No.052 ミステリクイズ


問題文

放課後、私(A)はBと共に、美術室に来た。
引き戸を開け、電気をつける。
机の上にあった彫刻作品が見るも無残にバラバラの状態で机や床に散らばっていた。

B「なんだよ、これ」
私「とりあえず、先生に連絡。早く」

5分後、Bとともに教員が来て美術室は立ち入り禁止になった。
壊されたのは私たちと同じ美術部所属のCの作品。
Cは美術部一の腕を持ち、それを尊敬しながらも嫉妬する輩は多かった。
かくいう私もCの才能には嫉妬していた。

事件は警察沙汰にはならないらしいが、教員によって一応の捜査(美術部全員のアリバイ調査、目撃者捜し)が行われた。
Cの彫刻は事件の朝、多くの美術部員に目撃されている。

私とBもアリバイを聞かれた。

B 「俺たち、学校に来てからずっと一緒にいました」
教員「A、それは本当か?」
私 「あの…私……昼休み、美術室に筆箱を取りに戻りました。Bには外で待 
   っていてもらって……だから、その時のアリバイはありません。
   でもその時、まだ彫刻は無事でした」
B 「俺、美術室の外で待ってたけど、1分もかかりませんでしたよ。
   それに彫刻を壊せば大きな音がするはずです。でも静かでした。
   Aに犯行は不可能です。奇術部のやつに聞いてください。あいつら
   美術室前の廊下で練習してましたし」
教員「そうか。現場を見て気が付いたことはあるか?」
私 「特に何も……」
B 「何となくなんですけど、彫刻の残骸の量がちょっと多い気がするんで
   すよね。まあ俺、彫刻やらないんでわかんないですけど」

結局、私たちは奇術部部員の証言かつ、2人でいたことから容疑者から外されることとなった。
今も犯人は見つかっていない。
つまり私の勝ちだ。


この事件はAの単独犯行でした。
さて、Aはどうやって完全犯罪をやってのけたのでしょうか?

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ヒント

彫刻は朝、無事でした。
Aは昼休み、1分間一人で美術室に入っていますが、1分では彫刻を壊すことは不可能です
(少なくとも壊すときにすごい音がしてBにバレるはずです)。
ではいつAは彫刻を壊したのか?
そもそもどうしてAは昼休み、美術室に来たのでしょうか?


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解説

犯行は犯罪発覚後に起きたのでした。
真相はこうです。
Aは昼休みに美術室に来た時、Cの彫刻を隠し、代わりに彫刻の残骸を置きました。
その後、放課後にBとともに残骸を発見します。
そしてBに先生を連れてくるように促し、一人になります。
一人になった後で隠してあったCの彫刻を取り出し、壊したのでした。

Bが残骸の量が多いと指摘したのは正しいです。
現場にはAの最初にAの置いた残骸に加え、Cの彫刻の残骸があるため、しっかり確認すれば量が多いことが分かります。

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