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「丁寧な暮らし」は何のためにする?

「丁寧な暮らし」や「スローライフ」の真髄は「今この瞬間幸せを感じられること」だ、と最近思う。 

  人間、今この瞬間に、幸せを感じられれば即幸せになれる。

 「何を当たり前のことを言ってるんだ」と思うかもしれない。
 でも、よく考えてほしい。「あの会社に入れば幸せになれる」「あの仕事につければ幸せになれる」「今よりカワイくなれば幸せになれる」「結婚できれば幸せになれる」「会社を辞めて独立できたら幸せになれる」などなど、ゴール(ゴールというのも思い込みだけど)が達成されれば幸せと考え、漠然と「そうなっていない今は幸せじゃない」というような欠乏感を抱え、毎日を過ごしている人は少なくないと思う。

 私がまさにそうだった。私は会社員にあまり向いてないこともあり、幸せになるためには「何者かにならなければ」と思っていた。ちょっとした肩書きがある人みたいな感じ。でも、肝心な「何者か」がよくわからないから、それを探し続けて苦しんでいた。

 あるとき、それをやめてみた。探すことも何者かになろうとすることも。

 そして、今、過去の自分と比べて恵まれているなあと感謝できることを、改めて認識してみた。すると、「なんだ、肩書きがなくてももう今のままで100%幸せじゃん」と心の底から思えたのだ。

 「今この瞬間幸せになる」には、どうすればいいか。それには二つのことが重要だ。
 一つは、今あるものへの感謝の気持ちをもつこと、もう一つは、結果でなく過程を楽しむこと(正確にいうと過程も楽しめることをやる)。

 そこまで考えてからふと、「丁寧な暮らし」や「スローライフ」って、「今」や「過程」にフォーカスして生きることそのものじゃん! と思ったのである。

 例えば、料理で使う市販の「〇〇〇の素」系シリーズ。スローライフや丁寧な暮らしとはちょっとずれているアイテムだと皆なんとなく認識していると思う。原料などの懸念もあるけども、大きな理由は、思いっきり、「ゴール=料理の完成」にフォーカスした商品だからではないか。

 一方、例えばコンソメキューブを使わずに美味しい野菜スープを作ろうとすると、ニンニクや玉ねぎを刻み、ローリエなどの、ハーブ、きのこや野菜を入れて煮る、という工程が発生する。ここまでスローに(というか本来はこれが普通なんだろうけど)スープを作るには、料理する過程を楽しむ心が必要だ。

 もちろん、スープ作りだけじゃない。家事を丁寧にこなしたり、手作り品を増やしたり、天然素材のものを利用したり、自然に目を向けたり。スローライフ的なことは、「過程」や「今」を楽しむことを前提としたライフスタイルである。そして、そうゆう生活をしていると、生産者や自然や食べ物など、色々なものへ、感謝の気持ちがわくチャンスも増える。

 「丁寧な暮らし」や「スローライフ」は、漠然と「余裕のある素敵な暮らし」というイメージがあるが、実は、今目の前のことにフォーカスし、“今この瞬間幸せになる”マインドを保つための処世術でもあるのだ。

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