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【映画】ガーディアンズオブギャラクシー volume3《価値とは》

2014年に初めて公開された「ガーディアンズオブギャラクシー」シリーズの3作目にして完結編。

ヒーロー単体作品としてはもともとガーディアンズオブギャラクシーが一番好きでした。
きっとそういう人は多いのではないでしょうか。
劇場でもそう言ってる人を見かけた。

そんなシリーズの3部作完結編。
楽しみに観に行きました。

一言で言って、凄まじく素晴らしい映画でした。

アベンジャーズの一員として世界を救った《ガーディアンズ》の、最後にして最大のお祭り騒ぎ!サノスとの戦いで最愛の恋人を失ったショックから立ち直れないピーターが率いるガーディアンズに、銀河を完璧な世界に作り変えようとする最凶の敵が現れ、ロケットは命を失う危機に...。大切な仲間の命を救うカギは、ロケットの過去に隠されていた。全銀河の運命とチームの存続を懸けた、最強の落ちこぼれチームvs最凶の完璧主義者の感動のラスト・バトルが今、始まる──。

marvel公式サイトより引用

ロケットの物語

1が、ガーディアンズオブギャラクシー結成の話。
メンバー紹介も兼ねて、特定の主人公を語るというよりは満遍なく語られた群像劇でした。

2が、シリーズ全体の主人公、クイルを語った話。
2でクイルの話は一つの決着をみていました。

そこで、今回の3で描かれたのが、アライグマ、ロケットの話でした。

このロケットの話が非常にドラマチックで、彼の背負っているものの重さを知ってからは、彼の想いや行動を見ているだけでいちいち目頭が熱くなりました。
終盤は涙腺が緩んで、エンドロール観ながらロケット含めたガーディアンズのみんなの関係性について思いを馳せて思い出し泣きしてたレベル。

多彩な感動と常に存在するユーモア

今作でまず言及したいのが、喚起される感動の種類があまりにも多彩である点。
どんなシリアスなシーンにもユーモアが混ぜ込まれているし、逆にどんなにユーモラスなシーンにも下地にしっかり各キャラクターの人間性を感じさせられて、深みがある。

観終わるまでには、ハラハラしたり、笑ったり、泣いたり、怒ったりなど、多彩な感動に良い意味で忙しく、退屈を感じる暇が一切ない。これこそ、人を楽しませる、という点において、エンターテインメントの究極だと感じました。

訴えかけてくるもの(以下ネタバレあり)

優しさに泣く

作中でマンティスからネビュラに発せられた一連のセリフ。仲間内のいつもの口喧嘩みたいな比較的些細なシーンなのですが、さらっとそこに今作のテーマが盛り込まれていて、印象的でした。
と同時に、いくつか涙が出たシーンのうちの一つでした。

「能力の高さや頭の良さが人の価値を決めるわけではない。彼はバカだけど、愛を教えてくれるし、あなたみたいに人の欠点ばかりあげつらったりしない。」

という趣旨の発言。(うろ覚えなので細部は異なると思います。)

敵であるハイエボリューショナリーが知能の高い完璧な生物の誕生のみを追求し続けていたのに対し、

必ずしも能力を人の価値と関連づけないマンティスの考え方。

この対比は、ガーディアンズの面々のスタンスを浮き彫りにしていたのではないでしょうか。絆、愛情、友情で団結していた彼らの在り方をこのシーンが強く意識させてくれました。

人には、能力とは関係のない、絶対的な価値がある。そういう考え方は、優しくて好きです。

価値なんて、あると言ったところにある相対的なものなんだから、できるだけ自他共に幸せが増えるように捉えるべきだと思うんですよね。
マンティスの発言の裏に、そんな優しさを感じ取って、私は感動していました。
近頃は悲しさよりも、優しさに泣いてしまいますね。

ありのまま

このマンティスの考え方をさらに進めて、ついに対峙した因縁の2人であるロケットとハイエボリューショナリーの決着のシーンの以下の会話が、この映画のテーマの核心と言えるでしょう。

「私は完璧を作ろうとしていたのに…」

「ちがう、お前はありのままを認めようとしなかっただけだ」

この映画には、いくつもの、ありのままを認めようとしない人達が描かれていました。

たとえば、上に挙げたシーンの、ドラックスのバカを許容できないネビュラ。

あるいは、かつてのガモーラのように、自分を愛することを今のガモーラに求め続けるクイル。

そして、ありのままの生物の形を認めようとせず、生命への改変を行い続けたハイエボリューショナリー。

いずれも、その姿勢は「独りよがり」であり、軋轢を生んでいました。

結局、自分にも、他者を含む自分を取り巻く世界に対しても、ありのままであることを認めたうえで、未来に向けて歩みを進めることしか、人にはできないんだと思います。

去っていく者や失われるものもあるけれど、悲しいこともあるけれど、そんな経験や培われた絆が、みんなの中に残る、そうやって、みんながそれぞれ幸せを目指していく、そんな人々の姿をこの映画は見せてくれました。

優しさと愛と楽しさに溢れた映画(ネタバレなしまとめ)

今作も、これまでと同じく、群像劇で、全てのキャラクターにしっかりと見せ場がありました。

登場人物みんなが好きでたまらなくなる、愛に溢れた映画。

アメリカのあらゆる年代のノリのいい音楽も、ユーモアと切なさを通底させる物語に抜群にマッチしています。

ぜひ、一作目から、アヴェンジャーズ インフィニティウォーおよび同エンドゲームも含めて、この作品まで続けて観てほしい。きっと他に類を見ない感動を体験できることでしょう。

(トップ画像はmarvel公式サイトより引用)

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