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【読書メモ】出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

先週、web上に漂う数多の情報の中からたまたま目に飛び込んできたwebmagazine温度のこの記事(本に掲載されている話の第一話)

を読んで、続きおよび結末がどうなったのか気になって即購入、即読了した。

話の内容は、

夫に別れを告げ家を飛び出し、宿無し生活。どん底人生まっしぐらの書店員・花田菜々子。仕事もうまく行かず、疲れた毎日を送る中、願うは「もっと知らない世界を知りたい。広い世界に出て、新しい自分になって、元気になりたい」。そんな彼女がふと思い立って登録したのが、出会い系サイト「X」。プロフィール欄に個性を出すため、悩みに悩んで書いた一言は、「今のあなたにぴったりな本を一冊選んでおすすめさせていただきます」
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実際に出会った人達は魑魅魍魎。エロ目的の男、さわやかに虚言癖の男、笑顔がかわいい映像作家……時には自作ポエムを拝見し、かわいい女子に励まされ、優しい女性のコーチングに号泣しながら、今までの日常では絶対に会わなかったような人達に、毎日毎日「その人にぴったりの」本を紹介。え、もしかして、仕事よりもこっちが楽しい!?
サイトの中ではどんどん大人気になる菜々子。だがそこに訪れた転機とは……。
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これは修行か?冒険か?「本」を通して笑って泣いた、衝撃の実録私小説!

といった感じ。

購入前にどこかの書評で

これは一人の女性が自分を手に入れる再生の物語だ。

というような感じのことが書かれていたけれど、読んでみて正にその通りだと思った。
あと個人的には、物語の中で主人公が自分の居場所を手に入れて、再生していく過程でもっと重要な要素はコミュニティだなと感じた。本人が何をしたいかやどうなりたいかも重要だけれど、「自分が自分でいられる。」と感じ、安心と信頼が保たれた場所(コミュニティ)があるからこそ、人は自分が本当にやりたいことをやっていけると思った。

作中で紹介される主人公が出会った人に薦める本のほとんどを読んだことがなかったけれど、主人公の身の回りで起こるエピソードや気持ちの変化にワクワクドキドキ、時にホロリとしたので、普段、本を全然読まないという人でも気軽に読める内容なので、webで第一話を読んで面白い!!と思った方は是非。

タイトルおよび表紙の通り、サブカル感はあるので、
渋谷直角さんの漫画「奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール」「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」
この小説と同じくwebで人気を博して書籍化された吉田 貴司 さんの漫画「やれたかも委員会」
さくら剛さんの小説「インドなんて二度と行くか!ボケ!!―…でもまた行きたいかも」
などが好きな人には特におすすめ!

現在、作者は"女性のための本屋"「日比谷コテージ(HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE)」の店長をされているみたいなので、そちらの店舗にも一度足を運んでみたい。

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