が達成されれば

          「丁寧な暮らし」は何のためにする?

          トイレに行くのと同じくらい自然にできることをやる

           「トイレに行くのと同じくらい自然に、行動できることをやる」。少し前から、私が創作活動や物事の選択の場面で意識していることだ。  まず、頭で考え打算で行動するよりはるかに心身が健やかに保てる。それから、「自然に行動できる」というのは言い換えれば、心理的負担がない、リラックスした状態なので、アイデアも湧きやすいし、視野も広くなる。結果、ラクなのに物事がうまくいきやすいと、40年あまり生きていて確信したからだ。  「直感に従う」みたいな感じなのかもしれないけど、なんかふわっと

          トイレに行くのと同じくらい自然にできることをやる

          和みの空間で鴨南蛮

           一週間前の週末、昼に、ある蕎麦屋へ行った。  最後に行ってから多分6年ほど経過している店で、夫とまた行きたいねといいつつ、長い月日が経ってしまったのだが、再訪したところ、とてもよかった。蕎麦の味はもちろんだが、居心地が素晴らしくよかった。  鴨南蛮が看板メニューで合鴨だけでなく、本鴨も味わえる人気店。前回行った時は並んだのだが、今回は少し遅めに行ったためか、タイミングが良かったのか、待たずに入れた。  まずはビールを。頼みたかった蕎麦味噌がメニューにはなかったのでとり

          和みの空間で鴨南蛮

          断捨離と思い出のカード

           断捨離中である。週に1回、ゴミ袋をいつもより余分に一袋出す程度の物を捨てている。先週は靴や靴箱やらほかの細々としたもの。今日は、書類やファイルやそれを収めていたプラスチックのケースなどをゴミ袋にまとめた。  少し前に、ミニマリストYoutberを見て、その方の所持している全書類の数が、たったの数枚で、それに感化されたのだった。  その方は原本でないといけない数枚の書類以外は、アプリを使用するかスマホで写真を撮ってPDF化し、まさにミニマム化することに成功している。紙類だけ

          断捨離と思い出のカード

          手抜き料理といえば

           手抜き料理をつめて弁当を作った。  手抜き料理としてあがるものの一つにカレーがあるが、あれは子供がいるご家庭で献立を考えるのが面倒な時に利用するメニューなのでは?と思う。  カレーは、炒める手間もあるし、油っぽくて洗い物とかも面倒だし、ルーを使っても玉ねぎとかニンニクの皮剥きとか、地味に面倒な工程が多い。  私の中で、手抜き料理といえば煮物だ。  が、しかし、思えば地味な料理である。弁当に入れれば彩りが……、などとケチをつけられるし、日本人に馴染みすぎてるからか、な

          手抜き料理といえば

          古民家と外界の音

           古民家に住んで一般的な住宅と違う点は多くあるけど、一番「これまでの家と違う!」と思ったのが「音」だった。外界の音が丸聞こえなのだ。家の前を歩いている人の話し声がとにかくクリアに聞こえて筒抜け。でも「これが古い家のデメリットか」とは思わなかった。むしろすごく気に入っている。  そもそも古民家が残っているくらいの地域なので、家の前をビュンビュン車が通ったりとか、若者が騒いでいたり、酔っ払いが徘徊していたりなんてことは一切なく、基本的にはいつもとてもとても静か。だからたまに外界

          古民家と外界の音

          古民家と縁側

           旅館の部屋には障子で仕切られた板の間スペースがある。たいていは椅子とテーブルがあって、くつろげるようになっている。以前、私はこのスペースの名前を知らなかった。というか名前があることさえ知らなかったけど、あれは「広縁(ひろえん)」といい、縁側の一種なのだそう(幅120cm以上のある縁側のことを指す)。  で、この旅館の広縁は何をするところかといえば、「ぼ〜っとする」ところでしょう! あそこで何かに一生懸命になっている人は、果たしてこの日本にいるのだろうか? と思うくらい人ぼ

          古民家と縁側

          家で食べるのり弁

           日本人の中でも、和食がないと死ぬ和食ラブ人間と、特別にこだわりがない、もしくはどちらかというとワインに合う食事を好む人がいるよなぁとうっすら思っていた。  私は、確実に和食ラブ人間だ。  イタリアンも中華もタイ料理も美味しいけれど、やっぱり和食が一番。しかも、天ぷらや寿司やそばが好き、というレベルではない(全て好きだけど)。米を常食するのはもちろんのこと、味噌汁とか梅干しとか海苔とか昆布とか納豆とか糠漬けとかとか、そういった素朴な和の味を、できれば毎日摂取し  たい。

          家で食べるのり弁

          バスで聞こえてきた歌声

           週末、自宅から最寄駅へ行くためにいつものバスに乗った。日常的に使っているバスなので、なんの気もなく、乗車したのである。昼頃なので空いていた。車内は静まり返っていた。  ところが、乗車してすぐ、小さな歌声のようなものが聞こえてきた。「♪〜♪〜さよなら〜(うんちゃらかんちゃら)〜♪」みたいな感じ。  (あれ?)と思っていたが、次の停留所が近づくと歌声がは止まった。まだ青年といったメガネをかけた乗務員さんの真面目な声でアナウンスが流れる。  そして、バスは走り出した。するとま

          バスで聞こえてきた歌声