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虚無者

人間というのは日中の強制的な活動が無いと必ず昼夜逆転するようにできている。各種睡眠導入剤を利用し、現状では夜強制ログアウトして眠りにつき、朝気が付いたら寝れちゃったという変な気持ちで毎回起床している。そしてそっから特にやることもないので、風呂に入る。寝起きで風呂というタスクをこなすことにより、何となくの社会性を維持できている自己暗示的な行為である。

料理をしたり掃除をしたり生活感溢れる行動をすることは最早「自分は健常」と思い込むための儀式的な行為と化している。タスクを課して消化できるとちょっと達成感あるし、何と言うか万引き癖のある人がスーパーで盗まないように癖付ける認知療法なニュアンスである。人間というのは怠惰に耽るとやはり心の健康は崩れていくのだ。

しかし、そんな細やかな作業も午前中にはやり遂げて日中は虚無な心でただ単に「夜を待つ」みたいな謎のハードコアタイムを過ごしている。最近は図書館利用というスキルを齢30にして覚えたので、税金でタダ読みできる文化を大分享受している。図書館は知の大前提の大きな土台過ぎる。本を読むという行為も単に面白いからでもあるが、正直上記のような人間性を維持してるつもりになる行為でしかないとたまに悟ってしまうのが玉に瑕である。

そして薬で強制的に寝ているだけなので実は日中ちょっと眠い。睡眠が何か根源的に足りていないような感覚で、眠気のレイヤーと意識のレイヤーが二階層で分離しているような何とも説明しづらい感覚である。眠気のレイヤーが意識を侵食してくると、半分起きてるのに寝てるみたいな不思議な1時間がやってくる。

正直この眠気を夜まで維持して、あの頃のように自然な入眠を果たしたいのだが、日が暮れるにつれ何か脳みそがギンギンになっていく感覚が増えていく。絶妙にドキドキしちゃってあの午前中のスリーピーな感覚など浮上してこず、横のなって何か精神が落ち着くのを待つ、みたいな嫌な時間が始まる。

そうして何もやる気が起きずに横になって意識を鮮明にしている状態に嫌気が差し、ルーティンのように眠剤を摂取して強制オフライン状態に持っていく毎日である。正直こんなのを半年以上繰り返しており、日中の精神状態はヒトにしがみ付いて居るぐらいまで回復したが、「夜に勝手に眠くなる」という当たり前が達成できない事実に人間としてバグっているという状況が常に自己嫌悪となってしまう。

正直睡眠というタスクに「薬を飲む」という行為が完全に前提となっている感じがあり、風呂入ったり歯磨きしないと愚行だなと自覚するのと同じ状態で薬を飲むという作業が眠りに直結してしまってるのが辛い。

やっぱり動き回るという行為を意識的に実行しないとこのループは脱出することはないだろう。そとに買い物に出ても、金を使うという行為が金銭的にも無駄な気分になりウロウロするしか他にない。そして平日昼間を楽しんでいる人間など居ないのだと悟っていく。時間が余って居るのに虚無的に時間を過ぎるのを待つという連続は何か蝕まれているような最近の脳状態である。こう綴ることも何かを成し遂げたと実感するための認知療法なのだ。そして眠気は未だにやってこない。

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