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ITコンサルのアドバイスを無視したら格安DXできた話

ヒラ事務員、DXリーダーになる

吾輩は、とある中小企業で働く猫である。
社長に任命されてDXリーダーを拝命した。

正直、意味が分からない。
IT部門がやればいいのに!
しかし、IT部門の人は社内インフラ整備で手一杯らしい。
ググって簡単なVBA(Excelで動くプログラミング言語)くらいは書けるが
吾輩は、ヒラの文系一般事務員である。

DXセミナーはフェス

とはいえ、社長も鬼ではないので
とある有名企業のITコンサルをつけてくれたし
有料のDXセミナーもいくつか受けさせてくれた。

2日で25万の講習会。
1日10万するDXイベント。

イベントには誰もが知ってる大企業のAI担当者やDX担当者が登壇。
吾輩は興奮した。スゲー!!有名人ばっかや!

筑波大学の落合洋一さん、SHOWROOMの前田裕二さん
東大の大学教授
しがない、中小企業の事務員には一生縁のなさそうな
テレビやYouTubeやSNSでいつもバズってる有名な人たちがとても近い距離でお話ししている!

DXのイベントはまるでフェスみたいだった。

横文字ばかりで難しい話ばかり展開していて
話の半分もわからなかったけど
DXはとにかくすごくて、やらなければいけないことだと確信した。

イベントは面白かったけれど
話は難しくてついていけなかったので
正直に社長にそのことを話、どうしたらいいかと聞いてみたら
とりあえず、そのイベントにいた会社に話を聞きに行ったらよいといわれ
印象のよかった某会社にアポをとった
話の相談だけで10万かかりますと言われた。

相談だけで10万!!
社長?!
どうします?!??!?!

社長は許可をくれた太っ腹だった。

10万で相談して得た知識

某会社はAIの会社で
どうしたらAI(機械学習)でAIを育てられるかという話を教えてくれた
初めて聞く話だったのでとても興奮して話を持って帰って
AI(機械学習)ってこうやって育てるんだって!
ML(マシンラーニング)の設計が大事なんだってと会社で話した。

でも、数か月後、偶然見つけたUdemy(オンライン学習プラットフォーム)で
10万円かけて聞いた話はセール価格の2000円で買えた。
通常価格でも2万円だった。

ちょっと頑張って学習したけど、なんだか難しくてすぐあきらめた。。
だって吾輩、事務員だよ?いきなりAIはハードル高かったのでは?

tableauでDX

いきなりハードルの高い話ではなく
身近なものをDXするのがいいのではないかと思い至り
社内にある無数のExcelと膨大な手作業を自動化し
データの可視化をやってやろうという話になった。

弊社には毎朝6時にやってきて手作業で数字をExcelにまとめ
毎日戦略を考えている役員がいる。

役員クラスの人にそのような手作業をさせるのは心苦しいので
どうにか自動化できないか考えた。

Excelで処理するにはデータ量が多すぎて固まるので
ExcelよりBIツールがいいと
某外資系ITコンサル企業にアドバイスをもらった。

そのITコンサル企業は太っ腹なので
BIツールのtableauを無料で教えてくれた!
tableauは直感的で、勉強しなくてもすぐに習得できた!

これはDXいけるのでは?!

すぐにサンプルダッシュボード(グラフや表などのこと)を作り
社長に見せてデザインのダメだしはたくさん貰ったけど
方向性としてはOKがでて
tableauを頑張ることにした。

でも、だんだん煮詰まってくる。
吾輩はSQL(データベースを操作する言語)が書けない。

tableauの人に相談すると
tableau prepというSQLが書けない人でも扱える
データ成型できるツールを教えてもらったのだ!!

これはとても便利だった。操作が直感的!

結局Excelに戻った

それでもデータ量が多すぎてついに限界を迎える
tableauの人に相談したら
いろんなイベントで見かける有名なあの人に答えてもらえた
とっても勇気がもらえたし嬉しかったけど

やりたいことをやるにはtableauは料金が高すぎる
tableauDesktop単体でも高いのに
作ったダッシュボードを社内で手軽に共有するには
信じられないくらい高いお金が必要だった。

そして結局Excelに戻った。
この時、すでに半年が経過し、半年かけて何もリリースできなかったことに
吾輩は絶望しかけた。

事務員でもRPAならできるらしい

もしかして、相談したITコンサルさんがよくなかったのかもしれない
ベンチャー的なコンサル・外資系コンサルときたから
今度は日系の大手IT企業に相談した。

すると、RPAという製品があると教えてくれた。
RPAは簡単に説明するとパソコン上で動くロボットで
プログラムが書けない人でも
直感的な操作でロボットを動かす指示書を作れるようになるらしい。

さっそくお試し版でロボットを作ってみたら
これも本当に簡単だった!
今度こそDXができる!
自動化ができる!

大量のExcelの処理もできるし、ロボットは夜中にだって働かせられるし
インターネットサイトで毎日している処理を自動化させることだってできた!

これこそがDX!
やっぱり相談してよかったITコンサルさん!!

便利だけど人の手でやったほうが安かった

さて、いざ購入しようと思いお見積りをお願いした。
少しディスカウントしてくれたけれど、いろいろ含めて年間100万くらいかかる。
他のRPA製品なんてもっと高かったので
もしかして良心的な価格設定なのかもしれない。

そして開発・保守・運用などすべて含めて考えるとコストは膨大で
今まで人の手でちまちまとExcel作業をしているほうが
圧倒的に安いという試算がでてしまった…。

なんでDXってこんなに高いんだろうか?
吾輩が事務員の素人だから、つかまされてるのだろうか?

