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マイルスと映画音楽の話…



先日テレビでマイケル・ジャクソンのライブシーンで微動だにしない数分間の映像をみて思い出した事がある

ジャズの帝王 マイルス・デイヴィスの野外コンサートを観た記憶だ
様々なジャズバンドが演奏をおえ、いよいよマイルスの出番となり皆固唾を飲んでステージを見つめていた
前奏のドラム、ベース、パーカッションがリズムを奏でる
大盛り上がりの観客席
が延々と本人は登場せず、前奏だけが流れていた

どのくらい待たされたのだろう、数十秒か数分だったのか
皆んながステージの真ん中に全集中する
目も耳も…
するとようやくどこからとも無くトランペットの一音が聞こえた
観客は悲鳴にも似た歓声をあげ、
私もその一音に全身に鳥肌が立った
その乾いたまっすぐな音色はマイルスにしか出せない
そしてゆっくりとステージの奥から肩の張った派手な衣装に負けないオーラの
マイルスが登場した
かっこいい、美しい…思わず隣の友達と笑顔で目を合わせた…ヤバいねと

その数年後、マイルスはこの世を去った
何度も引退復活を経て、あっという間の最後だった
新しい音楽を開拓し続け、走り続けた天才

はじめてマイルスを聞いたのは
映画『死刑台のエレベーター』だ
映画のストーリーよりBGMが耳から離れず
オシャレなフランス映画をより都会的に映してくれた

映画音楽は映画にとって大事なツールだけれど
時々、映画を超えてしまう事もある

『小さな恋のメロディ』『ステンド・バイ・ミー』『太陽がいっぱい』…etc

だが音楽を聴くと映画のワンシーンを思い起こさせてくれる
ストーリーは別として、目と耳…そこから深く記憶される画像として

晩年、アルバムにヒット曲のカバー曲を収録している
マイケル・ジャクソンのHuman Natureはジャズのスタンダードのように
オリジナルを忘れるほど素晴らしい曲に仕上がっている
最後までジャンルを超え新しい音楽に挑戦していた姿が感じられる


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