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せっかく入社してくれた新入社員、気が付いたらゾンビ社員になっていた? ~この時期だからこそ気を付けるべきたった1つのポイントとは~

新社会人が入社して早1か月が経ちました。
上司の方々は少しずつ部下のことが、部下は上司や会社の雰囲気や方針が分かり始めてきたころではないでしょうか。

私も学生と社会人とのギャップは色々あったので苦労しましたが、1番大変だったことがあります。

それは教育制度・教育方法です。
大学生までは、分からないことがあれば、教員に質問をして、分かるようになるまで解説してくれました。何度同じ質問をしても大丈夫です。
ただ、社会人では、分からない点は極力1回で理解することを求められ、分かるようになるまで待ってもらえず、どんどん求められる量が増えていきます。その理由はOJTが教育方法の主流だからです。
「俺の仕事を観ろ、分からなかったら都度聞け(ただし忙しい時はやめて欲しいし、1回だけな)」というスタイルですね。

OJTの良い点は現場で仕事を覚えていけるので、専門的なスキルも同時に身に付けられます。その道のスペシャリストになれるわけです。

しかし、デメリットもあります。
教えられる側は先ほど述べましたが、教える側にとっても、これまで抱えていた仕事をこなしながら、追加で教育する時間も捻出する必要があるので、業務が集中している人ほど部下のために時間を作れませんし、その人の教育スキルが無ければ部下の成長スピードは落ちてしまいますし、最悪部下を育てられなかったという理由で上から更に怒られてしまいます。
教えているのに、部下の能力が向上しなかったらイライラしてしまいますよね。

更に追い打ちをかけてしまいますが、新入社員のZ世代の若者達は、好景気を経験してこなかったので向上心が低い上に、自分の価値観を大切に生きてきたため、これまで以上に自分の考えを当てはめようとしてきます。
また、向上心はないものの、求めてくるレベルは非常に高い特徴を持ちます。

ソニー生命のインターネットリサーチや産業能率大学総合研究所の調査結果、電通の調査レポートからも、求めていることのハードルの高さが伺えます。
例えば、ソニー生命のリサーチ結果では、一緒に働きたいと思う、好きな先輩・上司の特徴TOP3として、「教え方がうまい」「指示が的確」「思いやりがある」とあります。
産業能率大学総合研究所の調査結果では、理想の上司の1位(男性)がロサンゼルス・ドジャースの大谷選手、(女性は)水卜アナウンサーであり、常に行動で示し、気配りができる優しい人が求められています。
電通の調査レポートでは、手取り足取り教えて欲しい人が多くいることも分かりました。

ここまでをまとめますと、
教育係の人達にとって新社会人は、向上心が低く非常に保守的ながら、求めてくるレベルは高く、行動で示しつつも気配りをしなければならないということです。
イライラしてしまう気持ちも分からなくないです。

また、別の記事でまとめたことがありますが、日本にはプレイングマネジャーが部下の教育係になることもあるので、常に時間に追われているため、そもそも求められていることに対して、応えてあげることが非常に難しいという問題もあります。

ただ、ここで気を付けなければいけないたった1つのポイントは、部下の良かった点を【褒めてあげる】ことです。どんな些細なことでも構いません。
「ありがとう」「いてくれて助かったよ」「実行してくれたことが嬉しいよ」などです。ポジティブな言葉になるよう気を付けましょう。

絶対にやっていけないことは【常に粗探しをしたり、貶すこと】です。
上司の方々からしたら、求めてくることは一丁前に凄いのに、やってきてくれた仕事の内容はとにかく粗く見えることでしょう。
非常にイライラすると思います。ダメなところだけを伝えたくなる気持ちも分かります。
ただ、そこはぐっと我慢をして良いところ、良い点を探して伝えてあげてください。
部下も、自分が必要とされていて、正しいことと、間違っていることが分かれば自分で改善してくれます。
考え始めるまでが遅いだけで、自分でやろうと思ったことは徹底的にやってくれるのです。
その背中を押してあげるのが、今求められていることなのです。

しかし、粗探しをしたし、貶し続けると、存在価値が分からなくなり、「自分は頑張っても意味がない。なら頑張らなくていいんじゃないか」という思考回路に陥り、ゾンビ化します。

一度ゾンビになった社員はよっぽどのことがない限り人間に戻らず、ゾンビのままです。
会社に悪影響だけを与え続ける、厄介な存在になります。
自分から頑張ろうという気持ちが折れてしまっていますからね。

なぜそこまでおんぶにだっこをしてあげなければいけないのかと思う方もいらっしゃるかと思います。
ただ、今の時代、部下のモチベーションを保ち続けられるかが鍵となっています。

部下をゾンビにするか、向上心のある人間にするかは、上司陣の手に委ねられているのです。
どっちの方が5年後、10年後、教育する者として楽になるか、一度考え直してみてください。

存在価値を与えるだけで意外と頑張ってくれますよ。

◆参考

・キャリブロ やる気のないゾンビ社員とは?特徴や与える影響を知って対処しよう!

・ソニー生命 ニュースリリース(2024年度) 社会人1年目と2年目の意識調査2024

・上毛新聞 【第32回】『2024年度新入社員の理想の上司』を発表 学校法人産業能率大学

・電通 調査レポート 電通、「Z世代就活生 まるわかり調査2024」を実施


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