お金をかけないDXのコンサルを受けてみた

そもそも吾輩は目新しい便利なツールに踊らされてるだけな気がしてきた。
もしかしてお金をかけないDXはこの世に存在するんじゃないだろうか?
本とか読んだら分かるのかな。
知人に相談したら、相談料5000円でお金をかけないDXの仕方を
教えてくれる業務改善コンサルさんを紹介してもらった。

や、安い!今までがなんだったのか!

お金をかけないDXは
まず「業務整理」をしようだった

「業務整理」とは
業務の順番を変えたりするだけで効率化されるというような話。

これは納得できる。
たしかに仕事は順番を入れ替えるだけで効率化されることが沢山ある!

その業務整理をするためには
まず「業務可視化」が大事だと教わった。

これも納得できる!
今、どんな業務があるのか一覧で分かれば整理もしやすい!

業務の可視化に半年かかる

社長命令で、各部署に業務の可視化をお願いしたが
半年たっても少ししか出てこなくって
ぜんぜんDXは進まなかった。

もしかして可視化の仕方がわからないんじゃないかとおもって
また本を読んだりコンサルさんに相談しながら
社内啓蒙活動を頑張って、やっと80件くらいの業務一覧がでてきた。

しかし実際に
業務廃止、業務の順番の変更、業務統合、業務の簡素化
をやってみようとしたが、自分の部署はまだしも
他部署は全然話が進まない。

そもそも吾輩は別の部署の業務がよくわからないので
その業務整理がよいのか悪いのかがわからなかったのだ。

ITコンサルの話を無視することにした

もはや吾輩がポンコツなのか
ITコンサルさんがポンコツなのか
またはその両方なのか
よくわからないが、そんなことはどうでもいい!

結果が出ないままもう2年も過ぎてる!!!
DX難しすぎだろ!!

ここは思い切ってITコンサルの話は無視しよう
もはや自分の信じる道、いや本来の吾輩に戻る!!

吾輩はもともと、部署内の困りごとを聞いて
それに応じてExcelで自動化ツールを作っていた
もうそのスタイルに戻ろう!!
だってその時、うまくいってたじゃん・・・!!

アンチパターンを突き進むことにした

でもそれは、やってはいけないことだと
すべてのITコンサルに、すべてのイベントに、
すべての本に書いてあった

まず業務を整理し、要件を整理し、フロー図を描き
効果が大きいものから着手せよ
そしてドキュメントをとにかく残せ
RPAにしろVBAにしろBIにしろなんだっていいいけど
ドキュメントに要件や仕様や設計を残せと書いてあった

でも吾輩はやらなかった。めんどくさいから。
これは絶対にダメだと教わってきた。
「シャドウIT」といって、その開発者が辞めたりすると
誰もわからなくなり、たとえ外部の人を呼び込んでどうにかしようとすると
余計にお金がかかって会社の負の遺産となると。

それはわかる。
何事も業務の属人化はいいことなんてない。

でも、そのドキュメントを用意するのがつらい。

それにもうお金がない。
この2年、ド素人が右往左往して
吾輩は何の業務改革もできていないのだ。
社長が怒らないにしても、
お金をドブに捨ててるみたいで、吾輩は気分が悪い。

とにかく「結果」が出したい。

適当に話を聞いて適当に作るサイクルに変えた

業務整理も要件整理もフロー図の作成も
面倒くさいので
適当に話を聞いて適当に作って適当にリリースすることにしたが
これが意外とうまくいく!

今まで半年かかっても話が進まないものが
たったの半日~2日で機能リリースできるようになった。

適当に話を聞いて適当に作るコツ

①社内チャットの会話を一通り見る。
たとえ自分に関係ない話題でも社内の会話に目を通して
潜在的な課題や要件をキャッチアップしておく

②ユーザー部門が毎日、週次、月次などでやってることを見つけて
勝手にサンプルツールを開発し、提案して
要件を聞き直して、修正しアウトプットイメージをすり合わせてリリース

これだけで仕事が爆速で進むようになった。

一番のDXはGoogle Work Spaceにしたこと

吾輩が四苦八苦しているあいだに
IT部門が社内の主要ツールをMicrosoftoffice365から
GoogleWorkSpaceにし、

ExcelからGoogleスプレッドシートにしたら
機能はほぼ同じなのに、もっと爆速で仕事が終わるようになった。

加えてGoogleスプレッドシートで扱える
GoogleAppScript(GAS)はVBAと似ていたので
すぐに習得して書けたし
Excel時代に培った知識でExcelよりも便利なツールを量産できるようになった!

吾輩のアンチパターンDXの完成

今まで話してきたコンサルさんはやたら高い相談料だったり
やたら高いツールを進めてきたりした
とても安い料金で相談にのってくれるコンサルさんもいたけど
言う通りにしてたら、ぜんぜんDXが進まない
だから吾輩は我が道を行くことにした!

コンサルさんが悪いのではなく
吾輩が悪いのかもしれない
たしかに属人化はよくない

だから、ツールが出来上がったらドキュメントを書こうと思う
でも、どうせなら、吾輩が体験した失敗や
吾輩が作ったコードや設計をみなさんにもシェアしようと思う。

次回からコード公開していきます!
よろしくお願いします!

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