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精神科デイケアで出会った自傷癖のある女性

※個人情報保護のため一部事実を変えています。
精神科デイケアにはいろいろな病気や障がいを持った人が集まるが、客観的にみていると、その人が抱えている問題が分かるような気がして面白い。
うつ病や適応障害の人は、良く言われていることだが、ほんとに完ぺき主義で真面目な人が多い。うつ病で退職したある女性は、プログラムをすごく真面目に取り組むし、人当たりもよくてコミュニケーションを円滑にしようといつも気を使ってくれるのだが、たまにとても疲れたような表情をしていた。掃除や皆で協力して何かをするときも積極的に手を抜かずに取り組んでいて、ずっとそんなふうに気を張っていたらそりゃつかれるよな、と思った。これは推測だけど、自分への基準が厳しいから、他人に求める基準も多分それなりに厳しくて、そのせいで人に対する不満を溜めたり、また不満を溜めても解消が出来ず病気になったり、時に衝突したりするのではないかと思った。
リスカやODなどの自傷がやめられないと言っていた年が近い女性は、デイケア内でも時たま自傷をしたり、スタッフさんに助けを求めていることがあった。どうしたら自傷を減らせるのかな、と同じく自傷癖があるわたしはそのたびに考えているのだが、多分その子は自分に自信がないのだと思う。自分に自信がないと言っても、「自分なんて…」と思っているというよりは、自分で何かを悩み行動し決定し、そのうえでできたことに対して、自分で決められて出来て達成感があり、「自分でもできるのだ」という感覚(=つまり成功体験)が乏しいのだと思う。これもまた推測になるのだけれど、おそらく過保護な環境で育ってきたから自分で決定する力や経験があまりなくて、だからいざ自分で考えて行動しなければいけない時にうまくできなかったり不安を感じたりする。で、何か悩んだ時に一人で抱え込まず相談するというのはとても大切なことなんだけど、周りの人が手取り足取りやってくれていたから、多分その経験も少ない。だから不安になったときに、適切な方法で助けを求めることができず、自傷や破滅的な行動で助けを求めようとする。一度自傷を覚えると依存性もあるし周りが反応してくることを知ってしまうし、それらの行動によって人間関係がこじれたり治療がスムーズにいかなくなったりする。結果的に自傷を辞められない……なんだかわかったような顔して書いていますが、推測部分が大きいので真偽は定かではありません。わたし自身過保護な環境で育ったので、自分のことを当てはめて考えちゃってると思いますが、わたしは彼女よりは自傷や行動が激しくないはずなので、何が違えば自傷が辞めれるのかなと考えました。
おそらく彼女の周りにはデイケア職員など支援をしてくれる人がいるはずなので、あとは彼女が成功体験をして、適切な方法で助けてほしいといえるようになれば、自傷が減るのではないかと思います。社会的な問題もあるのでそう単純ではないかもしれないですが。
その成功体験や助けを得る練習をするのがデイケアという場所なのだろうな、と改めて思いました。
とにかく、自分と似ているからその子の気持ちがなんとなく分かるような気がして、いつも気になってしまうのです。
わたしが抱えてる問題は何なんだろう、自分でも気づいていない問題点を誰かに客観的に言ってもらえたら…と思うけど、すごく傷つくかもしれないな。

最後まで読んでくれてありがとう。るえな

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