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【インタビュー】「緊張や不安、どうしたらいい?」TAPサポーター武智小百合さん③

芸能に特化したメンタルサポートサービスTAP(ティーエーピー)。

表舞台に立つ方には付き物とも言える、「緊張」や「不安」に対するお悩み。自分のことだから自分ひとりで克服する問題だと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際のところはどうなのでしょう?TAPサポーターの武智小百合さんへ聞いてみました!

これまでの記事はこちら
【インタビュー】TAPサポーター武智小百合さん①これまでのキャリアについて
【インタビュー】「カウンセリングって何するの?」TAPサポーター武智小百合さん②

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Profile
武智 小百合 Takechi Sayuri
公認心理師/精神保健福祉士

大学院修了後、医療機関におけるうつ病、不安症、その他疾患に対する精神療法、企業におけるメンタルヘルス支援、スポーツ選手のサポート、と幅広く臨床活動を行う。現在は拠点を英国に移し活動中。


緊張のメカニズムを知って、場数を踏む

―― 芸能関係の方だと、緊張だとか、現場やオーディション前、それから終わったあとも不安がすごく残ったりだとか、そういう緊張・不安感で悩んでいる方が多いなというのは実感としてあるんですけど、そういうときにも有効なものですか?

武智:はい、もちろんです。現にそのような方にもいらしていただいています。
特に職業柄、緊張や不安はほとんどの方が多かれ少なかれ感じていることだと思うのですが、過度な不安や緊張が生じている際のメカニズムも説明しますし、それを踏まえて対処を学んでいける場だと思います。

―― ありがたいですね。
演技であれダンスであれ歌であれ、緊張で悩んでいる方は多いんですよね。
そういうときに誰かに相談しても「場数だから」「慣れだよ」の一言で終わってしまうことが多いなと思っていて。そういうのではなく、しっかりメカニズムから理解していけるんですね?

武智:そうですね。そこは専門家だからこそ提供できる強みでもあると思います。
どうしてその感情が生じるのかというのも普段は意識しないことでしょうし、それをいざ問われると、分かるようで分からないのではないかと思うんですね。
 
ですので、お話をお伺いして、その方の体験に照らし合わせながら、自分の中で何が起こっていてその緊張につながっているのかというメカニズムをお伝えしています。

―― それを知れるだけでもだいぶ違いますよね。なんだか分からないけど緊張するみたいなのがしんどいですよね。

武智:得体の知れないものって、対処しづらいですからね。
だからこそ、自分の中で今なにが起こっているかというのを理解するのは、行き過ぎてしまった感情にブレーキをかけたり、コントロールしたりするためには、とても大切な第一歩になるんですね。そのためにも、まずはそのメカニズムを知ってもらうというのがひとつのポイントです。
 
それから、先ほど出た場数というのも、たしかにそれもとても大切なことなんです。
おそらく演技やダンスや歌などもそうだと思うのですが、例えばスポーツ競技で、体の使い方や戦法を理解したところで、じゃあ実際に試合でそれができるか、というと、いきなりは難しくて、それを実践できるようになるまでの練習は不可欠になるじゃないですか。
それと同じことはこころの面でも言えて、いざそのような場面で、考えた対処法を試せるかどうかとか、実際に試してみてどうだったかとか、現場での経験や調整というのはどうしても必要になってきますね。
 
ただそれを、何も分からずただ闇雲に経験を重ねていくことと、メカニズムを知って対処法を考えて、それを試していくという意味での経験とでは、その先に重なっていくものが全く異なってくるので、それができるのがカウンセリングの意義でもあると思います。

緊張していることで周りにどう思われるか?

―― 私も芸能活動をしていたことがあるのですが、緊張がかなり強い方で・・それで人前に立つのが嫌になって、もうやめてしまいたいと思っていた時期がありました。緊張すること自体もですが、緊張している自分を見られたくなかったりして。

武智:「まわりの人にどう思われるかな」とか、そこで浮かぶ考えが余計に緊張を強めてしまったりもしますよね。
 
それに、不安や緊張を抱えているときというのは、漠然とした思いに押しつぶされてしまっていることも多いんですね。例えば、明日のオーディションどうしようとか、失敗したらどうしようとか、意外とそういうときの「どうしよう」って、何がどうしようなのかなと立ち止まってみると、意外と、これと言える明確なものがすぐには出てこなかったりしませんか。

―― 確かに。

武智:漠然としているものって、そこに対しての対処法も自分の中で定まらないので、不安な気持ちだけが大きくなってしまうということがあるんです。
そして、その「どうしよう」の中身を深掘りしていくと、現実以上に悲観的な捉え方をしていたりですとか。

―― 確かに。頭の中で考えているとどんどん妄想が広がって。

武智:そうなんですよ。

―― あと夜とか。

武智:夜とか本当にですね。普段こんなに想像力ないよって思うのに、とめどなくどこまでも想像できちゃうじゃないですか。

―― そうなんですよね。

武智:小説家にでもなれそうなくらいですよね。

―― 本当に。未来の地獄絵図がありありと浮かんできたりしてました。

頭で浮かぶイメージに脳はひっぱられる

武智:そうなんですよね。
特に、頭で浮かぶイメージというのは強力なので、頭の中で悲観的な未来や最悪な結末を思い浮かべてしまうと、脳はそこに引っ張られていってしまうんですよね。でも、そこまで引っ張られるとおそらく、それは自分の想像の世界の話だということに自分で気づかなくなってしまうので。

―― はい、ありました。

武智:そのようなときに、外からの視点も入れながら頭の中での出来事と現実とを切り分けていくという作業も、第三者がいてこそできることですので、そういったこともカウンセリングの中で行っていきます。

孤軍奮闘じゃない、二人三脚で進んでいける安心感

―― ありがたいですね、そういう相手がいると。
何かあってもそういう方がいると感じられること自体が、だいぶ違うんじゃないかなと思います。

武智:それは本当にそう思いますね。おっしゃる通りだと思います。
なにかに臨むにしても、1人だけで立ち向かっていくのと、「ここでうまくいかないことがあったら、またあの場で相談しよう」と、二人三脚的に進めるというか、孤軍奮闘じゃないって思えるのとでは、それだけでも気持ちとしてはだいぶ楽になる部分があると思うんですね。

――本当にそう思います。芸能関係のみなさん、外で闘っているというか、いろんな負荷をはねのけながら一生懸命活動されている方も多いので。常に自分の味方でいてくれてサポートをしてくれるような、そういう場があるというだけでも安心できますね。

武智:そういう場であり続けたいなと思います。


自分ひとりでどうにかしなければと思いやすい「緊張」や「不安」も、こうした場で”一緒”に解決に向けて進んでいけるものです。
是非私たちと一緒に活動のサポート体制を築いていきましょう。

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【インタビュー】TAPサポーター武智小百合さん①これまでのキャリアについて
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