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読書記録#11 『無(最高の状態)』

今回紹介する本は、無駄に苦しまないためのマインドセットが分かる『無(最高の状態)』です。


現代において、情報化社会の発展により、私たちはかつてないほど多くの情報にアクセスできるようになっています。その一方で、私たちは常に情報の渦に飲まれ、あらゆる物事を知れるという反面、時には不安や心配を抱えやすくなっているのも事実。

そんな現代において「最高の状態」=自分の能力が存分に発揮できる状態になるための知恵を与えてくれる一冊でした。


心配事はほとんど起きない。

人は誰でも、未来への不安や心配を抱えるもの。しかし、この不安や心配の多くは、実際には起こらないことばかりなのも事実で、「思ったよりも上手くいった」という経験をしたことがある人も少なくないのではないでしょうか?

実際、心配事の8割は起こらず、起こったとしても想定より悪い状態に陥る確率はわずか3%と言われているそう。

それだけ人間は心配性だということです。


私たちは起きないことに対してネガティブな思考を巡らせてしまい、苦しんでしまうことが多々あります。私も、有る事無い事を想像しては一喜一憂して、心の平穏を自分で脅かしてしまうことも少なくありません。


ネガティブ思考のメカニズム

ネガティブ思考は、脳の防衛本能の一つです。未知の状況に直面したとき、脳は潜在的な危険を予測し、回避しようとするため、最悪のシナリオを想定してしまうのです。

この心配(虚構を信じること)自体は、自身を守るための反応で、この防衛本能のおかげで、我々ホモ・サピエンスは人類(ネアンデルタール人やアウストラロピテクスなども含めて)同士の生存競争に勝利し、長い歴史を持っています。

しかし、この防衛本能が過剰に働くために、現実よりも悪い未来を想像し、必要以上に不安や恐怖を感じてしまうようになります。


日々、命懸けで生きてきた時代や環境においては、この能力は自分を危険な状況へ陥らせないために絶大な力を発揮するでしょう。しかし、少なくとも現代の日本においては、日常生活で命が脅かされる危険性はほとんどありません。

過去に我々人類の生存を助けてくれた防衛本能は、現代においては過剰に反応てしまっているのだと思います。


ネガティブ思考を克服する

起きないことに対するネガティブ思考は、以下のような悪影響を及ぼします。

  • ストレス・不安・恐怖の増大

  • 集中力・判断力の低下

  • 行動力の低下

  • うつ状態・睡眠障害

  • 人間関係の悪化

ネガティブ思考に支配されると、様々な問題を引き起こしてしまいます。


ネガティブ思考を克服する力は、一朝一夕で身につくことではありません。

仮に、ネガティブ思考を克服する術を身につけたとしても、それが常時発揮できるとも思いません。

ですが、少なくとも自分が今置かれている状況を、少しでもより良い状態に持っていくことができるようになるでしょう。


言うは易しですが、ネガティブ思考から自分を守るためにはとにかく気にしないことです。

もう少し粒度を高めると、心配することは大抵無駄であるということを実感することです。


あくまで私の経験談ですが、過去を振り返ってみることで、それを多少なりとも実感できるようになると思っています。

私は、自分の人生におけるステージが変化することにとても大きな不安を感じていました。

小学校から中学校。
中学から高校。
高校から大学。
大学から社会人。

これらのタイミングは、過去の私にとって、とても大きなネガティブを生む出来事でした。

  • ちゃんと勉強や仕事についていけるのか?

  • 新たな人間関係を構築できるのか?

  • 家族や友人、同僚に迷惑をかけずに生きていけるのか?

など、様々な不安に苛まれていました。

ですが、思い返してみると、どのタイミングでもなんとかなっていて、今も楽しく生きられていることに気づきました。

そこから、大抵のことは何とかなるのだと実感できるようになっています。
幻冬社の箕輪 厚介さんの著書『死ぬこと以外かすり傷』は、まさにその通りだと思っています。(かすり傷も痛い時は痛いですが…)


みなさんも、過去を振り返ってみると、様々な不安や心配事を乗り越えてきたのではないでしょうか?

もしかしたら大きな苦労や困難を経験しているかもしれませんが、少なくとも今生きられていることから、なんとかなった(なんとかしてきた)のではないでしょうか?


これを実感できるようになるだけで、実際に起きないようなことに対する不安に押しつぶされることは少なくなっていくと思います。


まとめ

起きないことに対するネガティブ思考は、私たち人間における苦しみを引き起こす原因です。ネガティブ思考を克服することで、無駄な不安に振り回されることなく、自分の力を最大限に発揮することができるでしょう。

過去や未来のこと悩みすぎず、目の前のことに全力で取り組み、今の自分が生きているこの瞬間を大切にしていきましょう。


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