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言葉を尽くす

当時ブログに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。

=2004.05.28の記事=
「言葉を尽くす」

言葉について考えることがよくあります。「良い文章」と「上手い文章」についても。この2つは似ているようでたぶん違います。

「上手い文章」は書けなくても「良い文章」なら誰でも書ける。

私はそう思っています。

そもそも私たちはなぜ書くのか? なぜ書きたいと思うのか?

それは自分の想いや考えを誰かに伝えたいからではないでしょうか?もしそうなら「良い文章」とは自分の想いや考えが相手に伝わる文章ということになります。

私はいつも書くときにこんなことを考えてます。

頭の中で考えていることがそっくりそのまま取り出せたらどんなに良いだろうか、と。自分の感じたことが100%ストレートに伝わるなら、きっとそれを読んでくれる人も、私と同じように感動したり驚いてくれるはず。一緒にその想いを共有したいのです。

そうなるためにはどうしたら良いか、そればかり考えています。
「上手い文章」を書こうなんてのは二の次です。

では「良い文章」はどうしたら書けるのか?

実はそんなに難しいことではありません。「分かりやすく読みやすい文章」を書く気持ちがあれば大丈夫です。相手に伝わる文章とはすなわちそういうものではないでしょうか?

でも、ここで勘違いしたらいけないのは100%相手に伝わる文章など存在しないということです。あなたが私でないのと同じように、考えていることが100%そのまま相手に伝わることなどあり得ません。

ただ少しでもそれに近づくようにすることはできます。この文章でちゃんと伝わるだろうか?とか、もっと別の表現のほうが伝わるだろうか?など。そうやって推敲することで、自分の想いや考えを忠実に表現しようとすることはできます。それが大切なのだと思います。格好つけたり、誇張したりする必要はありません。

ところで「上手い文章」とはどういったものでしょうか?

私は「上手い文章」とは「的確で簡潔な文章」だと考えます。10あるものを語るのに、10は書かず、残りは行間から想像させる、そんな文章です。

ただ、そんな才能はなくても相手に伝わる文章は書けます。書こうとすることはできます。例えば同じことを書こうとしても「上手い文章」を書く人ならたった1行で表現できるかもしれません。でもそうじゃない人だって言葉を尽くせば、同じことを表現できるはずです。

原稿用紙何十枚になったって構いません。課題図書の読書感想文じゃないんだから、制限なんてありません。過不足なく、自分の想いや考えを伝える努力をすること、これが大切なのだと思います。

そこから先は、読む人にすべてを委ねるしかありません。

100%そのまま相手に伝わることはあり得ません。
50%しか伝わらないことだってあるでしょう。

でも、もしかしたら120%伝わることだってあるかも。

自分の想いや考えが、響きあい共鳴して、ふくらみ大きくなる。
そんな幸せな出会いが待ってるかもしれません。

言葉はそんな力を持っています。


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