加藤節雄

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加藤節雄のデボン通信ーはじめにー

 ロンドン、エジンバラと言った英国の都会は日本人にもよく知られているが、デボンとなると、知る人はほとんどいないと言ってよいであろう。もちろん英国に住んでいる日本人には馴染みがあると思うが、日本から観光旅行でデボンへ来る人は稀である。  デボンには豊かな自然とゆったりとして生活がある。そこにはロンドンの移民社会とは異なるイギリス人の営みがり、キリスト教のモラルに基づいた助け合いの精神が息づいている。  デボンは少数の市や町を除けばほとんどが田園地帯である。そんな田舎の村に住み始

    • 003. 隣人たち

       デボンの生活が始まった。2012年8月のことである。我々はロンドンの家もそのままにしているので、家財道具は一切持ってこなかった。そのためフライパンやソースパンを始め、料理道具一式、テーブルや椅子を揃えなければならなかった。前のオーナーがAGAだけを置いて行った。重すぎて運べないのである。  AGAはスエーデン製のクッカーで、熱盤によるフライパンや鍋の料理から、オーブン料理、お湯作りまで1台で賄う優れもので、我が家のものは50年ぐらい経っているアンティークであるが、十分に使

      • 加藤節雄のデボン通信

        002.ハウス・ハンティング 私はデボンに住む条件の一つとして、ロンドンの家も残し、必要な時には帰れるようにした。何しろ50年住んだ町である。仕事がらみの人や友達、日本人コミュニティー等、一挙に切り捨てるわけにはいかない。定期的な仕事からは引退したものの、まだ友人がたくさんいるし、そんな簡単に「ハイ、サヨウナラ!」とはいかない。  しかも、田舎の生活は初めてである。そこには何が待っているのか、何をしなければならないのか、何をしてはいけなのか、友達が出来るのか、人種差別はないの

        • 001.ロンドン脱出

           デボンは英国の大ブリテン島の西南端に近い位置にある。ロンドンからは約230マイル(360Km)、さらに先に行けばコーンウォールとなり、その先は大西洋、さらに先に進めばアメリカ大陸となる。  英国は日本の様にたくさんの地方自治体から成り立っている。日本では県に相当する自治体が英国ではカウンティー(County)と呼ばれる。デボンもコーンウォールもカウンティーである。時々カウンティーのことをシャー(Shire)と呼ぶこともあり、デボンシャーとか、ヨークシャーと呼ばれる。日本の

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