救えなかった命

イベントの会社を営むその社長は借金のプレッシャーに耐えられず自殺しました。
まだ50代という若さでした。
彼との出会いはコロナが始まった直後。返済が立ち行かなくなり、我々の再生プランに合意したものの、社内や家族の反対にあい断念。得体の知れない闇医者の提案など聞けない!と、最後まで理解を得ることは叶いませんでした。

その後、事業は役員に吸収され、社長は破産します。
本当に資金が無かったのでしょう。
いわゆる直葬(火葬のみ)で、献花も針金の造花。20分という呆気ない別れでした。
「死ぬことは無かったのに」「一言相談してくれれば良かったのに」周りは勝手な事ばかり言うものです。何の策も持たぬ彼らの「無責任な善意」は愚かで残酷にも思えました。
近年は経済的困窮で自殺する人が多発しています。その大半はまだ仕事ができる「働き世代」です。
死ぬくらいなら、最後に俺らに声をかけろよ…本当に困ってる奴はタダで救ってやるよ…
我々は"得体の知れない闇医者"でしょうが、そんな人間だからこそ救える命があります。
彼もまた「救えた命」でした。


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