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書評『一番伝わる説明の順番』•セルフカウンセリングにも使えるビジネス手法

一番伝わる説明の順番


説明の仕方には色々と方法がある
おそらく一番有名なのは
結論から話す
だと思われる

だがしかし、その手法がいつもいつでも上手く行くとは限らない
そうさ、世の中なんて十人十色
セオリー通りに説明して誰もが納得するのならプレゼンで困ってる民はとっくに少なくなってるはずだ

前提を揃える

『一番伝わる説明の順番』は
まず前提を揃えるということを主張としている

前提を揃えるとは
言葉の定義など前提知識の認識合わせをすること

世の中には単語に複数の意味がある
「多義語」の場合があり、
その意味合いを揃えなければ
議論やプレゼンは通らない

多義語

例えば日本語で言えば「首」は
身体としての首のことを指すこともあるし
解雇の意味を持つことがあり
それは文脈からどちらの意味か推測することができるが

短文で
「首が辛いんだよね」
とだけ友人からLINE送られてきたとしよう

友人が早期退職勧告された時期ならば
早期退職勧告のことを指してるかもしれなちし、単に肩こりを含む首が身体的に辛いのかもしれない

「そうか、それは辛いね」と
こちらが返信しても
一見して会話は成立している

全ての会話は前提として
その言葉の持つ定義がなんなのか揃えないと
話はまったく明後日の方向に進んでしまい
話が収束したように見えて
全く違う認識のまま終わってるかもしれない
英語単語の読み間違で誤解

吾輩の少し恥ずかしいエピソードを紹介しよう

英単語で「common」(共通の)
を「column」(列)
と読み間違えたために
なんとも噛み合わない会話をしたことがある

共通のという意味で
コモンと発言する人は吾輩は人生の中で一人しか出会ったことがない…
日本なので日本語で話してほしいと
心の中でつぶやいて
自分の読み間違えを恥じた

より認識間違えしやすい多義略語

さて、単純な文脈読み違いや
読み間違い、聞き間違えよりも
多く起こりそうなことは
略語だと思う

「京女」は
京都女子大学と京都の女性
の多義略語となる
どちらも京都のことなので
短い文脈であった場合、どちらのことなのか推察するのは難しい

ビジネスの多義略語

あなたはビジネスの文脈で「EU」と聞いて
どの意味だと解釈するだろうか?

吾輩はヨーロッパのことだと思った
というのも、背景として
グローバル企業に属していたとき
ヨーロッパにも支社があって
その時はヨーロッパの個人情報保護に合わせたセキリュティ基準をどのようにするか
で社内が話が持ちきりだったからだ

しかし「EU」の単語をテキストで送ってきた相手が言いたかったことは
「エンドユーザー」だった

吾輩は正直、わかるかいな…
と心の中でつぶやくのであった。

「FB」なら、あなたはどの意味と捉えるだろうか

吾輩は、広告出稿でfacebookにも出していたからfacebookの話をしてるのかと思ったが、フィードバックのことだった

どちらにせよ略さないでほしい
とまた心の中でつぶやいていた

前提が揃わないことの誤解

とににかく、会話をする際は
言葉の定義を合わせないと
前述したような、しょうもないような誤解から議論のエンジンスタートがかからないことがある

文脈から理解できないやつがアホなのだ
とか言ってても仕方がない
議論を進めなければならないのだから

議論の参加者の知識レベルが一定とは限らない

例えば、ビジネスカンファレンスであっても
参加者の知識レベルが同じとは限らない
より多くの人に理解してほしいのならば
なるべく平易な説明をしなければ
それは届かないかもしれない

