【映画】善き人のためのソナタ《素晴らしい余韻》
前々から観たいと思っていた映画。
なかなかAmazonプライム等に配信が来なかったので、ついにネットでレンタルして観ました。
第79回アカデミー映画賞をとっただけあり、素晴らしい映画でした。
静かにざわめく物語
淡々と、盗聴するヴィースラー大尉とドライマン、クリスタの生活が描かれます。
東ドイツの理不尽に翻弄されるドライマンらの生活を垣間見て、徐々に観察対象に感情移入してしまうヴィースラー。
終盤、均衡が大きく崩れ、ドライマンらが危機に瀕するあたりから、不穏な空気が観る者の胸をかき乱す。
おそらく、その感情は、観客と同じく、ずっとドライマンらを見てきたヴィースラーと同じものとなるでしょう。
哀愁と感謝の感情入り混じる素晴らしい余韻
ラストのドライマンの行動は、非常に大きく観る者の感情を揺り動かします。
それは、
誰にも感謝されず、評価されずに、
自分の人生を犠牲に
あることを成し遂げた孤独な男が、
初めてささやかながらも報われた瞬間だった。
ラストのセリフの余韻がずしりと心に響き、しばらくこの映画のことに思いを馳せずにいられない。
最後に本屋で出てくる、ある物(ドライマンからのメッセージ)、この映画自体のメッセージ、どちらをとっても、まさに「善き人のためのソナタ」でした。
色んな人に見てほしい
戦時中が舞台の映画でありながら、残虐表現等も少なく、スパイ映画でありながら、中心となるのは会話劇を中心とした心情の揺れ動き。
見終われば、じんわりと心が暖かくなる、素晴らしい映画でした。
こういう映画をもっと観たい。
少しでも興味があれば、ぜひ、あらゆる人に観てもらいたい映画です。
(トップ画像はFilmarksの当該映画紹介サイトより引用)
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