スタバの二人

午前から美容院に行った帰りにずっと飲みたかったクレームブリュレラテを飲みにスタバに行った。

スタバは何時に行っても一定の人がそこにいて、席の間隔が狭いのが苦手な自分にとって居心地は良くはなかったが、みんな各々何かをしてるので慣れたらそれほどは気にならなくなった。

2人掛けの席(片方がソファーになってるとこ)がちょうどあいたのでそこに座った。両隣は右が1人で勉強をしてる高校生で左が老夫婦だった。老夫婦は5分もしないうちに帰ってしまった。

私は今からスマホで韓国語講座を受けようか、よしもとばななのキッチンのあとがきを読もうか、それとも稲垣足穂の短編集の続きを読もうか、1年ぶりに再開したあつまれどうぶつの森を起動させてATMから全額引き出して株に注ぎ込もうかどうしようかと考えてた時に、突然現れた男が隣の勉強中の高校生の机の上にマクドナルドの紙袋を置いた。

勉強していた高校生の女の子(仮にモモ子とする)は「混んでた?」ときく。
「ううん」と男(仮にモモオとする)

私はとりあえず韓日辞典を出して、韓国語講座を受けようと思った。
モモオがモモ子の向かいに座る。モモ子は再び勉強を始めた。

私はAirPodsを耳につける。
モモオがモモ子の左太腿を触る。
モモ子は赤いシートを使って単語を覚える。

私は斜め右下を目だけ動かして見る。
モモオが私の顔を3回見る。
モモ子の左太腿にはモモオの右手がある。

それから実に30分ほどの間、モモオはモモ子の左太腿を触り続けていた。さわさわしてるのではない。ただかざすように手を置いている。
視界に入るので韓国語に集中できず、オンライン講座の画面は閉じてTwitterをひらける。
私がマイナンバーカードいるいらない双方のツイートを見たりかわいあんりについてのツイートを見ている間もずっとモモオは太腿を触り続けていた

 
私はインスタで「夫である僕に内緒で妻がアダルトビデオに出演していた話」を読む。
モモ子はついに勉強の手を止めモモオを見つめる。
モモオ、太腿から手を離す。

モモ子とモモオ、見つめ合う


モモオが頬杖をつくとモモ子も頬杖をつく


モモオは両腕を伸ばしモモ子の顔をはさむ。


モモ子「むーーー」

モモオ「あーーう、わあ、あーー、うぅ」

モモ子「ふーーう、むん」

モモオ「あーーーん、ををん。」

モモオ、両手をモモ子の顔から離す
モモ子、勉強を再開する

モモオ、モモ子が飲み終わったドリンクを片付けに行った。
モモ子、無言でそれを見送る。
私、インスタで「夫が4人の女を同時に妊娠させた話」を読む。


モモオ、席に着く。
モモ子、暗記ペンでノートに線を引く。
私、まだ読んでいる。

モモオ、再びモモ子の左太腿に手を置く。


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