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アルジャーノン

あるアーティストの告知が目に入った。

ライブを東京で開催するそうだ。

ヨルシカだ。不思議なアーティスト。

曲調も変幻自在。声も七変化。

毎曲、別アーティストかな?と思うほど。

今日聴いた曲は、アルジャーノン。

数え切れないほど、聴いた曲だ。

ああ、優しい。柔らかで、時に力強く前に進む。

ああ、悲しい。変わっていく先には、何が待つ。

涙が瞳に滲んでいって、そして零れた。

人はゆっくりと変わっていく。

僕は思う。

変わっていくことは

希望と絶望が二重螺旋状に織り込まれながら

生きること。だと。

アルジャーノンの花束の主人公。

知的障害を持つものの

純朴で人に愛される心が綺麗なチャーリー。

とある手術を受けて、IQが急激に上がる。

その後、知ることの無かった事が見えてしまう。
抱くことの無かった悩みに苦しむ。

チャーリーは突然にして織り込まれてしまい
この二重螺旋状の中で生きていたのだ。

新たな希望と絶望の間に挟まれて。

大学1年の時に読んだようだ。

感想と考えをノートにまとめていた。

プライドを捨てよ。もっと寛容に生きよう。

書き記されていた。

ライフハック。新たな希望を見たようだ。

手術前のチャーリーと高校の自分を重ねた。
大学生活を心の底から楽しめてないようだ。

昔は、天然な性格を、馬鹿にされてきた。
が、大学生の時より、人との距離が近かった。

大学生の僕は勉強や課外活動も上手にこなし
馬鹿にされるような事は無くなった。

だが、プライドが醸成されたのだろう。

馬鹿にされそうな流れになると
妙に苛立ったり、寛容性が無くなった。

周りの人は、近寄り難かったようだ。

直面したことのない状況に陥った。

この微妙な精神と周りの変化に戸惑っていた。

そして、新たな希望を見たようだ。

このノートを書いた僕は高校の僕を肯定し、
大学の自分を否定しているようだった。

今の僕なら少し違う視点で書くかもしれない。

ゆっくり変わってきたのだろう。

大学の自分も肯定しようとすると思う。

希望も絶望も肯定するのだ。

人間関係について深く考える
きっかけをくれたのだから。

痛みを知った人間は
他の人の痛みに寄り添えるはず。

だから、痛みは無駄じゃない。
必ず誰かの為にあるのだから。

過去は痛みを忘れようとしていた。

今は痛みを抱えていたいと思っている。


最近、昔一緒に働いた後輩が精神疾患で
休職したことを上司経由で知った。

負担になるかもしれない。だが、連絡した。

抱える痛みで自身を否定してほしくなくて。
どんな時間も無駄じゃない。と言いたくて。

返事は来なかった。

そういえば、上司は言っていた。

「皆、君みたいにタフじゃないんだよ。」

思わず、笑い流してしまった。



最近、幼い頃の自分に戻っている気がする。

ただ、それで良いと思っている。

久しぶりに出会えた自分だから。

過去の僕が、こうやって書く事はない。

感情的に。何の解決にもならない。

お金にもならない。時間の無駄だ。

向上心と努力には自信があった。

「お前には考えるべきことがあるだろう。」

「やめて、今日は考える気分じゃないの。」

幼い頃の自分のままだろうか。

また過去の自分に戻るだろうか。

それとも混ざり合うだろうか。

僕はこれからも変わるだろう。



貴方はゆっくりと走っていく

長い迷路の先も恐れないままで

確かに迷いながら

新たな希望と絶望に挟まれて


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