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思ったことをそのまま口にする前にちょっと待って

人間関係で思いがけずいざこざしてしまうとき、「余計な一言」「言葉選びを間違えた」なんてことが多いのではないかと思う。
そんなつもりで言ったわけじゃないが相手を傷つけてしまったり、怒らせてしまったり、その逆も然りで傷つく一言を言われた、相手の一言で怒った経験は誰しもあるのではないだろうか。

人間同士は心の距離が近くなると遠慮がなくなってつい「言わなくてもいい一言」を言いやすくなってしまう。家族、夫婦、親子、彼氏彼女、友人、職場関係 etc。

頭にパッと浮かんでも、自分では面白いかもと思うことや、素直な気持ちだったとしても相手にとっては不快にあたるかもしれない。
思ったことはそのまま口に出す前に一旦、自分が言われたらどうだろう。と考えることが人間関係を円滑にする上でとても大事である。

昔付き合っていた人が珍しくキャップを被っていた日があった。
伸びかけの毛先がはみ出ていて、いつもセットしてきちっとしているその人にしては何か気が抜いててだらしない感じが面白くて、つい思ったままを口にした。
「なんか、A◯監督でこんな感じの人いそう。笑」
ほんの冗談のつもりだったが、相手はブチギレた。
「はぁ!?ふざけんなよ!?女の子がなんてこと言うん!??」
ほんの冗談が全く通じず、その日はずっと機嫌が悪くなってしまいしばらく根に持たれた。
何が相手にとって気に触るかわからないので、「親しき中にも礼儀あり」は本当に胸に刻んでおきたい。



同じ社内に思ったことをそのまま伝える鮫島さん(仮)という人がいる。
同じ部署に物覚えが良くなくてミスが多い人がいるらしく、最初はこうやってね、ああやってね、と教えていたがだんだん注意する言葉が乱暴になってきた。
「だから、それを消しちゃうことがおかしいんだって!」
「なんでそんな勝手なことするの?◯◯さんのせいで会社の損失になるのわかってる?」
「そうやってめんどくさがってやらないのが良くないって言ってんの!仕事なんだからちゃんとやってよ、いい加減にして」
「社会人として常識なさすぎ」
「俺は上司なんだからなんで俺の言う事聞けないわけ?」
と思ったことをそのまま伝えている声が社内に轟いている。

ただ、こう言われたからといって◯◯さんの仕事のミスが減るわけではなく、むしろ鮫島さんが怒る頻度が増しているのでミスは増えていそうだ。

少し前、◯◯さんが鮫島さんに声をかけた時に、ちょっとぶっきらぼうな感じで「なに!?」と返事をされたので「ごめんなさい、怒らないで」とまだ何も言っていないのに怒っている前提になっていて「別に怒ってないから。失礼なこと言わないで!」と怒ってるテンションで話していて、この2人は大丈夫なのか…?◯◯さん、めちゃ萎縮しちゃってるじゃん…と思いつつ周りは静観していた。

すると最近では2人が顔を合わせる度に鮫島さんは怒り、◯◯さんは言い返すようになり、(心臓強い)
お互いに引かないのでどちらも冷静になれず、どうやったらミスをなくせるかという論点では話し合いが行われず、お互いに人格否定をし合っている。
いつまでもミスは改善されず業務はどんどん遅れ、部署内でうまく連携がとれずかなりギスギスしている。
残念ながら否定することは簡単だが、否定は何も生まないのだ。

鮫島さんは「俺は上司なんだから」という言葉を多用する。
この後のセリフに「ケツは拭くからやってみて」「いつでも頼ってよ」なんて言っていたらまぁ素晴らしい上司だわと思って親しみも湧くのだが、
この後のセリフは「俺のほうが上だからね?言う事聞きなよ?」なのだから自分のことを上だと思っていることだけが伝わってくる。
「常識のある社会人なら」相当恥ずかしい発言だ。

逆にこう言われることによって余計に反骨心を掻き立て、言うことを素直に聞きたくなくなるのが人間の性である。


大変だと思うが「こういう風にやったらミスを防げるかもって考えてみたから、次からこうやってみてくれる?」「やり方忘れないようにチェックシート用意したからこの順番にやろう」なんてアイデア出しをすれば◯◯さんの教育・改善もできると思うが、「ミスのないようにちゃんとやって」と指摘だけするからあまり意味がないのが現状である。
「ちゃんとやって」もらうためには、具体的に何をどういう順番でやって、この作業にはこういう意図があって、とそれこそ「ちゃんと」伝えないと伝わらない。
大人なんだからそれくらいわかるでしょは上司側の思い込みとエゴである。

こんな風に書いているが、鮫島さんに余計な一言を言わないように私自身気をつけながらここにしたためている。

相手に指摘するときやちょっと相手をいじることになるかもしれない時には、思ったことを口にする前に一度立ち止まることで人間関係が変わってくるからぜひ気にしてみてほしい。





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