ビジネスカンファレンスでもなく
より多種多様な人が参加するような場であったのならそれはもっと顕著になる

これは、どのシーンでも言われることだが
小学生に伝わる説明が望ましい


だが、全ての説明資料を小学生向けにしすぎたらそれはそれで
持っていきたい議論のゴールに近づけないかもしれない

だから、前提の知識を揃えるをとにかく
説明の前に持ってくる必要がある

ファシリテーション力

伝わる説明をするためには
説明の順番と同じく
議論の進行をするための
司会進行の技術だと思う

ファシリテーション力がないと
いくら見事な説明の順番をしても
相手に説明を腹落ちしてもらったり
当事者意識を持ってもらうことは難しい

説明資料を落とし込むとともに
当日の司会進行力が試される

前提を揃え
短いアイスブレイクをし
本日の議論のゴールを示し
結論から話し
その目的と背景
根拠を3つに絞って話し
また結論を話し
議論のゴールを得る

説明を普段から完璧にできる必要はない

でも、毎度レベル高く説明を言いこなすのは
正直頭を使うので
毎回サクサクはやってられない

ほとんどのシーンの場合
吾輩はそこそこポンコツの説明をしてる

セルフカウンセリングにも使える説明の順番

普段から説明の順番をうまくできる必要はないが、この説明の順番の手法を心掛けて生きていると
なかなかいいことがある
セルフカウンセリングに使えるのだ

セルフカウンセリングの手法に
ジャーナリングというものがある
思ったことをつらつらと紙に書いていく手法だが

これは『一番伝わる説明の順番』にも
思考のまとめ方の方法として記載があって
とりあえず、紙に伝えたいことを書き
その中から共通項を探して
ラベルを張り、項目を分けることにより
要点をまとめることができ
冗長な話を簡潔にすることができる

伝わる資料とは
伝えたいことを盛り込んだ後
そこから削ぎ落とすことにある
資料に余白があれば、そこから生まれる議論もある

人は一度にそんなに多くのメッセージを受け取れはしない
盛りだくさんの資料にするより
情報をとにかく削ぎ落とす

だからメッセージは3つに絞れだの
5つに纏めろだのと
巷ではよく言われてるのだろう

プロのデザイナーが作ったポスターや
パンフレットなどを見るとよく分かる
一番伝えたいことに絞っている
広告もそうで、短い時間で一番伝えたい訴求だけにしぼって発信するのだ

枝葉と幹の本質

自分の頭の中を言語化した後に
情報をまとめ上げて
また一旦、一番フォーカスしたい課題に注目すると枝葉が削ぎ落とされ
幹だけがのこる
それは本質とも言えるし
悩みの根幹とも言える

自分と向き合うセルフカウンセリング

結局のところ
自分の人生に起きる表層的な問題の解決は自分の中にしかない
深く自分の中に潜って

自分を形作っている価値観(スキーマ)は
どこに源流があって
その流れを濁らせているものは
一体なんなのか見つける旅が必要だ

要約することはラベリング

カウンセリング手法の一つに
その時の自分が感じた感情に
名前をつけてラベリングすることで
安心していくというものがある

自分の悩みを一度紙に書き出すなりして
悲しかった
怒った
嫉妬した
嬉しかった
あらゆる分類をし
その感情の波と身体の変化を客観的に捉え

そしてそこにジャッジを挟まない
ただあるがままの事象として捉える

自分の認知のクセを捉える

客観的に捉える
メタ認知する
事実を事実のままに捉える

これはとても難しいことだ
何年修行してもなかなか手に入らない

人は誰でも大なり小なり認知の歪みがあり
それで日常生活に支障が出るのならば
なにかしらの病名がついたりするかもしれないが
所謂、健康体の人にも
認知の歪みが起こったりする

例えば、すごく忙しくて疲労してたら
誰だってちょっとした見間違いしたり
記憶違いを起こしたりすることもあるだろう
人間は多少なりとも認知は歪むのだ

何か起きた時の捉え方が様々なように
認知のクセとも言えるし
思考のクセは誰にでもある

自分の思考を整理する時
他者に説明するかのような前提でまとめあげると、自分のクセが見えてくるのだ

未来の自分へ

何かを書く時、必ず読者はいる
未来の自分という読者だ

一番伝わる説明をしよう
自分のために

参考書籍一覧

一番伝わる説明の順番

ファシリテーション超技術

さみしい夜にはペンを持て

セルフケアの道具箱

スキーマ療法ワークブック

関連note一覧

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