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【駄文】愚直の美・映画大好きポンポさん

 杉谷庄吾(人間プラモ)さんの漫画「映画大好きポンポ」さんが、映画化されるというネットの記事をチラリと拝見したので、少し語らせてください。このシリーズ、本編が3巻、スピンオフが2作品、単行本として発売されています。題名からするとポンポさんが主人公のように感じますが、ポンポさんは全体として「狂言回し」のような役割で、「映画監督」や「役者」など、映画に携わる方々を描いた、娯楽性のあるヒューマンドラマとなっています。悪い人が出てこないし、エロ・グロ、暴力のような場面が無いので、安心して読むことができます。

 また、作品の背景にある、私好みの事として、「完結しているから、続きは描かない」と言いつつ、スピンオフや2巻、3巻と描いてしまったことでしょうか。で、本編が3巻にして大円団を迎えましたので、今度こそ完結するのではないかと考えています。

 今回の題名にある「愚直の美」という表現は、著作「恋する旅人」について「沈丁花さん」が書いてくださったamazonのレビューから、お借りしました。「ポンポさん」と「恋する旅人」に共通するのが「愚直の美」なのかと考えています。冒頭を引用させていただきます。

これまで私は、『愚直』という言葉を、誰かの実直さを揶揄したり、自分の融通のなさを自嘲する、ややネガティブな言葉なのかな、と思っていました。ところが、実用日本語表現辞典では、
”「愚か」と評したくなるほどに実直で一本気である、そのような姿勢で物事に取り組む、という意味で用いられる表現。適当に省略して楽しようとしたり、道半ばで方法や目標を変えたり、といった余計なことを考える小利口さがなく、あくまでもまっすぐに歩みを続ける、という肯定的な(賞賛の)意味で用いられる表現。

 というものになります。愚直という言葉について、辞典では『肯定的な(賞賛の)』とありますが、現実的のところとしては、『ややネガティブ』という印象なのかと、私も考えていました。だけど、それが良いとも。現実世界では「愚直」な方が肯定されることも、賞賛されることも少ない印象なので、物語の中ぐらいはハッピーエンドになって欲しい、と考えているようなのです。
 ポンポさんに登場する主たる登場人物は、まさに「愚直の美」を実践しているような方々です。その方々がポンポさんから与えられたチャンスを掴み、夢を実現させていく姿が描かれています。
 そして、3巻の展開と最終話が、また、私好みで「ズキューン」と鳩、いやハートを撃ち抜かれた訳です。
 なので、今回のサムネ画像は「鳩」を使用しています。ここまで、お読みいただいた賢明な読者は、お気づきと思います。「鳩、いやハート」という表現が、いつもの『後付け』であるということを。正直に申し上げますと「みんなのフォトギャラリー」で、画像を検索する時に「ポンポさん」を「ポッポさん」と勘違いして検索した結果、表示された画像を使用したことになります。偶々であり、ミステイクということになります。
 しかし、それでも縁をいただいたからには大事にしたい。サムネ画像として使用したからには本文でも触れたい。ということで、この表現となりました。

 話を戻しますと「愚直」という言葉は、私の創作物に登場する主人公に共通する言葉・思想であると感じています。どちらかと言えばネガティブな印象を抱かれる愚者に光を当てたいという願望があったようです。賢い人であれば「やらなくような余計なこと」に向き合い、汗をかき、恥をかきながら、損をしながらも前に進もうと足掻き続けます。ほとんどの場合は「負け戦」になることは見えています。主人公たちもそのことを感じながらも、進もうとします。その愚かさを、私は愛したいと考え、物語として表現したかったようです。残念ながら、杉谷庄吾さんのような力が無く、表現しきれたかどうかは疑問が残りますが、挑戦して良かったとも考えています。

 そして、沈丁花さんが「愚直の美」と表現してくださり、私が愛した「愚かさ」を美しいと感じていただいたことに、静かな感動を受け、大きな感謝を抱いています。
「実らなかった恋に意味はあるのだろうか」
「売れない本、読まれない物語に意味はあるのだろうか」
この問いに対する答えは、まだ確信が得られないけれど、それでも光を求めて書き続けたいと思うのです。「恋する旅人」を発刊してから丸5ケ月の朝を迎えました。皆様のおかげで電子書籍は14冊を御購入いただくことができました。いつも応援していただき、ありがとうございます。
 できましたら、次のリンクから、沈丁花さん、ミーミーさんのレビューだけでも読んでくださいますよう、お願いします。

 


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