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考察『嫌われる勇気』・課題の分離と境界線を引くこと

『嫌われる勇気』は言わずと知れたベストセラーで大体どの本屋でも売っている

しかし、これが非常に難しい
2回ぐらい読んだが意味がわからなかった
要約サイトや要約動画を見たけれど
やはり腑に落ちなかった。

アドラー嫌い…とすら思った。

課題の分離とは境界線のこと

最近の人権教育の様子を見てると
「境界線」(バウンダリー)が盛んな様子である。
未成年者のグルーミングを含む
性的虐待を防ぐための教育であるのではないかと推測する。

身体的境界線

まず、自分の体は自分のものである
との認識を持つ必要がある
何を言ってんだ当たり前だろと
思う方がいるかもしれないが

身体的、精神的虐待を受けてる人は
自分の意思に反して、体を触られたり
自分の意思に反して、体を使役させられたりする
そのようなことを繰り返せば
この肉体は自分のものであると言う感覚が失われていく

肉体的な虐待を受けたことがある人は
そんなに数は多くないかもしれない

では、子供のころに
くすぐられた経験はないだろうか
親や友達にくすぐられて
やめてよ!と言った経験は

あるいは、ハグ、頭を撫でられること
あるいは、手を握られる、肩を叩かれる
プライベートゾーンに触れられる

許可したわけでないのに触られたりした経験はないだろうか

吾輩はある。
初めて会った同性に手を握られた
謎である。
その人は異性愛者だと思われる人で
同性愛的にそうだったわけではないけれど

シンプルに嫌だなと思った。
人間的に嫌いなわけでもないけれど
やっぱり恋人でもない人に
手を握られるのは嫌だと思う。

吾輩の肉体は吾輩のものであり、
その人が勝手に触っていいものではない

物質的境界線

人のものは勝手にとってはいけません
当たり前だ。窃盗である。

借りるのはどうだろうか
借りるなら許可が必要だ

吾輩は小学一年生の時まで
「貸して」という言葉を知らない
ヤバい子供だったので
人のものを勝手に使用してたことがある

許可を得ずに借りるのはヤバいことだ

精神的境界線

アドラーの言う課題の分離とは
精神的境界線のことを言ってるのだと解釈した

「自分の機嫌は自分で取れ」
よく言われるセリフだけれど
これこそが課題の分離である

例えば職場の人が
いつもと違って不機嫌そうだったとしよう
もしかすると自分のせいかもしれないし
そうでないのかもしれない

いやいや
そんなことより
自分が不機嫌を撒き散らしてることもある
ここの自覚もすごく大事

お前の態度は良くない、感じ良い態度にしろ
と注意してきた人が
めちゃくちゃ態度悪く吾輩に接してきたことがある
吾輩の挨拶をフル無視してくるような人に
お前の態度はよろしくないなどと言われる筋合いはないのである

面白すぎるブーメランだ
同じく、人間は気づかぬうちに
特大ブーメランをぶん回して生きてる

吾輩も不機嫌を撒き散らして生きてるだろうし
他人も不機嫌を撒き散らして生きている

自分が不機嫌だとして
他人にそのケアを無言で求めるのは暴力だし
明確に要求したとしても、
相手のせいで自分は不機嫌なのだと
表明するのはモラハラ以外の何者でもない

アサーティブに
何が悲しかったか嫌だったのか
どうしてほしいのか言語化して
冷静に話せているだろうか

相手にも自分にも
明確に精神的な境界線があり
その課題は誰のものかを意識しなければならない

アドバイスしてほしいと頼んだか?

例えばあなたが転職しようか悩んでたとしよう
その課題はあなたのものだ
他の誰かのものではない
どのような答えを出そうとも良いはすだ

だけれども、その仕事は絶対にやめろ
お前には無理だという輩がいる
もちろんその転職先が有名な詐欺集団とか
犯罪のニオイがすごいなら
止めるのはいいと思うのだけれど

2億%くらいヤバそうでなければ
転職しようと転職しまいと
その課題はあなたのもののはず

課題を踏み越えてくる人とは
その時の会話の冒頭を思い出してほしい

あなたはその人に
転職の相談に乗ってほしい
と明確に伝えましたか?

そうでないのに
あれやこれやとアドバイスどころか
完全に否定してくるのなら
少し立ち止まったほうがいい

相談相手が家族で生計を共にする人ならば
その課題はあなたのものだけでなく
家族の課題となる
だから一緒に悩み議論することがあるかもしれない

でも、転職しようかなと話した相手が
友人や職場の相手なら
その課題はあなたのものである

自己の課題と他者の課題を分けて考えること
それが「嫌われる勇気」とも言える

アドバイスを聞かなかったりすれば
怒る人は多い
嫌われるかもしれない

でも、この課題は自分だけのものだな
と思うならば
相手に踏み込ませてはならない

仕事は共通の課題

著者の岸見さんが
「嫌われる勇気」では誤解があったかもしれないと他の著書でよく言っている

仕事においては自分の課題、他者の課題と切り離すことができることはあまり少なく
チームやプロジェクトを複数人でやっている以上は、ほとんどの場合「共通の課題」となる

共通の課題であるとなるとそれはそれで厄介…

だが、そのプロジェクトの目的を共有しつつ
タスクに分解して
そのタスクの主担に自分がなるなら
やはりその課題は自分のもので
他者のものではない

タスクは他タスクと地続きなので
自分で完結するものでもなく…
と思う人もいるかもしれない

それでも、自分の課題と
それに関わるステークホルダーとの交渉も
自分自身の課題
そしてチームの共通課題として取り組む

課題の分離=境界線は誰もが等しく持ってる権利

我々一人一人が
肉体的に、物質的に
精神的に境界線を持っている

自分の肉体は自分のもの
他人に勝手に触らせていいものでない

自分が所有してる物質は
許可なく他人が使っていいものでない

自分の課題は自分のもので
他人に解決させていいものでもないし
他人が自分の課題をとっていいものでもない

境界線をどこに置くかの権利

自分の肉体を誰に触らせるか
その許可を出す権利は自分にある

病院にかかって医師に触らせるのは
自分の意思で許可を出してる

恋人に触らせるのも
自分の意思で許可を出す
性的同意は法律化されている

そして、精神的な境界線を
どこに引くかの権利も自分自身にある

誰を友達と思うか、
友達と認識されるか

どこに進学するのか
どこに就職するのか
どこに転職するのか
結婚するのかしないのか
子供を持つのか持たないのか
誰と生きていくのか
一人で生きていくのか

何もかも、私たちには
自分のことを自分で決める権利があり
相手からの愛情を受け取るか
受け取らないのかも自分に権利がある

その量の調節すら自分に権利がある

これは基本的な人権だ

愛という名の元に
様々な暴力がこの世にある
自分自身もその暴力の源かもしれない
それに目を背けるな

嫌われる勇気を持て
自分を守るために、
他人を傷つけないために

参考書籍一覧

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え

夫婦・カップルのためのアサーション: 自分もパートナーも大切にする自己表現

人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方


叱らない、ほめない、命じない。 あたらしいリーダー論

ほめるのをやめよう リーダーシップの誤解

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