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「土偶の正体ついに解明」の報道について、とアンパンマンとの共通点

2021年4月、衝撃的なニュースが流れました。

日本考古学史上最大の謎「土偶の正体」がついに解明「土偶は女性モチーフ」の認識が覆った!

前編

後編

古墳や土偶を愛する一ファンとしてはたまらないニュースであり、著者は竹倉史人氏、新進気鋭の人類学者です。

土偶(どぐう)とは 縄文時代に作られた素焼きの人形。1万年以上前から作られ2000年前に姿を消した。現在までに2万点発見されている。

結局この記事で竹倉史人氏がおっしゃっているのは、
土偶は「女性や妊婦をかたどったもの」が定説だが、正しくは「縄文人が食した植物をかたどり植物の霊の祀りに用いたもの」とのことです。

読んでみての感想ですが、
「大いに賛成!これ正解であってほしい!」と思いました。

今までに発掘された土偶は2万点あり種類も無数にあるわけで、もちろん中には女性や妊婦がモデルの場合もあるでしょうが、日本列島の土の中にはまだ見ぬ土偶もたくさん隠されているわけで。
例えばハートや合掌やみみずくや遮光器は?となった時、女性や妊婦だけで片付けるのは正直無理です。(ロマンあふれる宇宙人説も大好きですが)

以前noteに自然崇拝とアニミズムについて書いたことがあり、「アンパンマンはパンや菌や丼に精霊が宿ったアニミズムの世界」とまとめたのですが、縄文時代の土偶にも通じるものを感じました。

今から1万年以上前の日本列島。
当時の縄文人は自然を崇拝し、クルミやクリやヒエなど食用植物も大切にし、やがてそれらには精霊が宿ると考え、定期的に祀ろうという話になりました。
そこで長老は、集落で一番手先が器用で想像力あふれる青年に命じます。

「植物ノ精霊ヲ形ニシテクレナイカ」

青年は一生懸命考えました。
といっても現代のようにペンも紙もなく、それに精霊がどんな姿かは誰も知りません。

青年は目をつむり想像します。



彼の頭の中で植物が動き始めました。
それぞれに個性的な目や鼻や口が現れ、体が生え手足が伸び、やがて様々な服をまとい会話し始めます。
性格も異なり、心優しい正義の味方もいれば、怒りっぽいけど涙もろい熱血漢や、ナルシストな紳士や、いじわるだけど仲間思いの悪役まで。
青年は粘土をこね、木の棒や石を器用に使い、頭の中の精霊を形にしていきました。



「・・・デキタ」

土偶」の誕生です。

長老を始め集落の人たちは青年を褒めたたえました。
土偶は祭祀に使うもの、最後は壊される運命にあります。
それでも青年は次々に土偶を生み出し、その数2000種類以上。
集落のみんなからも認められる存在になりました。
子宝にも恵まれ彼の一族は繁栄し、やがて時は流れ20世紀となった1919年その子孫に男の子が誕生しました。

彼の名は「やなせたかし」。
彼はやがて漫画家を志し、50歳の時アンパンマンを描きました。
植物を擬人化して土偶を生み出した青年の末裔は、1万年以上の時を経て、小麦でできたパンを擬人化してアンパンマンの世界を生み出したのです。

・・・てな感じで土偶が生まれたのか!と(※全て勝手な想像です)竹倉史人氏の説を読み一人勝手に盛り上がったのでした。

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逆にもし1万年後の人類がアンパンマンや食パンマンのぬいぐるみを発見して「これは人をかたどったもの」って言っていたなら教えてあげたい。
「それは日本人が食べたパンにやなせ先生が命を吹き込んだものです」と。


ちなみにこちらの新説についてネット上では賛否両論入り乱れてました。
あえてマイナスな面も言っておくと、

①「土偶の正体がついに解明」はちょっと盛りすぎ苦笑。
あくまでまだ一説に過ぎません。これは著者がどうこうじゃなく多分メディア側の問題。

②この報道が流れた日、竹倉史人氏の本が販売されました。
心の中で「結局本の宣伝かい!」と突っ込んでしまいました。
興味ある方、ぜひ見てみてください。⬇
僕も読んでみようと思います笑。


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