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【映画】善き人のためのソナタ《素晴らしい余韻》


前々から観たいと思っていた映画。
なかなかAmazonプライム等に配信が来なかったので、ついにネットでレンタルして観ました。

第79回アカデミー映画賞をとっただけあり、素晴らしい映画でした。

1984年の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)の局員ヴィースラー大尉は国家に忠誠を誓っていた。ある日彼は、反体制の疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視するよう命じられる。さっそくドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。しかし、聴こえてくる彼らの世界にヴィースラーは次第に共鳴していく。そして、ドライマンが弾いたピアノソナタを耳にした時、ヴィースラーの心は激しく揺さぶられる。

Filmarks当該映画紹介サイトより引用

静かにざわめく物語


淡々と、盗聴するヴィースラー大尉とドライマン、クリスタの生活が描かれます。

東ドイツの理不尽に翻弄されるドライマンらの生活を垣間見て、徐々に観察対象に感情移入してしまうヴィースラー。

終盤、均衡が大きく崩れ、ドライマンらが危機に瀕するあたりから、不穏な空気が観る者の胸をかき乱す。

おそらく、その感情は、観客と同じく、ずっとドライマンらを見てきたヴィースラーと同じものとなるでしょう。

哀愁と感謝の感情入り混じる素晴らしい余韻

ラストのドライマンの行動は、非常に大きく観る者の感情を揺り動かします。

それは、
誰にも感謝されず、評価されずに、
自分の人生を犠牲に
あることを成し遂げた孤独な男が、
初めてささやかながらも報われた瞬間だった。

ラストのセリフの余韻がずしりと心に響き、しばらくこの映画のことに思いを馳せずにいられない。

最後に本屋で出てくる、ある物(ドライマンからのメッセージ)、この映画自体のメッセージ、どちらをとっても、まさに「善き人のためのソナタ」でした。

色んな人に見てほしい

戦時中が舞台の映画でありながら、残虐表現等も少なく、スパイ映画でありながら、中心となるのは会話劇を中心とした心情の揺れ動き。

見終われば、じんわりと心が暖かくなる、素晴らしい映画でした。

こういう映画をもっと観たい

少しでも興味があれば、ぜひ、あらゆる人に観てもらいたい映画です。

(トップ画像はFilmarksの当該映画紹介サイトより引用)

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