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中高年のひきこもり

近所のスーパーへ買い物に行くとき、出かけて帰ってくるまでに話す言葉は、袋はいらないです、それだけだった。

仕事を失ってみてしばらくすると、家族以外の人と全く話をしなくなったことに気づいた。今はこれが気楽だが、年を取ったら寂しいかもしれないという予感がある。

定年後、誰とも話さずひきこもる高齢者が結構いるというのを何かで見たが、たしかにそうなるのも頷けると感じた。子供から老人までひきこもりは問題になっているし、根底には社会からの孤立がある。これは本当に対策しないといけないと思った。個人としても、社会としても。

中高年の孤独を調べていたら、また新たな概念に出くわした。ミッドライフ・クライシスという、40代以降で、精神的に不安定になる状態だそうだ。どんなことにでも用語があって研究されていることに驚く。知らなきゃ一生知らないような用語が世の中にはたくさんある。

中年の危機(ちゅうねんのきき)とは、中年期特有の心理的危機、また中高年が陥る鬱病不安障害のことをいう。ミッドライフ・クライシス(Midlife crisis)の訳語であり、ミドルエイジ・クライシス(Middle age crisis)とも表記される。
中年期は働き盛り、熟年とも呼ばれ、1960年代までは人生の最盛期として認識されてきた[1]。1970年代より発達心理学では、中年期を大多数の大人が経験する人生の一つの段階として研究が進められ、臨床心理学などを含めて「中年期危機」という用語が用いられるようになった。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

はあ、こんな厄介な年代に到達してしまったのか。と、感慨深い。仕事からドロップアウトしてしまったのも、これだったのかなと、ようやく手がかりを見つけたような気がした。

どうやって乗り越えようか、それとも時間はあるから、危機にどっぷり漬かってとことん悩んでみようか、何十年生きても、未知の感情に出くわして悩む。若い時の悩みも、年をとってからの悩みも、根底には社会にあんまりうまくなじめないという事実がある。

孤独については、無いものねだりしてもしかたないので、一人でいることに慣れる、一人でも機嫌よく過ごす、人生の後半は、そうやって生きられたらいい。

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