『人魚姫』をアップデートする
渋谷の映画館・イメージフォーラムで
『さかなの子、リトル』Malá z rýbarny というチェコのアニメが上映されています。とってもおすすめなので紹介させてください。
上映の詳細はこちら▼
http://newdeer.net/world-animation/
予告編(英語)はこちら▼
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作品の題材は、アンデルセンの『人魚姫』。
しかし人魚姫が恋をするのは、人間の美しい王子様じゃなくて、風俗店を営む人間の男です。
この設定だけで最高!ではありますが、
『さかなの子、リトル』は決してイロモノ設定を面白がるアニメではないので、油断禁物。
1830年代に発表された童話を、
今、この時代に大人になった私たちが、どう受け取るのか。
幼い頃に聞いた物語から、私が受け取ってきたものはなんだったのだろうか、観た後にそんなことを考えました。
2018年。『人魚姫』を「悲恋の物語」とか「叶わぬ恋の切なさ」とか、そんな男女のロマンスに落とし込んでいるようじゃダサいぜ、と言われたような感じ。
叶わぬ恋の切なさよりも、愛する人が居るという幸せの方が大きくて大事なことだし、痛くてもみじめでも、最後は泡になったとしても、
「自分がなりたい姿になる」という選択をした人魚姫はかっこいい女なのだと、25歳の今になって気付くのでした。
『にんぎょひめ』を初めて読んだのはいつだったんだろう。
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ちょっとロマンチックな物言いになってしまいましたが、
ラブロマンスが苦手な人ほど観て欲しい『人魚姫』です。
チェコらしい暗さ、皮肉っぽいジョーク、造形や演出のおかしみ。チェコの人形アニメーションらしい魅力がいっぱい詰まっています。
本当に細かいところが可愛くてニクい。
上映は残り2回。
▶2018年1月17日(水)13:00〜
▶2018年1月19日(金)19:00〜
http://newdeer.net/world-animation/
どちらも平日なのですが、ご予定の合う方はぜひ観てみてください。
追伸:
カバー写真について。『さかなの子、リトル』の舞台かも?と思われるドイツ・ハンブルクの写真です。こちらのTwitterにもちょろっと書いてます。
ドイツ・ハンブルグの夕焼けです。
イメージフォーラムでの映画上映後のトークで、登壇者のペトル・ホリーさんが、『さかなの子、リトル』の舞台はドイツ・ハンブルクでは?と指摘されており、私もとても納得したのでした。
ハンブルクは大きな港町で、私は、留学中に一度旅行で訪れたことがあり、カバー写真はその時に撮ったものです。ハンブルクには大きな魚市場があったり、ミニチュア博物館という楽しい場所もあるのですが、夕焼けがすごく印象的で、私の中でのハンブルクの記憶はほぼ夕焼けのみです(笑)
ばーんと広がる広い海と、遠くで働く重機。夕焼けの水辺というのは、どこであっても感動的な景色ではあると思うのですが、内陸の国チェコから、ハンブルクへ旅して、久しぶりに海を見たからなのか、特にその美しさが印象的でした。
ハンブルグは、ジャズ漫画『BLUE GIANT SUPREME』の舞台にもなっていて、この漫画の中でも、ここの夕焼けが見開きでバーンと出てくる頁があります。主人公が、海に向かって練習しているシーン。
ハンブルグの夕焼けが綺麗だったことは、ずっと忘れていたのですが、この漫画を読んで鮮烈に思い出したのでした。
▼『BLUE GIANT SUPREME』
http://amzn.to/2ELB8Vu
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ではまた。
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