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「ムーミン谷の夏まつり」〜初めてムーミンの本を読んだ人の感想文

* ネタバレ少々

最近発売されたスナフキンのゲームの実況を見てミイのことが好きになったので、生まれて初めてムーミンの本を読んでみた。

ムーミンは、アニメの再放送を見たことがあるくらいで、ほぼ何も知らなかった。
昔ムーミンの原作本が大好きな友達がいた、という記憶はある。
やたらグッズが人気で、ムーミン好きすぎてフィンランドに行く人までいるとか、その程度の知識。

そんなあたしが、何も知らないまま、どの本がいいかも調べず、たまたま見つけたのを買った。

「ムーミン谷の夏まつり」という作品。

読み始めてすぐに、子供の頃に海外の児童書の翻訳本を読むのが好きだったことを思い出した。
「あー、これ好きだったやつだ!」て思って、嬉しくなった。
言葉の感じとか、空気感とか、出てくるものとか、全体からの空気感というか、匂いと質感が大好きで懐かしかった。
挿絵も素敵だし、話もとんとん進んで読みやすい。

そして、読み進めていくうちに気づいた。
「これ、スナフキンのゲームの原作では?」

ゲームと同じようにスナフキンは公園の立て札を抜くし、ゲームに出てきたモチーフやキャラクターが次々出てくる。
劇場も出てくるし、公園番も出てるし、パパは脚本を書く。

ゲームで見てたキャラクターたちを本で読むと「あ、この人ってこういう人なんだ」とか「こんな理由でこうしてたのか」と深く知れて、読み進めるうちどんどん好きなっていた。

あの、檻の横で編み物してた子。
あの子すごく良い子よ。

ゲームでは森の子供たちを鬱陶しがってたスナフキンが、本では子供たちをすごく可愛がって優しくしてたのも、すごく良かった。
たくさんの子供たちを皆いっぺんに受け入れて、みんなの名前も誕生日も覚えて、ご飯を用意したり、風邪ひかないか心配したり、暖炉の前で膝に乗せてやったりしてた。
子供たちもすごく懐いてて、スナフキンのお手伝いをしたがったり、甘えたり、みんなでプレゼントを用意したりしてた。

あと、ミイがゲームとかネットで見るキャラクターよりも子供っぽくて可愛かった。
前から持ってた付箋と同じ挿絵が出てきたのも驚いた。

この作品の中のミイは、意地悪や嫌味を言う子じゃなくて「悪い言葉を言いたい年頃の女の子」て感じね。
素直すぎる子で、冗談のつもりで悪いこと言っちゃうのね。
好きよ。

面白かったし読みやすかったので、休日のタイミングで一気に読み終えた。
マジで読んでよかったわ。

なんかこう「人と人って、そういう時あるよね」とか「あー、そういう人もいるよね」とか「そんな気持ちになることあるよね」とかが説教臭くなく入ってた。
変な人とか困った人は多いけど、お互い受け入れあってて、どこかみんないいとこがあって、とても好きだったなぁ。

もう2冊目を用意してある。
次は「ムーミン谷の冬」だ。

夏の次は冬。
楽しみね。

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