読書メモ 「予想通りに不合理」
行動経済学といえばこの本。行動経済学といえばダン・アリエリー。
行動経済学とは、人の意思決定プロセスに潜在するクセを明らかにして、現実に起こる経済の動きを説明するもの。
きちんと実証的な研究に落とし込んで、エビデンスを得ているところが、その辺の心理学とは立場を胃にしている。
意思決定のバイアス
相対性
人が何かを選択するとき、その対象となるモノの情報だけで判断せず、何らかの比較対象と比べて、その相対的な価値によって選ぶ。
アンカリング
人は何かを判断する際に、アンカー(碇となる情報)を挿入されると、その判断はアンカーに強く影響されるという話。
無料の不合理
もし、元の価格が500円のお菓子を100円で買えるとすれば、400円の得をすることになる。
しかし、その隣で100円のお菓子が無料で配られていて、どちらか片方しか選べないとしたら、100円支払って400円得をするよりも、100円しか得をしない無料のお菓子を選んでしまう。
社会的インセンティブと金銭的インセンティブ
社会的インセンティブ → 喜ばれる。感謝される。尊敬される。
金銭的インセンティブ → お金。
善意でやっていた清掃活動に報酬が支払われるようになると、とたんに満足度が下がる。お金をもらった瞬間、その行動は労働になる。
お金が関わらない方が、人は熱心になる。
プレゼントの値段は知らない方が満足度は高い。
お金をもらう(金銭的)より、表彰される(社会的)方が、集団への忠誠心は高まる。
「手伝って!」→「いいよ」
「500円で手伝って!」→「イヤです」
性的興奮の影響
性的興奮状態にある時、正常な判断はできない。
そもそも、ある感情の状態の時に、別の感情状態を考えるのは難しい。
これが正しい判断か?という疑問を持ち続けることが大事。
現在バイアス
将来の事は合理的に賢く考えられても、今の楽しみを優先してしまう。
計画を立てても守れない。
期限までにレポートを出せない。(提出日になると祖母が亡くなる確率)
こういう特性があるということを自覚しておくことが大事。
決意表明しておくのも有効。
所有効果
自分が持っているモノは特別に感じてしまう。
持っている物に惚れ込む。
手に入るかもしれないモノより、所有しているモノを失う可能性に注目する。
他の人も同じ気持ちだと考えてしまう。
苦労して手に入れたモノほど特別に感じる。
仮想の所有者意識というものもある。お試し、不動産広告など。
思い込みの力
高級なモノほど、美味しく感じてしまう。
知るのが先か、後か。
予測の効果。「○○にちがいない」と心が求めている方に向かう。
プラセボ薬(偽薬)は値段が高いほど効く。
信用について
信用とは、水や空気のようなリソースである。それが多いほど、ビジネスや社会活動がスムーズに進められる。
短期的には、裏切ることで信用を一気に消費し、利益を得ることもできる。
現金には信用が備わっている。
人は誤魔化すし、不正直なものである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?