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ワサビを背負って三千里

先週は友達の結婚式と披露宴に出た。

煌びやかな教会。シャンデリアがある披露宴。

僕にはどれも眩い。おめでとう。

その後、お寿司を食べた。

お寿司はシンプルな料理だけど、
バリエーションに富みすぎている。

中トロさん、イカさん、タコさん、カツオさん、
甘エビさん、サーモンさん、鯖さん、玉子さん、イクラさん。

例えば、イカさんはいつも通り艶やかな表情で凛としていた。
久しぶりに食べてみると、ワサビが思っていたより、辛く感じた。

ちょっと意外。そんなワサビをネタで隠さなくとも。

甘エビさんはいつも優しい。

子供も大人もみんな好き。クセもなくて、何個でも食べれる。
僕が強めのワサビでツーンとしているときは、
どうぞ私を食べて落ち着きなさいと慰めてくれる。
この日に限っては、君はいつも甘いのに、大量のワサビが入っていた。

玉子さんには裏表がない。

裏表がなさすぎて、本当に食べても何の辛味がなくて、羨ましい。

シャリの背中には何にも背負ってないような。本心は分からないけど。

僕たちのグループの2次会はファミレスだった。

可愛いイクラちゃんも参加出来るように。

一杯、お寿司を食べて、僕も食べられたんだけど、
みんな年を取るにつれ、ワサビが強くなっている気がする。

けど、みんな勝者みたいな綺麗なタレで光ったお寿司で羨ましいけど。

本日の主役、脂の乗った大トロが合流した。

「俺、奥さんのお父さんに未だ認められてないかもしれん。」

いきなり新鮮なワサビの辛味が口に広がる。フレッシュ。

知らなかった。みんな、ワサビを背負って生きているだなんて。

けど、平然とヒリヒリするワサビをネタで隠して生きている。

ツーンと涙を流しながら安心した。

僕はワサビを背負っていないお寿司は食べれない。

とまでは言わないが、背負うことは悪いことじゃない。

美味しくなるんだから。

僕の内心の声に耳を傾けていると・・・

君たちは僕のワサビにしか出会っていない。

ハバネロと四川料理の唐辛子とか色々のし掛かってんのよ。

重いよ。痛いよ。背負いたくないよ。

我儘に泣き叫ぶ、日本産の数の子がいた。上手いこと未だ隠している。

シャリに香辛料を塗りたくっていると思い込んでいる数の子からすると

もし君の背中が爛れるぐらいの

香辛料がのし掛かっているのであれば

一旦、シャリ洗って、逃げ出しましょう。

と思ってしまう。

ワサビ背負って三千里。

ネタは個性。良きも悪いもない。みんな嫌いでみんな好き。

たまには、洗って、握り直されるぐらいの方がいいかもよ。

最後はどーせ腐ってくんだ。数の子から全寿司に告ぐ。


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